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佐賀銀侵入 共謀の元行員に懲役6年 福岡地裁判決

 佐賀銀行干隈支店(福岡市城南区)で現金5430万円を盗んだなどとして、窃盗や建造物侵入などの罪に問われた元行員、吉田淳被告(43)に対し、福岡地裁(岩田淳之裁判官)は16日、懲役6年(求刑・懲役10年)を言い渡した。
 岩田裁判官は、指示役や実行役など役割を分担した計画的で組織的な犯行と指摘。吉田被告が多額の借金をしていたヤミ金業の服部龍二被告(36)=窃盗罪などで懲役5年の判決=に脅され、現金保管状況などの内部情報を伝えたことから「不可欠で重要な役割を果たした」と批判した。一方で「同行は少なからず社会的信用を失い、被告の刑事責任は重いが、反省の態度を示している」などと情状酌量の理由を述べた。
 判決によると、吉田被告は服部被告らと共謀して2016年10月6日に干隈支店の職員専用出入り口を解錠して侵入し現金5430万円を盗んだ他、同年8月8日には盗み目的で箱崎支店(同市東区)に侵入するなどした。【平川昌範】
(2017年10月16日 11時45分(最終更新 10月16日 12時42分) 毎日新聞)

佐賀銀窃盗元行員に実刑、「内部情報を提供」指弾…福岡地裁判決

 佐賀銀行の支店で起きた多額窃盗、侵入事件や同銀行の顧客情報流出事件などで、窃盗罪や不正競争防止法違反などに問われた元行員の吉田淳あつし被告(43)(懲戒解雇)に対し、福岡地裁は16日、懲役6年(求刑・懲役10年)の判決を言い渡した。岩田淳之裁判官は「周到に準備された計画的、組織的犯行。被告は銀行員の地位を利用し、不可欠かつ重要な役割を果たした」と述べた。
 判決によると、吉田被告は昨年10月、同銀行干隈支店(福岡市城南区)の鍵やセキュリティーカードを同僚から盗んだ。そのうえで、無職服部龍二被告(36)(1審で懲役5年)らと共謀し、同支店の職員専用出入り口から侵入し、5430万円を盗んだ。同8月には同銀行箱崎支店(同市東区)に侵入したほか、同7月には預金額1億円以上の顧客情報が記載された名簿を服部被告に渡すなどした。
 吉田被告は「多額の借金をしていた服部被告に脅され、やむを得ず犯行に関与した。報酬は受け取っていない」などと主張。判決で岩田裁判官は、こうした主張を排斥できる証拠はないと判断。しかし、「銀行の内部情報を提供するなど重要な役割を果たしており、銀行が社会的信用を失った点は看過しがたい。刑事責任は重い」と指摘した。
(2017年10月16日 読売新聞)

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平成29年10月16日宣告
平成28年(わ)第1434号,第1726号,平成29年(わ)第136号,第478号,第875号
住居侵入,窃盗,建造物侵入幇助(変更後の訴因建造物侵入),建造物侵入,横領,
不正競争防止法違反被告事件
主文
被告人を懲役6年に処する。
未決勾留日数中210日をその刑に算入する。
理由
(犯罪事実)
被告人は,
第1【不正競争防止法違反:平成29年7月27日付け起訴状記載の公訴事実】
株式会社A銀行から,同社において秘密として管理されている事業活動に有
用な同社の顧客の氏名及び住所等の情報であって,公然と知られていないもの
(以下「顧客情報」という。)を閲覧する権限を付与され,営業秘密を同社から
示されていた者であるが,顧客情報の照会オペレーションは,業務上必要なも
のに限り,かつ,顧客情報については,みだりにコピーをとってはならない旨
の営業秘密の管理に係る任務に背いて,同社のサーバコンピュータにアクセス
して,営業支援システムを起動させ,預金額が1億円以上の同社の顧客らを検
索するなどし,同顧客らの氏名及び住所等の検索結果を紙面に印字するなどの
方法により領得した顧客情報が記載された顧客名簿を,不正の利益を得る目的
で,平成28年7月5日頃から同月12日頃までの間に,福岡市a区bc番d
号B店において,顧客情報を第三者に開示してはならない旨の営業秘密の管理
に係る任務に背き,Cに交付し,もって営業秘密を開示した。
第2【建造物侵入:平成29年6月8日付け請求書による訴因等変更後の平成2
8年12月22日付け起訴状記載の公訴事実】
D,E,F,G,H及びCと共謀の上,金庫破りの目的で,平成28年8月
8日午後4時41分頃から同日午後5時7分頃までの間に,株式会社A銀行I
支店支店長Jが看守する福岡市a区ef丁目g番h号の株式会社A銀行K支店
に,職員専用出入口の施錠を外して侵入した。
第3【横領:平成29年5月2日付け起訴状記載の公訴事実】
平成28年8月23日,福岡市i区jk丁目l番m号のL3階事務室におい
て,Mから,現金1300万円を株式会社A銀行N支店に開設されたO名義の
普通預金口座に入金するよう委託を受けて受領し,これを前記Mのため預かり
保管中,その頃,同所付近において,自己の用途に費消する目的で着服して横
領した。
第4【住居侵入,窃盗:平成28年11月4日付け起訴状記載の公訴事実】
氏名不詳者らと共謀の上,平成28年10月6日午後10時頃,福岡市i区
no丁目p番q号のA銀行P寮r号のQ方に,金品窃取の目的で,無施錠の出
入口ドアから侵入し,その頃,同所において,同人所有又は管理に係る鍵及び
セキュリティカード等8点在中のナイロンケース1個(時価合計約1210円
相当)を窃取した。
第5【建造物侵入,窃盗:平成29年6月8日付け請求書による訴因変更後の同
年2月14日付け起訴状記載の公訴事実】
C,R,H,G及びSと共謀の上,金品窃取の目的で,平成28年10月6
日午後10時36分頃,株式会社A銀行T支店支店長Uが看守する福岡市s区
tu丁目v番w号の株式会社A銀行T支店に,職員専用出入口ドアの施錠を外
して侵入し,その頃,同所において,同人管理に係る現金5430万円を窃取
した。
(量刑の理由)
本件は,銀行員であった被告人が,‘蔚箙圓慮楜厂省蹐鯊荵絢圓防埓気妨鯢佞
(第1),共犯者と共謀し,金庫破りの目的で勤務先の銀行の支店に侵入し(第2),
8楜劼ら預かった現金を横領し(第3),共犯者と共謀し,ぜ勸寮の同僚の部屋
から別の支店の鍵等を盗み(第4),イ修譴蕕鰺用して同支店に侵入して現金を盗
んだ(第5)各事案である。
量刑を検討する上で中心となるイ侶造物侵入,窃盗は,もとより被害額が54
30万円と相当に高額な重大事案である。鍵やセキュリティカード,現金保管用の
機器を撮影した映像等を入手し,必要な道具等を用意し,相当額の現金を被害店舗
に移動させるなどの準備をした上,相当数の共犯者らが相互に連絡を取り合い,指
示役,実行役,見張り役等の役割を分担して実行されている。このように,本件が
周到に準備された計画的,組織的犯行であることは明らかといえる。
被告人は,多額の借金をしていた共犯者Cから脅されるなどしてやむを得ず犯行
に関与したもので報酬も一切得ていない旨述べ,これを排斥するに足りる証拠まで
はない(検察官は,被告人とCとの間で債務免除等の報酬約束があったとみるべき
旨主張するが,これを根拠付ける適確な証拠は見当たらない。)。しかし,この供述
を前提としても,被告人は,銀行員の地位を利用し,自らい僚撒鐃入,窃盗の犯
行に及んで入手した鍵等や被害銀行の内部情報を共犯者らに提供し,相当額の現金
を被害店舗に移動させるなど,不可欠かつ極めて重要な役割を果たしたといえる。
また,△侶造物侵入も同様に計画的,組織的犯行である上に被告人の役割は重
要といえる。の横領では1300万円もの高額の被害が生じている。,良埓偽
争防止法違反も,被害銀行で最も厳格に管理されていた顧客情報のうち,預金額が
1億円以上の顧客らの情報を△鉢イ龍θ伴圓卜出させており,悪用の危険性は高
かったといえる。現に預金を引き上げた顧客もいる。これらの各犯行についても,
いずれも犯情は悪い。一連の犯行により勤務先の被害銀行が少なからず社会的信用
を失ったものとうかがわれる点も看過し難い。以上によれば,被告人の刑事責任は
重く,相当期間の実刑は免れない。
他方,被告人は最終的には本件各犯行を認めて反省の態度を示している。の横
領につき被害額の一部を事実上返済している。,良埓偽チ菲瓢瀚^稟燭錬辰らの
要求に応じた面があることが否定できない。その他,被告人には前科前歴がないこ
と,母親が出廷して支援を約束したこと,本件により解雇されたこと等の被告人の
ために酌むべき事情もあるので,これらの各事情を最大限考慮し,刑期については
主文のとおり定めることが相当と判断した。
平成29年10月16日
福岡地方裁判所第1刑事部
裁判官 岩田淳之

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