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虚偽DV見逃しは違法 妻と愛知県に異例の賠償命令 名古屋地裁 支援悪用、父子関係絶つ

 子供を連れて別居中の妻が捏造(ねつぞう)した家庭内暴力(DV)の話を警察官がうのみにした結果、不当にDV加害者と認定され、子供と会えなくなったとして、愛知県に住む40代の夫が、40代の妻と県に慰謝料など計330万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、名古屋地裁(福田千恵子裁判長、鈴木尚久裁判官代読)が夫側の主張を認め、妻と県に計55万円の賠償を命じていたことが7日、分かった。判決は4月25日付。社会問題化している“虚偽DV”をめぐり、相手親と行政側の賠償責任を認定した判決は極めて異例とみられる。
 福田裁判長は「DV被害者の支援制度が、相手親と子供の関係を絶つための手段として悪用される事例が問題化している。弊害の多い現行制度は改善されるべきだ」と言及。この訴訟は個別事例ではないと指摘し、制度見直しを求めた。
 判決によると、夫妻は平成18年に結婚。翌年に子供が生まれたが、24年に妻が子供を連れて別居した。夫の申し立てを受けた名古屋家裁半田支部は26年、妻に夫と子供を定期的に交流(面会・手紙のやり取りなど)させるよう命じた。
 しかし28年、妻は愛知県警を訪れ、DV防止法に基づき夫に住所などを知られないようにする支援を申請。対応した警察官は「妻はDV被害者で、今後もDVを受ける危険がある。支援の要件を満たしている」との意見書を作成した。
(2018.5.8 05:00 産経ニュース)

虚偽DV訴訟、親権のための法的テクニック 社会問題化「制度見直すべきだ」

 「より良い制度に向けた検討が期待される」。今回の判決で、福田千恵子裁判長はそう踏み込んだ。この提言は(1)DV(家庭内暴力)被害者の支援制度が、子供と相手親を引き離す手段として悪用されている(2)加害者とされる側の権利を守る手続きがなく、虚偽DVの温床となっている−などの問題意識を反映したものだ。この判決は今後、制度の在り方をめぐる議論につながる可能性もある。
 子供をめぐる夫婦間トラブルで多い類型は、一方の親が相手親に無断で子供を連れ去り、その理由として「DVを受けていた」と主張する−というものだ。
 従来は、たとえ連れ去りの結果であっても、現在の子供の成育環境の維持を考慮する考え方(継続性の原則)などが重視され、連れ去られた側が不利となる事例が多かった。さらに相手からDVを主張された場合、子供との交流の頻度や方法を決める際にも不利に扱われやすいとされる。
 DV主張は覆すのが困難で、実務上、証拠が乏しくてもDVが認定されることが多い。実際、裁判記録などによると、DV認定を抗議した夫に警察官は「女性がDVを訴えたら認定する」と発言。法廷でも「支援申請を却下したことは一度もない」と証言した。
この問題に詳しい上野晃弁護士は「こうした運用は愛知県警だけでなく、全国的に同様だ。警察は申請を却下した後に事件などが起き、責任追及されるのを恐れるためだ」と分析する。
 一方で近年では、「親権や慰謝料を勝ち取る法的テクニックとして、DVの捏造(ねつぞう)が横行している」「連れ去りをした側が有利な現状はおかしい」との指摘も出ていた。
 国会でも平成27年4月、ニュースキャスター出身の真山勇一参院議員が、現行制度下で子供の連れ去りや虚偽DVが横行している問題を指摘した。
 福田裁判長は「いったんDV加害者と認定されれば容易に覆らない現行制度は見直すべきだ。まず被害者を迅速に保護して支援を開始した上で、加害者とされた側の意見もよく聞き、その結果に応じて支援の在り方を見直していく制度にすれば、社会問題化している制度悪用の弊害を防げる」と指摘。司法府が立法府に注文をつけるのは異例だ。
 原告側代理人の梅村真紀弁護士は「(判決が)子供第一の協議が行われるきっかけになってほしい」と話す。
 妻側は既に控訴しており、上級審の判断が注目される。(小野田雄一)
(2018.5.8 05:00 産経ニュース)

DV面会禁止、愛知県に賠償命令 名古屋地裁

 別居中の妻が申告した家庭内暴力(DV)について、警察が十分確認しないまま認めたため娘に会えなくなったなどとして、愛知県岡崎市に住む40代の夫が40代の妻と同県に330万円の損害賠償を求めた訴訟の判決があり、名古屋地裁は55万円の支払いを命じた。判決は4月25日。
 福田千恵子裁判長は判決理由で「夫の暴力が誇張されている可能性は否定できない。妻は娘の面会を阻止する目的で申し出た」とした。
 判決によると、妻が娘を連れて別居した2年後の2014年、夫の申し立てで名古屋家裁半田支部が、夫と娘に面会交流をさせるよう妻に命じていた。
 だが、妻は16年に転居し、DV防止法に基づき、住所を知られない措置を県警に申請して認められた。警察の意見を基に自治体は対応するため、夫は娘に会えなくなった。
 判決は、県警が「妻の申告をうのみにし、必要な調査を尽くさなかった」と指摘。一方で「(悪用を防ぐため)被害者の安全を確保しつつ加害者にも配慮し、警察署員に過大な負担をかけない制度設計があるはず」と言及した。
 妻と県は既に控訴した。県警は「係争中のためコメントは差し控える」とした。
(2018年5月8日 21時28分 中日新聞)

調査せず県警がDV認定 地裁、愛知県と妻に賠償命令

 妻が申し出たドメスティックバイオレンス(DV)被害を愛知県警が調査せずに認めたのは不当だとして、夫が妻と県に計330万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が8日までに、名古屋地裁であった。福田千恵子裁判長(鈴木尚久裁判長代読)は「警察が事実確認を怠ってDVと認め、夫の名誉が傷つけられた」として妻と県に計55万円の支払いを命じた。
 判決は4月25日付。妻と県は控訴した。
 福田裁判長は「DVの主張が事実無根とは言えないが、診断書がなく誇張した可能性がある」と述べ、妻が子供と夫との面会を阻むためにDV被害を訴えたと判断。県警が必要な調査を怠ってDVと判断したのは違法だと結論づけた。
 福田裁判長はさらに「別居する親と子供の面会を妨害するためのDV支援制度の悪用が問題になっている」と言及。「加害者とされる側にも配慮した制度が期待される」と見直しを求めた。
 判決によると、2012年に妻は子供を連れて別居した。夫の申し立てを受けて家裁が夫と子供の面会交流を命じたが、16年に妻がDV防止法に基づく支援を求め、県警は「支援の要件を満たす」との意見書を作成。これを受けて自治体が妻の住民基本台帳の閲覧を制限したため、夫は子供と会えなくなった。
 妻側は訴訟で「DVがあったことは事実だ」と主張し、県側も「被害者保護のためにDVと判断したことに問題はなかった」と反論していた。
(2018/5/8 18:41 日経新聞)

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