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20数年の格差は2億円!〜東京地裁、大学非常勤講師の待遇問題に非情な判決

 5月30日、中央学院大学(千葉県我孫子市)の非常勤講師として20数年働いてきた小林勝さん(写真右)が、専任教員との格差是正をもとめた裁判の判決が東京地裁であった。判決は原告の訴えを全面棄却する不当判決だった。江原健志裁判長は判決理由として、「専任教員と非常勤講師は職務内容と責任がちがうから不合理な格差にあたらない」としている。弁護側は仕事内容の実態がほとんど変わらないことなどの事実を積み重ねてきたが、まったく形式的に切り捨てた内容だった。
 判決を受けて、小林さんは「これでは非常勤講師の待遇改善は絶対にすすまない」と司法を批判した。小林さんは、中央学院大学で法学などを教えているが、専任教員の義務とされる週5コマを上回る6〜8コマを担当してきたが、賞与・退職金もなく年額で230万円程度。専任教員の1250万円と比べると年収で6倍の約1000万円の格差がある。今回の小林さんの損害賠償請求額は約2500万円だが、それは3年分にすぎず、実際に勤めた20数年分を計算すると2億円以上になるという。
 2年半前の提訴当時で、中央学院大学の専任教員は64人で非常勤講師は116人だった。いま首都圏の大学をみても半数近くが非常勤講師であり、この異常な待遇格差が蔓延している。ただ非常勤講師の場合、コマ数が少ないケースが多く裁判などでたたかいづらいことがあった。しかし小林さんの場合は、専任教員と同等以上の勤務実態があり「労働契約法20条」訴訟に踏み切ることになった。判決でも「労働契約法20条」の適用者であることは認められ、その点は原告側も評価している。
 この判決に先立ち、ことし1月には「教授昇進・自主退職・解決金支給」などの和解提案が大学側からあったが、小林さんは拒否した。その理由を会見で問われた小林さんは「この提訴は私個人の問題ではない。この和解を受け入れてしまったら、非常勤講師全体の待遇改善是正につながらない」ときっぱり答えた。原告側は控訴する方針で、非常勤講師の格差問題をめぐる裁判の攻防は東京高裁に移る。(M)
(2019-05-30 18:26:03 レイバーネット)

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