裁判官 ☆ データベース - 京都地判R1.5.29 職業安定法違反被告事件
好意抱かせ風俗店あっせん 同志社大生ら6人に有罪判決

 京都・祇園のバーに誘い込んだ女性に多額のつけを背負わせ、性風俗店に紹介したとして職業安定法違反(有害業務の紹介)の罪に問われた同志社大生ら6人の判決公判が29日、京都地裁であった。入子光臣(いりこみつおみ)裁判長は6人に執行猶予付きの有罪判決(求刑懲役3年〜1年6カ月)を言い渡した。好意を抱かせた後、半ば強引に風俗店で働かせたとして、「人格を踏みにじる卑劣な犯行」とした。
 判決では、祇園のバー店長だった岸井謙典(けんすけ)被告(24)が、懲役3年執行猶予4年。バーの店員だった上村洋平被告(25)、いずれも同志社大4年の高橋勇斗被告(21)と西村淳生被告(21)、同3年の男(20)=事件当時は未成年=、元京都産業大生の江端光大被告(22)=逮捕後に自主退学=は、懲役2年6カ月執行猶予4年〜懲役1年4カ月執行猶予3年だった。
 判決によると、6人は2017年3月〜昨年3月、当時18〜24歳の女性4人を大津市などの風俗店にあっせんした。街で女性に声をかけるスカウト役や風俗店への仲介役などがいたとして、「巧妙な手口による組織的かつ職業的な犯行」と指摘した。
 岸井被告がスカウト役のマニュアル作成など中心的な役割を担い、上村被告が売り上げの管理を担当。高橋、西村の両被告が女性と性風俗店を仲介する役目で、江端被告と同志社大3年の男がスカウト役だったと認定した。
(2019年5月29日12時05分 朝日新聞)

悪質スカウト事件、代表に有罪判決 京都地裁

 京都市内の繁華街などで声を掛けた女性に高額な借金を負わせ、返済する代わりに性風俗店で働くよう斡旋したとして、職業安定法違反罪に問われたスカウト組織の代表、岸井謙典(けんすけ)被告(24)の判決公判が29日、京都地裁で開かれ、入子光臣裁判長は懲役3年、執行猶予4年(求刑懲役3年)を言い渡した。
 入子裁判長は判決理由で「各種マニュアルを整え、指示役やスカウト役、風俗店への紹介役などの役割分担をしており、巧妙な手口による組織的な犯行」と判断。そのうえで岸井被告について「幹部や経営者としてマニュアルを作成するなど、中心的な役割を果たした。相応の利益を得ており、刑事責任は重い」と指摘した。
 組織の他のメンバー4人にも、同日有罪判決が出された。一連の事件では計9人が起訴された。
(2019.5.29 11:45 産経新聞)

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平成31(わ)123  職業安定法違反
令和元年5月29日  京都地方裁判所
主文
1被告人を懲役3年に処する。
2この裁判が確定した日から4年間その刑の執行を猶予する。
理由
(罪となるべき事実)
第1被告人は,分離前相被告人A,B及びCと共謀の上,平成29年3月2日
頃,大津市ab丁目c番d号所在の店舗型性風俗特殊営業店「D」において,
同店経営者Eに対し,同店が女性従業員に不特定の男性客を相手に手淫,口淫
等の性交類似行為をさせる店であることを知りながら,同店の従業員として就
業させる目的で,F(当時24歳)を女性従業員として紹介して雇用させ,も
って公衆道徳上有害な業務に就かせる目的で,職業紹介を行った。
第2被告人は,A,B,G及びCと共謀の上,同年7月9日頃,同市ab丁目e
番f号所在の店舗型性風俗特殊営業店「H」において,同店の採用担当者であ
る前記Eに対し,同店が女性従業員に不特定の男性客を相手に手淫,口淫等の
性交類似行為をさせる店であることを知りながら,同店の従業員として就業さ
せる目的で,I(当時18歳)を女性従業員として紹介して雇用させ,もって
公衆道徳上有害な業務に就かせる目的で,職業紹介を行った。
第3被告人は,A,分離前相被告人J,K及びLと共謀の上,平成30年1月2
3日頃,京都市g区h通i町j番地k所在のMビル内において,無店舗型性風
俗特殊営業店「N」の人事を担当しているOに対し,同店が女性従業員に不特
定の男性客を相手に手淫,口淫等の性交類似行為をさせる店であることを知り
ながら,同店の従業員として就業させる目的で,P(当時20歳)を女性従業
員として紹介して雇用させ,もって公衆道徳上有害な業務に就かせる目的で,
職業紹介を行った。
第4被告人は,A,分離前相被告人Q,R及びLと共謀の上,同年3月20日
頃,前記Mビル内において,前記無店舗型性風俗特殊営業店「N」の人事を担
当している前記Oに対し,同店が女性従業員に不特定の男性客を相手に手淫,
口淫等の性交類似行為をさせる店であることを知りながら,同店の従業員とし
て就業させる目的で,S(当時19歳)を女性従業員として紹介して雇用さ
せ,もって公衆道徳上有害な業務に就かせる目的で,職業紹介を行った。
(法令の適用)
罰条いずれも刑法60条,職業安定法63条2号
刑種の選択いずれも懲役刑
併合罪の処理刑法45条前段,47条本文,10条(犯情の最も重い判
示第3の罪の刑に法定の加重)
刑の執行猶予刑法25条1項
(量刑の理由)
本件は,被告人が,共犯者らと共謀の上,公衆道徳上有害な業務に就かせる目的
で,女性4名を性風俗店の人事担当者等に女性従業員として紹介して雇用させたと
いう事案である。
被告人らは,各種のマニュアル等を整え,指示役,女性のスカウト役,性風俗店
側への紹介役や仲介役等の役割分担のもと,1年余りの間に4回にわたり,スカウ
ト役が街頭で女性に声をかけ,性風俗等の仕事に興味を示した女性については性風
俗店に紹介し,これに興味を示さない女性については,その後もスカウト役が繰り
返し連絡を取り,一緒に食事をするなどして好意を抱かせて被告人ら運営の飲食店
に誘い込み,スカウト役と交際するためには売上に貢献する必要がある旨言った
り,高額の飲食をさせたりした上で,稼げる店があるなどとして半ば強引に勧誘し
て性風俗店での就労を決意させており,巧妙な手口による組織的かつ職業的な犯行
であって,公衆道徳上の有害性も顕著である。そして,被告人は,前記飲食店の幹
部あるいは経営者として,前記マニュアル等を作成・改訂し,共犯者に指示を与え
たほか,一部の犯行では紹介役を担当するなどの中心的な役割を果たし,相応の利
益を得ている。もとより紹介料欲しさなどという利欲的な動機に酌量の余地はな
い。
以上によれば,本件の犯情は相当に悪く,被告人の刑事責任は重い。
しかしながら,他方,被告人は,事実関係をいずれも認めるなどして反省の態度
を示していること,前科前歴がないこと,父親が出廷して被告人に対する指導監督
を約していることなどの被告人に有利な一般情状も相応に認められることから,被
告人に対しては,今回に限り社会内で自力更生する機会を与えることとして,主文
のとおり量刑した。
(検察官升田雅己及び私選弁護人岡村政和各出席)
(求刑・懲役3年)
令和元年5月29日
京都地方裁判所第1刑事部
裁判長裁判官 入子光臣
裁判官 戸涼子
裁判官 伊藤祐貴

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平成31(わ)123  職業安定法違反
令和元年5月29日  京都地方裁判所
主文
1被告人を懲役2年6月に処する。
2この裁判が確定した日から4年間その刑の執行を猶予する。
理由
(罪となるべき事実)
第1被告人は,分離前相被告人A,B及びCと共謀の上,平成29年3月2日
頃,大津市ab丁目c番d号所在の店舗型性風俗特殊営業店「D」において,
同店経営者Eに対し,同店が女性従業員に不特定の男性客を相手に手淫,口淫
等の性交類似行為をさせる店であることを知りながら,同店の従業員として就
業させる目的で,F(当時24歳)を女性従業員として紹介して雇用させ,も
って公衆道徳上有害な業務に就かせる目的で,職業紹介を行った。
第2被告人は,A,B,G及びCと共謀の上,同年7月9日頃,同市bc丁目e
番f号所在の店舗型性風俗特殊営業店「H」において,同店の採用担当者であ
る前記Eに対し,同店が女性従業員に不特定の男性客を相手に手淫,口淫等の
性交類似行為をさせる店であることを知りながら,同店の従業員として就業さ
せる目的で,I(当時18歳)を女性従業員として紹介して雇用させ,もって
公衆道徳上有害な業務に就かせる目的で,職業紹介を行った。
第3被告人は,A,J,K及びLと共謀の上,平成30年1月23日頃,京都市
g区h通i町j番地k所在のMビル内において,無店舗型性風俗特殊営業店
「N」の人事を担当しているOに対し,同店が女性従業員に不特定の男性客を
相手に手淫,口淫等の性交類似行為をさせる店であることを知りながら,同店
の従業員として就業させる目的で,P(当時20歳)を女性従業員として紹介
して雇用させ,もって公衆道徳上有害な業務に就かせる目的で,職業紹介を行
った。
第4被告人は,A,分離前相被告人Q,R及びLと共謀の上,同年3月20日
頃,前記Mビル内において,前記無店舗型性風俗特殊営業店「N」の人事を担
当している前記Oに対し,同店が女性従業員に不特定の男性客を相手に手淫,
口淫等の性交類似行為をさせる店であることを知りながら,同店の従業員とし
て就業させる目的で,S(当時19歳)を女性従業員として紹介して雇用さ
せ,もって公衆道徳上有害な業務に就かせる目的で,職業紹介を行った。
(法令の適用)
罰条いずれも刑法60条,職業安定法63条2号
刑種の選択いずれも懲役刑
併合罪の処理刑法45条前段,47条本文,10条(犯情の最も重い判
示第3の罪の刑に法定の加重)
刑の執行猶予刑法25条1項
(量刑の理由)
本件は,被告人が,共犯者らと共謀の上,公衆道徳上有害な業務に就かせる目的
で,女性4名を性風俗店の人事担当者等に女性従業員として紹介して雇用させたと
いう事案である。
被告人らは,各種のマニュアル等を整え,指示役,女性のスカウト役,性風俗店
側への紹介役や仲介役等の役割分担のもと,1年余りの間に4回にわたり,スカウ
ト役が街頭で女性に声をかけ,性風俗等の仕事に興味を示した女性については性風
俗店に紹介し,これに興味を示さない女性については,その後もスカウト役が繰り
返し連絡を取り,一緒に食事をするなどして好意を抱かせて被告人ら運営の飲食店
に誘い込み,スカウト役と交際するためには売上に貢献する必要がある旨言った
り,高額の飲食をさせたりした上で,稼げる店があるなどとして半ば強引に勧誘し
て性風俗店での就労を決意させており,巧妙な手口による組織的かつ職業的な犯行
であって,公衆道徳上の有害性も顕著である。そして,被告人は,前記飲食店の経
理を担当し,Aらから指示を受けていたとはいえ,性風俗店からの紹介料等を集計
して従業員である共犯者らの報酬を計算するなどの重要不可欠な役割を果たしてお
り,スカウト役よりも上位の立場にあったものと認められる。もとより紹介料欲し
さなどという利欲的な動機に酌量の余地はない。
以上によれば,本件の犯情はかなり悪く,被告人の刑事責任は相当に重いといわ
ざるを得ない。
しかしながら,他方,被告人は,事実関係をいずれも認めるなどして反省の態度
を示していること,前科前歴がないこと,父親が出廷して被告人に対する指導監督
を約していることなどの被告人に有利な一般情状も相応に認められることから,被
告人に対しては,今回に限り社会内で自力更生する機会を与えることとして,主文
のとおり量刑した。
(検察官升田雅己及び私選弁護人大杉光城各出席)
(求刑・懲役2年6月)
令和元年5月29日
京都地方裁判所第1刑事部
裁判長裁判官 入子光臣
裁判官 戸涼子
裁判官 伊藤祐貴

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平成31(わ)192  職業安定法違反
令和元年5月29日  京都地方裁判所
主文
1被告人Aを懲役1年10月に,被告人Bを懲役1年6月に処す
る。
2被告人両名に対し,この裁判が確定した日から各3年間,それぞ
れその刑の執行を猶予する。
理由
(罪となるべき事実)
第1被告人Aは,C,D,E及びFと共謀の上,平成30年1月23日頃,京都
市a区b通c町d番地e所在のGビル内において,無店舗型性風俗特殊営業店
「H」の人事を担当しているIに対し,同店が女性従業員に不特定の男性客を
相手に手淫,口淫等の性交類似行為をさせる店であることを知りながら,同店
の従業員として就業させる目的で,J(当時20歳)を女性従業員として紹介
して雇用させ,もって公衆道徳上有害な業務に就かせる目的で,職業紹介を行
った。
第2被告人Bは,C,D,K及びFと共謀の上,同年3月20日頃,前記Gビル
内において,前記無店舗型性風俗特殊営業店「H」の人事を担当している前記
Iに対し,同店が女性従業員に不特定の男性客を相手に手淫,口淫等の性交類
似行為をさせる店であることを知りながら,同店の従業員として就業させる目
的で,L(当時19歳)を女性従業員として紹介して雇用させ,もって公衆道
徳上有害な業務に就かせる目的で,職業紹介を行った。
(法令の適用)
被告人両名につきいずれも
罰条刑法60条,職業安定法63条2号
刑種の選択懲役刑
刑の執行猶予刑法25条1項
訴訟費用刑事訴訟法181条1項ただし書(不負担)
(量刑の理由)
1本件は,被告人両名が,それぞれ,共犯者らと共謀の上,公衆道徳上有害な業
務に就かせる目的で,女性1名を性風俗店の人事担当者に女性従業員として紹介
して雇用させたという事案である。
2共通の情状
被告人らは,各種のマニュアル等を整え,指示役,経理担当者,女性のスカウ
ト役,性風俗店側への紹介役や仲介役等の役割分担のもと,スカウト役が街頭で
声をかけた女性に繰り返し連絡を取り,一緒に食事をするなどして女性に好意を
抱かせて被告人ら運営の飲食店に誘い込み,スカウト役と交際するためには売上
に貢献する必要がある旨言ったり,高額の飲食をさせたりした上で,稼げる店が
あるなどとして半ば強引に勧誘して性風俗店での就労を決意させており,巧妙な
手口による組織的かつ職業的な犯行であるとともに,女性の人格を踏みにじる卑
劣な犯行である。
3個別の情状
⑴被告人A
被告人Aは,上位の共犯者の指示に従って行動するなど従属的な面もあった
ものの,紹介役を担当し,女性を勧誘して性風俗店での就労を決意させ,同店
側に取り次ぐなどの重要な役割を果たしている。もとより報酬欲しさなどとい
う利欲的な動機に酌量の余地はない。以上の犯情によれば,被告人Aの刑事責
任は相当に重いといわざるを得ず,懲役刑の選択はやむを得ない。
しかしながら,他方,被告人Aは,事実関係を認めるなどして反省の態度を
示していること,若年で前科がないこと,母親が出廷して監督を約しているこ
となどの有利な一般情状が認められることから,これらについても一定程度考
慮し,同被告人に対しては今回に限り社会内で自力更生する機会を与えること
とした。
⑵被告人B
被告人Bは,上位の共犯者らの指示に従って行動するなど従属的立場にあっ
たものの,紹介役を担当し,性風俗店での就労を決意した女性に仕事の内容を
説明し,同店側との仲介役に取り次ぐなどの重要な役割を果たしている。もと
より報酬欲しさなどという利欲的な動機に酌量の余地はない。以上の犯情によ
れば,被告人Bの刑事責任は相応に重いといえ,懲役刑の選択はやむを得な
い。
しかしながら,他方,被告人Bは,事実関係を認めるなどして反省の態度を
示していること,若年で前科前歴がないこと,父親が出廷して同被告人のため
に証言していることなどの有利な一般情状が認められることから,これらにつ
いても一定程度考慮し,同被告人に対しては今回に限り社会内で自力更生する
機会を与えることとした。
4よって,主文のとおり判決する。
(検察官升田雅己並びに国選弁護人橋本阿玲芙〔被告人A関係〕及び同大久保勇輝
〔被告人B関係〕各出席)
(求刑被告人両名につきそれぞれ懲役2年)
令和元年5月29日
京都地方裁判所第1刑事部
裁判長裁判官 入子光臣
裁判官 片多康
裁判官 伊藤祐貴

PDF

平成31(わ)123  職業安定法違反
令和元年5月29日  京都地方裁判所
主文
1被告人両名をそれぞれ懲役1年4月に処する。
2被告人両名に対し,この裁判が確定した日から各3年間,それぞれそ
の刑の執行を猶予する。
理由
(罪となるべき事実)
第1被告人Aは,分離前相被告人C,同D,E及びFと共謀の上,平成30年1
月23日頃,京都市a区b通c町d番地e所在のGビル内において,無店舗型
性風俗特殊営業店「H」の人事を担当しているIに対し,同店が女性従業員に
不特定の男性客を相手に手淫,口淫等の性交類似行為をさせる店であることを
知りながら,同店の従業員として就業させる目的で,I(当時20歳)を女性
従業員として紹介して雇用させ,もって公衆道徳上有害な業務に就かせる目的
で,職業紹介を行った。
第2被告人Bは,C,D,K及びFと共謀の上,同年3月20日頃,前記Gビル
内において,前記無店舗型性風俗特殊営業店「H」の人事を担当している前記
Iに対し,同店が女性従業員に不特定の男性客を相手に手淫,口淫等の性交類
似行為をさせる店であることを知りながら,同店の従業員として就業させる目
的で,L(当時19歳)を女性従業員として紹介して雇用させ,もって公衆道
徳上有害な業務に就かせる目的で,職業紹介を行った。
(法令の適用)
被告人両名につきいずれも
罰条刑法60条,職業安定法63条2号
刑種の選択懲役刑
刑の執行猶予刑法25条1項
訴訟費用刑訴法181条1項ただし書(不負担)
(量刑の理由)
本件は,被告人両名が,それぞれ,共犯者らと共謀の上,公衆道徳上有害な業務
に就かせる目的で,女性1名を性風俗店の人事担当者に女性従業員として紹介して
雇用させたという事案である。
被告人らは,各種のマニュアル等を整え,指示役,女性のスカウト役,性風俗店
側への紹介役や仲介役等の役割分担のもと,スカウト役が街頭で声をかけた女性に
繰り返し連絡を取り,一緒に食事をするなどして女性に好意を抱かせて被告人ら運
営の飲食店に誘い込み,スカウト役と交際するためには売上に貢献する必要がある
旨言ったり,高額の飲食をさせたりした上で,稼げる店があるなどとして半ば強引
に勧誘して性風俗店での就労を決意させており,巧妙な手口による組織的かつ職業
的な犯行である。そして,被告人両名は,いずれも,上位の共犯者らの指示に従っ
て行動するなど従属的立場にあったものの,スカウト役を担当するなどの重要不可
欠な役割を果たしている。もとより報酬欲しさなどという利欲的な動機に酌量の余
地はない。
以上の犯情によれば,被告人両名の刑事責任はいずれも相応に重い。
他方で,被告人両名については,女性に損害賠償金等として相当額の金員を支払
って示談を遂げている(もっとも,職業安定法63条2号違反の罪の保護法益には
社会的法益が含まれていることから,この点を過大視することはできない。)こと,
事実関係を認め,謝罪文を作成するなどして反省の態度を示していること,若年で
前科前歴がないこと,親が出廷して監督を約していることなどの有利な一般情状が
それぞれ認められる。
しかしながら,主に犯行態様や役割の重要性等の犯情によって基礎づけられる被
告人両名の刑事責任の重さに照らすと,本件はいずれも罰金刑を選択するのが相当
な事案とは認められず,懲役刑の選択はやむを得ない。
よって,主文のとおり判決する。
(検察官升田雅己並びに国選弁護人中矢裕正〔被告人A関係〕及び同中田良成〔被
告人B関係〕各出席)
(求刑・被告人両名につきそれぞれ懲役1年6月)
令和元年5月29日
京都地方裁判所第1刑事部
裁判長裁判官 入子光臣
裁判官 戸涼子
裁判官 伊藤祐貴