報道等をもとに日本の裁判官の情報を収集、掲載しています。

東京・立川の車暴走 2人死亡事故 85歳に禁錮2年 「高齢には起因せず」 地裁立川支部

 東京都立川市で2016年、暴走した車に2人が相次いではねられ死亡した事故で、自動車運転処罰法違反(過失致死)に問われた東京都国分寺市の無職、上江洲(うえず)幸子被告(85)に、東京地裁立川支部は30日、禁錮2年(求刑・禁錮4年)の実刑判決を言い渡した。
 宮本孝文裁判官は「事故の約半年前、被告は認知機能などに問題ないとして運転免許が更新された」と指摘。事故の原因について「高齢による衰えに起因するとはいえず、基本的な注意義務の違反だ」との判断を示した。
 判決によると、上江洲被告は16年11月12日、立川市の国立病院機構災害医療センター駐車場を乗用車で出る際、ブレーキと間違えてアクセルを踏み込んだ。車は暴走し、歩道にいた小平市中島町、パート、市川妙子さん(当時35歳)と八王子市犬目町、会社役員、安和(あわ)竜洋さん(同39歳)をはね、死亡させた。【山本有紀】
(2018年5月31日 毎日新聞)

85歳の被告に実刑判決 東京・立川の車暴走「2人死亡、極めて重い」

 後を絶たない高齢者ドライバーによる交通死亡事故で、実刑判決です。2016年に東京・立川市の病院の敷地内で車が暴走して2人が死亡した事故で、東京地裁立川支部は車を運転していた85歳の女に禁錮2年の実刑判決を言い渡しました。
 この事故は2016年11月、立川市の国立病院機構災害医療センターの敷地内で車が暴走し、歩道を歩いていた八王子市の会社役員・安和竜洋さん(当時39)と小平市のパート従業員・市川妙子さん(当時35)がはねられて死亡したものです。
 この事故で、車を運転していた国分寺市の上江洲幸子被告(85)が自動車運転処罰法違反の過失致死の罪に問われていました。裁判で検察側は「アクセルとブレーキを踏み間違えた」と指摘して禁錮4年を求刑したのに対し、弁護側は執行猶予が付いた判決を求めていました。
 30日の判決で、東京地裁立川支部の宮本孝文裁判官は「2人を死亡させた結果は極めて重い。85歳と高齢だが、認知機能の衰えが原因の事故ではない」と指摘し、禁錮2年の実刑としました。
 裁判を傍聴した安和さんの母親は「先日も高齢女性による死亡事故があり、残念な気持ちだ。高齢者には運転してほしくない」と話していました。
(2018年5月30日 18時30分 TOKYO MX)

PDF

平成30年5月30日宣告
平成30年(わ)第280号過失運転致死被告事件
主文
被告人を禁錮2年に処する。
理由
(罪となるべき事実)
被告人は,平成28年11月12日午後2時55分頃,普通乗用自動車を運転
し,東京都立川市a町b番地所在のA病院敷地内において,駐車場から出庫するため
精算機前で停止するに当たり,ブレーキを確実に操作して自車を安全に停止させる
べき自動車運転上の注意義務があるのにこれを怠り,同精算機及びその下方の縁石
に気を取られ,ブレーキペダルに乗せていた左足がアクセルペダルに移動している
ことに気付かず,ブレーキペダルと間違えて左足でアクセルペダルを踏み込んだ過
失により,自車を急加速させて前方に暴走させ,さらに,進路前方の歩道上を歩行
中の歩行者を前方約22.3mの地点に認め急制動の措置を講じようとしたが,自
車を暴走させたことに狼狽し,再度ブレーキペダルと間違えてアクセルペダルを踏
み込んで自車を時速約40劼鵬誕させて前方歩道上に暴走させ,折から同歩道上
を歩行中のB(当時35歳)及びC(当時39歳)に自車前部を衝突させて両名を
前方に跳ね飛ばした上,前方のコンクリート壁に激突させて歩道上の植込み内に転
倒させ,よって,Bに頭蓋内損傷等の傷害を,Cに外傷性血気胸等の傷害をそれぞ
れ負わせ,即時同所において,Bを,同日午後3時50分頃,前記病院において,
前記Cを,それぞれ前記各傷害により死亡させたものである。
(証拠の標目)

(法令の適用)

(量刑の理由)
歩道上の歩行者2名を死亡させており,結果が極めて重い。
各被害者の母らが強い処罰感情を示しているのも理解できる。
しかも,その過失の態様は,アクセルペダルをブレーキペダルと間違えて踏み込
んで自車を前方に暴走させ,さらに,歩行者を認め急制動の措置を講じようとした
が,自車を暴走させたことに狼狽し,再度ブレーキペダルと間違えてアクセルペダ
ルを踏み込んで自車を加速させて暴走させ,歩行者2名を跳ね飛ばした上,コンク
リート壁に激突させたというものであって,基本的な注意義務の違反である。
被告人は,本件事故当時83歳という高齢であったが,健康であり,その約半年
前に運転免許を更新し,その際実施された認知機能検査,適性検査,実車教習等に
何ら問題がないとして免許が更新されたというのであるから,本件事故は,必ずし
も高齢による認知機能等の衰え等に起因するとはいえない。
もっとも,被告人は,無謀な運転に及んだものではないし,悪質な道路交通法規
の違反を伴う運転をしたものでもない。
被告人は,金銭による賠償ではあるものの,被害者らのうち一名(C)の遺族
(妻)との間では示談を成立させている。被告人の加入している共済保険は上限が
限定されていないものなので,もう一名の被害者の遺族に対しても,将来的に合理
的な額での賠償がなされる見込みもある。
被告人は,本件を深く悔いており,亡くなられた被害者らはもとより遺族への謝
罪の気持ちも心からのものとうかがえる。
以上に加え,被告人は,現在85歳であり,健康状態に問題は抱えていないよう
であるが,その年齢を考慮すると,長期間の服役に心身が耐えきれるかという懸念
は拭えない。
以上を踏まえると,その犯情に照らし,実刑は免れないとしても,刑期は主文の
程度にとどめるのが相当である。
(求刑禁錮4年)
平成30年5月30日
東京地方裁判所立川支部刑事第3部
裁判官 宮本孝文

その後

このページへのコメント

求刑は1人2年、判決は1人1年か・・
2人の被害者がそれぞれ犯人の年齢まで生きたとすると、合計96年の人生を奪ったんだけどね・・・

0
Posted by おいおい 2018年05月31日(木) 21:36:03 返信

コメントをかく


「http://」を含む投稿は禁止されています。

利用規約をご確認のうえご記入下さい

もくじ

名前で検索


 あ行

 か行

 さ行

 た行

 な行

 は行

 ま行

 や行

 ら行?

 わ行

 

管理人/副管理人のみ編集できます