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覚醒剤使用の女性に無罪 取り調べの録音・録画を検討し信用性否定

 名古屋市のホテルで覚醒剤が含まれた水溶液を知人の20代男に注射してもらったとして、覚せい剤取締法違反(使用)罪に問われた50代女性に名古屋地裁は12日、「男の暴力に恐怖心を抱き、拒絶できなかった可能性を否定できない」として、無罪判決を言い渡した。求刑は懲役1年6月。
 検察側は「男の望むことをしてあげたく、注射した」とする供述調書を証拠提出したが、岩田澄江裁判官は取り調べの録音・録画を検討し「女性が(取り調べで)繰り返し述べた男からの暴力や恐怖心の記載が調書にはなく、供述を正確に記録したものではない」と信用性を否定した。
 岩田裁判官は、女性が犯行前の約2カ月間、男から殴る蹴るなどの激しい暴行を複数回受け、暴力を避けるため男の金銭要求に応じ計約1千万円を渡していたと指摘。男の勧めで覚醒剤を使用した当時は「男の意に反する行動を取ることが困難な心理状態だった」と述べた。
(2019.7.12 20:23 産経新聞)

覚醒剤使用の女性に無罪判決 「男の暴力で拒絶できず」

 覚醒剤取締法違反(使用)罪に問われた50代の飲食店女性従業員=名古屋市=に対し、名古屋地裁の岩田澄江裁判官は12日、「男の暴力に恐怖心を抱き、注射を拒絶できなかった可能性が否定できない」と述べ、無罪(求刑懲役1年6カ月)を言い渡した。
 女性は昨夏、愛知県内で知人の男と共謀し、覚醒剤を使用したとして逮捕、起訴された。女性は男から暴行を受け、すきをみて家族にLINEでメッセージを送信。駆けつけた警官が覚醒剤を見つけるなどしたことから、2人を逮捕した。
 女性は公判で、男から「暴力を受け、覚醒剤を打つことを拒めなかった」と主張。無罪を訴えていた。
 判決は、検察官が作成した女性の自白調書と、取り調べの様子を録画したDVDの内容を検討。女性はDVDで「殴る蹴るの暴力を受け、殺されると思った」「怒らせて殴られたくない気持ちが大部分を占めた」と説明。一方、自白調書には暴力や恐怖心の記載はなく「殴られたくない気持ちと男の望むことをしてあげたい気持ち」は等しいとあった。岩田裁判官は「自白調書は供述を正確に録取したと認められない」とし「自らの意思で使用したと認められない」と述べた。
 判決後、女性は「ほっとした」と涙を流し、弁護人の多田元弁護士は「女性は男から全身に激しい暴行を受けた被害者であり、起訴自体が極めて不当だった」と話した。名古屋地検の築雅子次席検事は「判決内容を精査し、適切に対応したい」としている。(村上潤治)
(2019年7月12日21時14分 朝日新聞)

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