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実の娘に性的虐待の「鬼畜父」に懲役6年の判決が下った背景

 当時高校2年生だった実の娘に性交したとして『監護者性交等罪』に問われていた実父(年齢不明)に対する公判が10月20日、東京地裁で開かれ、鈴木巧裁判長は「性的欲求を優先しており酌むべき事情に乏しい」と懲役6年の判決を言い渡した(求刑懲役8年)。
 通常の刑事裁判では被告人名や年齢、本籍や住所、職業などの個人情報が明らかになるが、被害者秘匿の観点から、被告人の個人情報は全て伏せられている。開廷表にも被告人名は記載されず、初公判の日の人定質問でも、名前はおろか年齢すらも明らかにされなかった。見た目からは40〜50代に見える恰幅の良い男性だ。
 この日も、初公判出廷時と同じ黒いジャージで法廷に現れ、裁判長による判決言い渡しを聞いていた。
 判決では起訴状の通り、当時17歳の高校2年生だった同居中の被害者に対し、2017年8月ごろ、他の家族がいない間に性交に及んだことを認定した。
 「被害者は本来、健全な家族関係の中、心身ともに健全な成長を遂げるはずであったのにそれを踏みにじられた。また被害を打ち明けて家族関係が壊れることを恐れひとりで耐え忍んでいた。被害者が強く処罰を望むのも当然」(判決より)
 また、初公判の冒頭陳述で検察官は「被害者が小学校5年生の頃、妻が仕事で留守の時に被害者の寝室に入り陰部を触る、胸を揉むなどの行為をしていた。さらに被害者が高校生になると何度も性交するようになった」と、被害者が小学生の頃から性的虐待を繰り返していたと主張。これを被告は一切否定していたが、裁判所は「長きにわたる性的虐待が徐々にエスカレートし、被害者が高校生になると性交を繰り返すようになっていた」と被害者の証言に基づく検察側の主張を事実と認定した。
 「被告人は精神的に不調だった被害者を元気づけようと、(2017年8月の犯行の)数ヵ月前からキスをしたり、胸や下半身を触るようになり、そのうち性交するようになったと述べた。これは『小学校の頃から体を触られた』という被害者の言い分と5年以上の隔たりがある。しかし被害の状況に照らすと、被告人が性的な接触を繰り返し、常態化していたことは明らかで、月に1〜2度の性交を繰り返していた」(判決より)
 そのうえで「『落ち込んだ娘を励ますため』という理由で性交しており考え方が大きく偏っている。性的欲求を優先した酌むべき事情に乏しい相応に重い部類の事案である」と指摘した。
 9月の論告求刑の際、検察官に懲役8年を求刑された被告人は「執行猶予」を求めていた。「性的虐待の開始時は17歳なのだから、18歳までの間に性交したのは1年だけ」という言い分だったが、これは全く認められなかった。
 被告人は、5分ほどの判決言い渡しをじっと聞いていた。
 取材・文:高橋ユキ
 傍聴人。フリーライター。『つけびの村 噂が5人を殺したのか?』(晶文社)、『暴走老人・犯罪劇場』(洋泉社新書)、『木嶋佳苗 危険な愛の奥義』(徳間書店)、『木嶋佳苗劇場』(宝島社)、古くは『霞っ子クラブ 娘たちの裁判傍聴記』(新潮社)など殺人事件の取材や公判傍聴などを元にした著作多数。
(10/22(木) 13:02 FRIDAY)

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