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山梨市の職員採用試験めぐる汚職 贈賄側に猶予判決

 山梨県山梨市の職員採用試験をめぐる汚職事件で、前の市長に賄賂を渡した罪に問われた市の元職員と中学校の元校長に対して、東京地方裁判所は「任用制度の信頼を揺るがす悪質な行為だ」として、いずれも執行猶予のついた有罪判決を言い渡しました。
 山梨県山梨市の望月清賢前市長(70)が平成28年度の職員採用試験をめぐり受託収賄などの罪に問われた事件では、山梨市の元職員、瀧沢博道被告(73)と中学校の元校長の萩原英男被告(58)が現金80万円を渡したとして贈賄の罪に問われました。2人は起訴された内容を認め、検察は懲役1年を求刑していました。
 12日の判決で東京地方裁判所の島田一裁判長は「採用に関して現金が授受されること自体、公正かつ公平であるべき地方公務員の任用制度に対する信頼を揺るがす悪質な行為だ」と指摘し、2人にいずれも懲役1年、執行猶予3年を言い渡しました。
 望月前市長は懲役3年、執行猶予5年の有罪判決が確定しています。
(1月12日 15時50分 NHK)

「社会的信頼害する」 贈賄側の中学元校長らに有罪判決 山梨市職員採用汚職、東京地裁

 山梨県山梨市の職員採用をめぐる贈収賄事件で、望月清賢前市長(70)=受託収賄罪などで有罪確定=に現金を渡したとして、贈賄罪に問われた甲州市立大和中学元校長、萩原英男被告(58)と山梨市元収入役、滝沢博道被告(73)の判決公判が12日、東京地裁で開かれた。島田一裁判長は「市の職務に対する社会的信頼を害する」としてそれぞれ懲役1年、執行猶予3年(求刑懲役1年)を言い渡した。
 島田裁判長は萩原被告について「校長の立場にありながら、息子かわいさに安易に犯行を決断した」と指摘。滝沢被告については「賄賂を渡すよう萩原被告に助言するなど事件を主導した」と述べた。
 一方でそれぞれ反省の態度を示しているとして、執行猶予付き判決が相当とした。
 判決によると、2人は平成29年2月、山梨市の望月前市長宅で、28年度職員採用試験に補欠合格した萩原被告の息子を早期に採用するよう依頼し、現金80万円を渡した。
(2018.1.12 15:39 産経ニュース)

贈賄側の元校長に有罪 山梨市職員不正採用

 山梨県山梨市の職員採用不正事件で、贈賄罪に問われた元公立中学校長、萩原英男被告(58)ら2人の判決が12日、東京地裁であった。島田一裁判長は「情実を排して公正であるべき採用制度の信頼を揺るがした」として、いずれも懲役1年、執行猶予3年(求刑懲役1年)を言い渡した。
 受託収賄罪などに問われた望月清賢前市長(70)はすでに有罪が確定している。
 判決によると、萩原被告は、元市幹部で仲介役の滝沢博道被告(73)と共謀。2016年度の採用試験で補欠合格した息子が有利な取り計らいを受けられるよう、17年2月、前市長に現金80万円を渡した。
(2018/1/12 16:42 日経新聞)

ファイル

事件番号平成29年刑(わ)第2169号
事件名贈賄
宣告日平成30年1月12日
宣告裁判所東京地方裁判所刑事第16部
主文
被告人両名をそれぞれ懲役1年に処する。
被告人両名に対し,この裁判が確定した日から3年間,それぞれその
刑の執行を猶予する。
理由
(罪となるべき事実)
被告人Aは,D市が実施した平成28年度D市職員採用資格試験(上級事務)に
補欠合格したEの実父,被告人Bは,Fと親交を有するもの,Fは,平成26年2
月14日から平成29年8月13日までの間,D市長として,同市職員を任命する
権限を有し,同職員の採用等の事務を統括掌理する職務に従事していたものである
が,被告人両名は,共謀の上,平成29年2月8日,C県D市(以下省略)のF方
において,Fに対し,EをD市職員として早期に採用されることにつき有利かつ便
宜な取り計らいをされたい旨の請託をし,その謝礼として現金80万円を供与し,
もってFの職務に関し賄賂を供与した。
(量刑の理由)
本件で供与した賄賂の額は80万円と少なくなく,本件犯行は,D市における職
員採用等の職務の公正に対する社会的信頼を害するものである。被告人両名の弁護
人らは,賄賂の供与と被告人Aの長男の正式採用との間には因果関係がないことを
被告人両名に有利に斟酌すべきであると主張するが,個別具体的な補欠合格者の早
期採用に関して現金が授受されること自体,情実採用を排し,公正かつ公平である
べき地方公務員の任用制度に対する信頼を揺るがす悪質なものである。
被告人Bは,被告人Aから長男がD市の職員採用試験を受験していることを聞い
て間もなく,市の秘書人事課長にその旨を伝えたり,同人に合否の確認をし,被告
人Aに長男の補欠合格の結果を伝えたりした上,市長への賄賂の供与を助言し,市
長との面談を取り次ぐなどした。このような経緯や被告人Bの言動に照らせば,被
告人Bは,本件を主導し,積極的に関与した上,重要な役割を果たしたということ
ができる。他方,被告人Aについてみても,公立中学校の校長という立場にありな
がら,被告人Bに市長への賄賂の供与を助言されるや,自らの息子可愛さに安易に
本件犯行を決断し,賄賂の原資を用意して供与したのであるから,重要かつ不可欠
な役割を果たしている。そうすると,被告人両名が本件において果たした役割や関
与の程度の点において,量刑上有意な差は認められず,いずれの刑事責任も軽視で
きない。
以上の犯情に加え,被告人両名共に,罪を認めて反省の態度を示していること,
前科前歴がないこと,被告人Aについては,教員として長年真面目に勤務してきた
こと,妻が今後の監督を誓約していること,懲戒免職の処分を受けたこと,被告人
Bについては,これまで地域社会の要職につき市民のために尽力したこと,長男が
今後の監督を誓約していること等の事情も認められる。
そこで,これらの事情を併せ考慮し,被告人両名に対し,それぞれ主文の刑を科
した上,その刑の執行を猶予するのが相当であると判断した。
(求刑・被告人両名につき懲役1年)
平成30年1月12日
東京地方裁判所刑事第16部
裁判長裁判官 島田一
裁判官 島田環
裁判官 睫郛人

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