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追突事故 髄液漏れ認める 被害者が逆転勝訴 名古屋高裁

 追突事故の被害者が脳脊髄(せきずい)液減少症(髄液漏れ)になったかが争われた訴訟で、名古屋高裁(藤山雅行裁判長)が、1審・名古屋地裁判決を変更して髄液漏れとした診断の妥当性を認め、約130万円だった賠償額を約2350万円増額する判決を言い渡していたことが分かった。1審は同種訴訟で多くの加害者側が頼ってきた医師の意見書を根拠に髄液漏れを否定したが、2審は研究が進んだ現状と治療した専門医らの見解を重視した。
 2審判決は今月1日付。確定した。
 髄液漏れを巡る裁判では、国の研究班メンバーで治療経験豊富な医師の肯定的な判断が認められず、否定的で治療実績が乏しい医師の意見書が採用され、患者の訴えが認められないケースがほとんど。被害者側の柴田義朗弁護士は「研究が進展する以前に、髄液漏れを極めて限定的にしか認めない流れができてしまった。やっと医学の現状に追いついたという意味で画期的な判決だ」と評価する。
 事故は2005年、神戸市内で発生。追突された車に同乗していた当時40代の女性は事故後、頭痛などの症状に悩まされ、三つの病院で髄液漏れと診断された。だが、追突した加害者側は「診断基準に合わない」と賠償に応じなかった。
 藤山裁判長は、加害者側の医師の意見書について「1970年代の古い文献などに基づいた意見に強い説得力はない」などと指摘。「3病院の臨床診断は十分に信頼性がある」とした。また、3病院が撮影したMRI(磁気共鳴画像化装置)などの画像には、髄液漏れの診断基準を満たしていない部分もあったが、研究が進展中であることを踏まえて「(画像の証拠価値を)全て否定する方向で診断基準を用いるのは相当でない」と判断した。
 国の研究班は2011年にMRIなどの画像による診断基準を公表。16年度から公的医療保険が適用されている。【渡辺暖】
 【ことば】脳脊髄液減少症
 脳と脊髄は硬膜で覆われ、硬膜内の隙間(すきま)は脳脊髄液で満たされている。何らかの原因で髄液が減少すると、ひどい頭痛や吐き気、めまいなどの症状を引き起こす。事故やスポーツなどの他、原因がはっきりしないまま発症することもある。外見からは分からないため、周囲から「心の病」と誤解されることも多い。
(2017年6月29日 06時50分(最終更新 6月29日 06時50分) 毎日新聞)

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