報道等をもとに日本の裁判官の情報を収集、掲載しています。

男児の火遊びが原因と賠償命令 アパート焼死で徳島地裁

 徳島市で2018年3月にアパートが全焼した火災で死亡した男性=当時(38)=の母親が、近所の男児の火遊びが原因の可能性があるとして、男児の母親に約4千万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、徳島地裁(秋武郁代裁判官)は2日、男児らの火遊びが原因で母親は男児の監督義務を怠ったと認定し、約3160万円の賠償を命じた。
 判決によると、火災は18年3月15日、徳島市北矢三町のアパートで発生、男性は逃げ遅れて焼死した。秋武裁判官は、火災原因の報告書を踏まえ、男児が同級生と共にアパートの古紙置き場でマッチを使って火遊びをし段ボールに着火したのが原因と認めた。(共同通信)
(2021年9月2日 21時32分 東京新聞)

「男児の火遊び原因」母に3168万円賠償命令 徳島市アパート3人死傷火災 徳島地裁

 2018年3月、徳島市北矢三町2のアパートが全焼し3人が死傷した火災で、焼死した男性=当時(38)=の母親が、アパートで火遊びをしていた男児の母親を相手取り、慰謝料など約4056万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が2日、徳島地裁であった。秋武郁代裁判官は、火災が男児らの火遊びによるものと認定し、母親に3168万円の支払いを命じた。
 判決理由で秋武裁判官は、男児の供述や実況見分の結果から、火災は男児と友人がアパートの階段下の古紙置き場でマッチに次々と火を付けて段ボールの上に置くなどの火遊びをし、その火がアパートに燃え移って発生したと認定した。
 母親の過失についても▽男児が友人から意に沿わないことを命じられても断れない傾向にあると知っていた▽火災の直前に「マッチマッチ」とつぶやいて外出しようとした男児に「マッチって何?」と尋ねていた―ことなどから「友人から誘われるままに火遊びに関与すると予見できた」とし、監督義務を怠ったと結論付けた。
 火災では鉄骨2階建てのアパートが全焼し、住人の男性2人が焼死、女性1人が重傷を負った。男児の友人の住所などを特定できなかったため、1人だけを提訴していた。
(9/3(金) 15:01 徳島新聞)

子どもの火遊びで2人死亡火災、母親に3160万円賠償命令…親の監督責任重く

 子どものいたずらや遊びが重大な結果を引き起こし、親が高額の賠償金を支払うケースは少なくない。徳島市で2018年、住人2人が死亡したアパート火災では、男児(11)の火遊びが原因だったとして、徳島地裁が今月2日、母親に遺族への約3160万円の賠償を命じた。親に課せられる「監督責任」は大きい。(新谷諒真)
 18年3月、徳島市北矢三町の2階建てアパートが全焼。男性(当時38歳)ら2人が死亡した。男性の遺族は19年、男児の母親に慰謝料など約4050万円の損害賠償を求めて提訴した。
 訴訟では、母親が我が子に対する監督義務を尽くしていたかどうかが争点となった。
 遺族側は「マッチで遊ぶ危険性は当時8歳の男児にも理解でき、母親が適切な指導を行っていれば、火災は簡単に回避できた」と主張。母親側は「男児の生活習慣に気を配り、それまで警察が関わる事態もなく、監督義務を十分履行していた」と反論した。
 秋武郁代裁判官は判決で、火災原因について、男児がアパートの古紙置き場で友達とマッチで段ボールを燃やして遊んでいた際、建物に燃え移ったと認定。その上で、監督義務について検討した。
 秋武裁判官はまず、火遊びで火災が発生しうることは男児にも簡単に理解でき、母親には火の危険性を十分に教えておく監督義務があったと指摘。
 ▽火災の約1か月前から男児の友達が火遊びをしているうわさがあった▽火災の直前、男児が「マッチ、マッチ」とつぶやきながら外出し、母親は「マッチは危ないよ」と言っただけでそれ以上注意しなかった――などの経過を挙げ、「母親は監督義務を怠った」と結論付けた。
 母親側は判決を不服として17日に控訴。代理人弁護士は取材に「『マッチは危ない』という発言は、火遊びをやめるよう指導した証拠。監督義務は果たしている」と語った。遺族側の代理人弁護士は「コメントしない」としている。
     ◇
 子どもの行動に、親はどこまで責任を負うのか。
 民法では、責任能力のない子どもが第三者に損害を加えた場合、親が賠償責任を負うと規定。一方、監督義務を尽くしていれば、責任は免れるとも定める。
 だが、民事裁判では、予測が困難な事故でも、親の賠償責任は広く認められてきた。
 こうした流れに一石を投じたのが、子どもが引き起こした事故を巡る訴訟で、最高裁が2015年に言い渡した判決だ。11歳の男児が校庭で蹴ったサッカーボールが道路に転がり、よけようとした高齢者のバイクが転倒した死亡事故で、判決は親の賠償責任を否定。「通常は危険がない行為で偶然生じた損害について、親の監督責任は問われない」とする判断基準を示した。
 損害賠償請求訴訟に詳しい吉村良一・立命館大名誉教授(民法)によると、火遊びや線路への置き石といった危険な行為はこれに当てはまらない可能性が高いという。「親が子どもの生活全般に広く責任を負うという裁判所の考え方は、最高裁判決前後で変わっていない」と指摘する。
(9/29(水) 13:06 読売新聞)

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