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奈良県の政治意識調査 違法の訴え退ける 奈良地裁

 奈良県がおととし、県内の有権者の政治への意識を把握するためなどとして総理大臣や奈良県知事など特定の政治家の好感度を尋ねたアンケート調査について、市民団体が違法だと訴えた裁判で、奈良地方裁判所は「行政の公平性や中立性に反しているとはいえない」と判断し訴えを退けました。
 この調査は、奈良県が、有権者の政治への意識を把握し、投票率の向上などにつなげようとおととし、無作為に抽出した県内の有権者2000人を対象に行ったもので、奈良県知事選挙などの投票先のほか、当時の安倍総理大臣や奈良県の荒井知事、大阪維新の会の好感度を尋ねる質問が含まれていました。
 この調査について市民団体が、▼投票の秘密を保障した憲法に違反しているうえ、▼特定の政治家や地域政党に関する質問は行政の公平・中立性に反し、違法だと主張して調査費用715万円の返還などを求める訴えを起こしていました。
 20日の判決で、奈良地方裁判所の島岡大雄 裁判長は、「無記名のアンケートで、回答者の特定は不可能だ」として投票の秘密は侵害されていないと判断しました。
 そして、「総理大臣や知事の好感度の質問は、県民が行政の中立性に疑義を抱くことは理解できるが、国政や県政への関心を分析するためで調査目的と関連性がある。大阪維新の会に関する質問も、大阪に通勤し『奈良府民」と呼ばれる県民の投票行動への影響を調べるためで、行政の公平性や中立性に反しているとはいえない」と述べ訴えを退けました。
 【奈良県は】。
 判決を受けて、調査を実施した奈良県市町村振興課の淺見仁 課長は、「県の主張が認められたものと認識しています」とするコメントを出しました。
 【原告側は控訴の考え】。
 判決の後、原告団が開いた会見で、代表の1人で県議会の阪口保議員は、「判決は非常に残念だ。不満があるため控訴したい」と述べました。
 また、原告側の代理人を務めた石川量堂弁護士は、「裁判所は、アンケートが、県民に行政の中立性に疑問を抱かせたという点を指摘した。アンケートが投票率を高めるという目的にはつながっておらず、疑義を残していると感じている。再度、高裁で審理してもらいたい」と述べ、控訴する考えを示しました。
 【調査概要と経緯】。
 この調査は、奈良県が、有権者の政治への意識を把握し、投票率の向上などにつなげようとおととし初めて実施しました。
 調査は、無作為で抽出した県内の18歳以上の2000人の自宅に調査票を郵送する形で行われ、47.5%にあたる950人から回答を得ました。
 この調査では、性別や年齢、それに年収などを尋ねたうえで、調査の直前に行われた奈良県知事選挙や参議院選挙への投票先に加え、当時の安倍総理大臣や奈良県の荒井知事、それに大阪維新の会の好感度などを尋ねる質問が含まれていました。
 こうした質問について、県議会では、県が、有権者に特定の政治家の好感度を尋ねるのは、県政とは関係がなく、おかしいのではないかなどと指摘も上がっていました。
 これに対し、荒井知事は、「政治への県民の意識や行動を知ることは地方政治を考えるうえで役立つと思う。誰が誰に投票したかはわからないように統計処理がなされていると聞いている」などと、問題はないという認識を示していました。
ただ、調査の一環として予定していた市町村長などへのインタビューやアンケートは、「物議を醸したなかでの調査の継続は難儀が予想される」として取りやめました。
 この調査をめぐっては、今回、原告団となった2つの市民団体が、裁判の前に行った住民監査請求では県の監査委員の間で意見が分かれ、結論を出せない「合議不調」と呼ばれる異例の結果となっていました。
(05月20日 17時17分 NHk)

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