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辺野古工事差し止め、二審も認めず 高裁那覇支部

 米軍普天間基地(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古移設を巡り、沖縄県が国の工事差し止めを求めた訴訟の控訴審判決で、福岡高裁那覇支部(大久保正道裁判長)は5日、県側の訴えを退けた一審を支持し、県側控訴を棄却した。
 埋め立て海域への土砂投入に向け準備を進める政府にとっては追い風の判決。移設に反対する県側と国との対立に解消の兆しはみえていない。
 今回の訴訟は2017年7月、知事の許可を得ずに岩礁を破砕するのは違法だと県側が主張して提訴したもの。今年3月の一審・那覇地裁判決は、自治体が条例や規則に従うよう求める訴訟は起こせないとする過去の最高裁判例を踏まえ「審判の対象にならず、不適法だ」として国側の主張を全面的に認め、県側の訴えを却下していた。
 大久保裁判長は5日の判決理由で、一審と同様に最高裁判例を引用し「法律上の争訟に当たらない」と指摘。岩礁の破砕が違法かどうかなどの判断には踏み込まず、一審に続き県側の訴えを事実上、門前払いした。
 玉城デニー知事は「司法の任務を放棄した」などと批判した上で「上告するかどうかは判決文を精査して最終決定する」とのコメントを出した。
 県と国の法廷闘争では、辺野古沿岸部の埋め立て承認取り消しの可否が争われた訴訟で、16年12月に県側敗訴が最高裁で確定している。
(2018/12/5 14:03 日経新聞)

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平成30(行コ)1
主文
1本件控訴を棄却する。
2控訴費用は控訴人の負担とする。
事実及び理由
第1控訴の趣旨
1原判決を取り消す。
2被控訴人は,原判決別紙3図示の1−1,1−2,1−3,1−4,1−
,1−6,1−7,1−8,1−9,1−,1−11,1−12,1−
13,1−14,1−1の各点を順次に結ぶ線(1−14と1−1の各点を結
ぶ線は,陸岸又は第一橋梁の上流端の線とする。)によって囲まれる水域,2
−1,2−2,2−3,2−4,2−1の各点を順次に結ぶ線(2−1と2−
4の各点を結ぶ線は陸岸の線とする。)によって囲まれる区域,2−,2−
6,2−7,2−の各点を順次に結ぶ線(2−と2−7の各点を結ぶ線は
陸岸の線とする。)によって囲まれる水域及び2−8,2−9,2−,2
−8の各点を順次に結ぶ線(2−8と2−の各点を結ぶ線は陸岸の線とす
る。)によって囲まれる水域(以下,これらの水域を併せて「本件水域」とい
う。)において,沖縄県漁業調整規則(昭和47年規則第143号。以下「本
件規則」という。)39条所定の沖縄県知事の許可を受けることなく,岩礁を
破砕し,又は土砂若しくは岩石を採取(以下,これらの行為を併せて「岩礁破
砕等行為」という。)してはならない(主位的請求)。
3被控訴人は,本件水域において,本件規則39条所定の沖縄県知事の許可を
受けることなく,岩礁破砕等行為をしてはならない義務のあることを確認する
(予備的請求)。
第2事案の概要(略称は特に記載したもののほかは原判決のものを用いる。)
1本件は,本件水域に係る漁業権を管轄する行政庁である沖縄県知事が属する
行政主体である控訴人が,本件水域を含む沖縄県名護市辺野古沿岸域において
普天間飛行場代替施設等の建設を進める被控訴人に対し,本件水域は漁業権の
設定されている漁場に該当するため,本件水域内において岩礁破砕等行為を行
う場合には沖縄県知事の許可が必要となるにもかかわらず,被控訴人がかかる
許可を得ずに本件水域内において岩礁破砕等行為を断行するおそれがあるなど
と主張して,主位的に,本件規則39条1項に基づく公法上の不作為義務の履
行請求として本件水域内における岩礁破砕等行為の差止めを求め(本件差止請
求),予備的に,かかる不作為義務の存在の確認を求めた(本件確認請求)事
案(行政事件訴訟法4条後段の実質的当事者訴訟)である。
原審が本件訴えは法律上の争訟に該当せず不適法であるとして控訴人の訴え
を却下したため,控訴人が控訴した。
2争いのない事実等,争点及び争点に関する当事者の主張は,後記3のとおり
当審における控訴人の追加主張を付加するほかは,原判決の「事実及び理由」
第2の2ないし4のとおりであるから,これを引用する。
3当審における控訴人の追加主張
本件水域は漁港法,港湾法,海岸法の適用を受けない海であって,控訴人がそ
の取得,維持,保存,運用及び処分を行うことが可能とされており(国有財産法
9条3項,同法施行令6条2項1号カ,沖縄県国土交通省所管公共用財産管理
規則2条1号),控訴人は,本件水域につき財産管理権を有しているのであるか
ら,平成8年最高裁判決の事案と同様に,本件差止請求に係る訴えは,法律上の
争訟に該当する。
第3当裁判所の判断
1当裁判所も,原審同様,本件訴えは法律上の争訟に当たらず,不適法であ
るから,これを却下すべきものと判断する。その理由は,次のとおり訂正
し,後記2のとおり当審における控訴人の主張に対する判断を付加するほ
かは,原判決の「事実及び理由」第3(ただし1のとおりで
あるから,これを引用する。
⑴原判決頁2行目末尾に「なお,本件水域について,過去において国
が海の一定範囲を区画してこれを私人の所有に帰属させたことがあった
とか,私有の陸地が自然現象により海没した場合であるといった,上記最
高裁判決が所有権の成立を認め得るものとして指摘する事情の存在を認
めるに足りる証拠もない。」を加える。
⑵原判決頁行目冒頭から同行の「水産資源保護法は」までを「し
かし,本件規則39条1項は,水産資源保護法4条1項号に基づいて定
められた規定であるところ,同法は」と改める。
⑶原判決頁行目の「規則」の次に「39条1項」を加える。
⑷原判決21頁4行目の「漁業関係者」から同行目の「寄与するという」
までを「水産資源の保護培養を図り,その効果を将来にわたって維持する
ことにより,漁業の発展に寄与するという」と改め,同行の「規則」の次
に「39条1項」を加える。
⑸原判決23頁11行目の「このことは,」の次に「控訴人が主張し,」を
加える。
⑹原判決23頁12行目の「行政主体等」から同13行目末尾までを「行
政主体等に帰属する許可不許可の判断をする権限を行使する可能性が否
定され,当該権限を無きが如きものとされる場合であっても,法規の適用
の適正ないし一般的公益の保護を目的として提起されたものである限り,
同様であると解される。」と改める。
⑺原判決頁17行目の「原告は,」の次に「平成14年最高裁判決は,
法規の適用の適正ないし一般公益の保護を目的とする訴訟が法律上の争
訟に該当しないとまでは判示しておらず,現に」を加える。
⑻原判決26頁2行目から同3行目にかけての「国民が」から同3行目か
ら同4行目にかけての「同視し得るのであって,」までを「契約関係の存
在を前提としない」と改める。
⑼原判決26頁行目の「できるから」から同8行目末尾までを「できる。」
と改める。
2当審における控訴人の追加主張に対する判断
海は,その
ままの状態では所有権の客体たる土地に当たらず,本件水域が過去において
所有権の客体足り得た事情も認められない以上,控訴人主張に係る各法令に
よっても,控訴人が,本件水域につき財産管理権を有することが根拠付けら
れると解することはできない。なお,控訴人による本件水域の排他的支配が
存するとも認められず,控訴人は占有権も有しない。そうすると,訂正後の
訴えは,地方公共団体が公物に対する財産管理権を有していた事案であ
る平成8年最高裁判決の事案とは事案を異にするというべきであって,
控訴人の主張は採用することができない。
その他控訴人が当審において種々主張する点は,前記1のとおり理由
がないか,当裁判所が採用しないものであって,前記1の判断を左右す
るものではない。
3よって,原判決は正当であって,本件控訴は理由がないから棄却することと
して,主文のとおり判決する。
福岡高等裁判所那覇支部民事部
裁判長裁判官 大久保正道
   裁判官 本多智子
   裁判官 神谷厚毅

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