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「どんな判決でも娘は戻らない」 小1ら7人死傷、危険運転の男に懲役9年 那覇地裁

 2016年12月、沖縄県宜野湾市野嵩の市道で乗用車を猛スピードで走行させ対向車2台に衝突し、乗っていた当時小学1年の女児ら7人を死傷させたとして、自動車運転処罰法違反(危険運転致死傷)などの罪に問われた豊見城市の無職の男(30)の裁判員裁判の判決公判が20日、那覇地裁であった。
 佐々木公裁判長は「進行を制御することが困難な高速度の時速約100キロで走行した」として求刑通り懲役9年を言い渡した。被告側が求めていた、より刑の軽い過失運転致死傷罪の適用は退けた。被告側は控訴しない方針。
 佐々木裁判長は、タイヤ痕などから算出した県警の鑑定結果から、被告人車両の速度は時速約100キロと認定。被告側の「マンホールを走行したことで車がバウンドし、時速は70〜80キロ程度だった」との主張は、「痕跡が見当たらない」などと採用しなかった。
 量刑理由については「2台の車両を追い越した上、指定最高速度の2倍以上の速度で対向車線に進出させた、危険で悪質な犯行」と指摘。「わずか7歳にして突然その命を絶たれ、両親が厳罰を求めているのも当然である」と述べた。
 事故を巡っては、女児の両親が今年5月、命の証を伝えようと、宜野湾小学校・幼稚園に児童書や絵本を寄贈した「そよかぜ文庫」を開所した。
 両親、厳罰にも無念さ
 「『奏花(そよか)が無事に帰ってきたら』というのが、一番の願い。ずっと奏花の成長を見守りたかった」
 女児の父親の屋宜司さん(40)は、最愛の娘の命を奪った被告に対し、求刑通り懲役9年の判決が下されても、心が晴れることはなかった。母道代さん(42)も「どんな判決でも奏花は戻ってこないと実感した」と苦しみを語った。
 にっこりと笑う奏花さんの写真を、司さんは首に下げ、道代さんは手に持って法廷に入った。判決が言い渡された瞬間、司さんは涙であふれた目をぐっとつむり、道代さんは写真の奏花さんを見つめた。
 奏花さんの写真9枚を並べたボードを手に、報道陣の取材に応じた両親。「危険な運転で、こういう幸せが、一瞬にして奪われることを分かってほしい」
 判決後、道代さんは「私たちの訴えが裁判員の方に伝わって、判決が出たことはすごく意義がある。悲しい思いをする人が一人でもいなくなってほしい」。司さんは「奏花の命のおかげで、危険な運転が少しでもなくなればと思う。でも本当はそんなんじゃなくて…」と、娘が戻ってこない悔しさで声を詰まらせた。
(2018年6月21日 13:21 沖縄タイムス)

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