裁判官 ☆ データベース - 大津地判H30.1.25 仏像返還請求事件
重文仏像2体、返還命令…所有権、滋賀の寺と判断 大津地裁

 滋賀県甲賀市の大岡寺で平成13年ごろから行方不明になっていた国の重要文化財の仏像2体を巡り、同寺と東京都品川区の安楽寺が所有権を争った訴訟の判決で、大津地裁(西岡繁靖裁判長)は25日、所有権の確認を求めた安楽寺の請求を棄却し、大岡寺に2体を引き渡すよう命じた。
 判決によると、仏像は「木造千手観音立像」(鎌倉時代)と「木造阿弥陀如来立像」(平安時代)。文化庁の記録では、1909年に重要文化財に指定され、大岡寺が所有者として登録された。
 安楽寺側は「大岡寺から無償で譲り受けた」と提訴し、その後「知人から贈られた」と主張を変更していた。大岡寺は「東京の会社に移した後、13年ごろに盗まれて行方が分からない」と訴えて返還を求めていた。
 西岡裁判長は「大岡寺が2体の所有権を喪失したと認めることはできない」と判断し、安楽寺側の主張を退けた。
(2018.1.25 16:24 産経WEST)

重文仏像、大岡寺に所有権 大津地裁が引き渡し命令

 滋賀県甲賀市水口町の大岡寺(だいこうじ)で重要文化財の仏像2体が2001年から所在不明になっている問題で、東京都品川区の安楽寺が大岡寺に対して2体の所有権を主張していた訴訟で、大津地裁は25日、安楽寺の訴えを棄却し、仏像を大岡寺に引き渡すよう命じた。
 仏像は木造千手観音立像(鎌倉時代)と木造阿弥陀如来立像(平安時代)。安楽寺は、2体は大岡寺から外部に譲渡されており、被害届が出ていないことを確認して15年1月に第三者から2体を贈与されたと主張。大岡寺は寺の工事のため預けていた先で01年1月に2体が盗まれ、行方不明になったとしていた。
 西岡繁靖裁判長は判決で、譲渡書作成の経緯から大岡寺側が仏像を自らの意思で他者に譲渡したとは認められないと指摘。重要文化財は法律で流通が制限されており、安楽寺は贈与を受ける際に所有権の確認など尽くすべき注意を払っていないとして「安楽寺が仏像の所有権を取得したとは認められず、請求には理由がない」と判断した。
 安楽寺側は16年5月、同寺の本堂に安置しているとする2体の写真を公開していた。安楽寺の代理人弁護士は判決について「コメントはない」としている。
 滋賀県教育委員会によると、01年に所有者の大岡寺から2体が行方不明になったとの届け出があって以来、所在や所有者変更の届け出はないという。県教委は「当事者の間で所有権を明確にしてもらうしかない」としている。
(1/25(木) 22:05 京都新聞)