裁判官 ☆ データベース - 横浜地判R1.12.13 殺人被告事件
川崎通り魔殺人事件 被告に懲役28年判決 横浜地裁

 13年前、川崎市のトンネルで27歳の女性が刃物で刺されて殺害された通り魔事件の裁判で、殺人の罪に問われた39歳の被告に対し、横浜地方裁判所は「人を人とも思わない人命を軽視した残虐な犯行だ」などとして懲役28年の判決を言い渡しました。
 横浜市の無職鈴木洋一被告(39)は、13年前の平成18年9月、川崎市宮前区のJRの高架下にあるトンネル内の歩道で、面識がなかった黒沼由理さん(当時27歳)を刃物で刺して殺害したとして殺人の罪に問われました。
 これまでの裁判員裁判で検察は「自分の快楽を優先した計画的で身勝手極まりない犯行だ」として無期懲役を求刑したのに対し、被告の弁護士は「計画性はなく反省している」などと主張していました。
 13日の判決で横浜地方裁判所の景山太郎裁判長は「無関係の女性をストレスのはけ口にしたもので理不尽で身勝手だ。人を人とも思わない人命を軽視した残虐な犯行だ」などと指摘しました。
 一方、被告が別の殺人未遂事件で実刑判決が確定して服役中に、今回の事件への関与について警察に打ち明けたことに触れ「告白は更生の一歩と評価できる」として懲役28年の判決を言い渡しました。
 裁判長は判決の言い渡しのあと、被告に向けて「犯した罪の重大さに真摯(しんし)に向き合い、命が大切だと心から理解できる人になってほしい」などと10分近く語りかけ、被告はじっと正面を向いて聞いていました。
 遺族「判決報告できる 一歩前進」
 判決を受けて死亡した黒沼由理さん(当時27歳)の父親の俊昭さんと母親の信子さんがコメントを出しました。
 この中で「判決は望むものではありませんでしたが、判決を由理に報告できることは一歩前進だと受け止めています」としています。
 また「どんな判決が下されようと由理の命が戻ってくることはありません。裁判での被告の発言は、由理の命をあまりにも軽視した真の反省とは程遠いもので、私たち遺族を苦しめるものでした」としています。
(2019年12月13日 15時13分 NHK)

川崎トンネル内女性殺人 被告に懲役28年、裁判長「人を人とも思わぬ態度」と非難 横浜地裁

 川崎市宮前区のトンネルで2006年9月、帰宅途中の黒沼由理さん(当時27歳)を刺殺したとして殺人罪に問われた無職、鈴木洋一被告(39)に対して、横浜地裁の裁判員裁判は13日、懲役28年(求刑・無期懲役)の実刑判決を言い渡した。景山太郎裁判長は「人を人とも思わぬ人命軽視の態度が顕著だ」と厳しく非難した。
 判決は、被告がストレスを発散させるため好みの女性の苦悶(くもん)する表情を見たいと思い立ち、事件に及んだと認めた。無防備な被害者に対して刃先が貫通するほどの強さで腹部を刺すなどしたことから、強固な殺意に基づく残虐な犯行と指摘。「夢の実現に向けて努力を重ねていた中、人生を絶たれた無念さは察するに余りある」と述べた。
 量刑については、被告が別事件で服役していた16年に重い処罰が見込まれる今回の未解決事件を告白した点を踏まえて、「無期懲役はやや重きに過ぎる」と結論づけた。
 判決によると、鈴木被告は06年9月23日未明、宮前区梶ケ谷の市道トンネルで帰宅中の黒沼さんの腹や胸を刃物で刺して殺害した。【中村紬葵】
(2019年12月13日 22時03分(最終更新 12月13日 22時03分) 毎日新聞)