報道等をもとに日本の裁判官の情報を収集、掲載しています。

山梨市職員採用汚職で受託収賄の前市長に執行猶予判決

 山梨県山梨市の望月清賢前市長が職員採用試験をめぐり受託収賄などの罪に問われた裁判で、東京地方裁判所は、「公務の清廉性を汚し、市民の信頼を裏切った」として懲役3年、執行猶予5年の判決を言い渡しました。
 山梨県山梨市の前の市長、望月清賢被告(70)は、昨年度行われた市の職員採用試験で、知り合いの息子を補欠合格させた見返りに現金80万円を受け取ったほか、別の受験者4人の点数も改ざんしたとして、受託収賄や虚偽有印公文書作成などの罪に問われました。
 被告側は起訴された内容を認め、執行猶予のついた判決を求めたのに対して、検察は、懲役3年を求刑していました。
 26日の判決で東京地方裁判所の島田一裁判長は「少なくない額の賄賂を受け取り公務の清廉性を汚し、市民の信頼を裏切った。自分の支援者の恩義に報いて便宜を図ろうという自己本位な考え方に基づく犯行で責任は相当に重い」と指摘し、懲役3年、執行猶予5年を言い渡しました。
(12月26日 16時43分 NHK)

前山梨市長に有罪判決 職員採用巡る受託収賄 東京地裁

 山梨県山梨市の職員採用試験で、受験者に便宜を図る見返りに80万円を受け取ったとして、受託収賄などの罪に問われた前市長の望月清賢(せいき)被告(70)の判決公判が26日、東京地裁であった。島田一裁判長は「刑事責任は同種事案の中では相当重いが、市長職を辞して反省している」と述べ、懲役3年執行猶予5年(求刑懲役3年)を言い渡した。
 判決によると、被告は今年2月、山梨市の自宅を訪れた元中学校長(58)と元収入役(73)=いずれも贈賄罪で公判中=から、校長の息子の市職員採用で便宜を図る見返りに80万円を受け取った。また、2014年の市長初当選後、3年連続でほかの受験者4人の点数を水増しして虚偽の文書を作り、不正に任用した。
 島田裁判長は元収入役らが望月被告の支援者だったことに触れ、「(犯行は)支援者の恩義に報いて便宜を図る自己本位な考え方に基づく」と認定。「公平・公正さが強く求められる地方公務員の任用制度の信頼を低下させた」と述べた。(長谷文)
(2017年12月26日18時41分 朝日新聞)

前山梨市長に判決「公務の清廉性汚した」 懲役3年、執行猶予5年 東京地裁

 山梨県山梨市の職員採用をめぐる贈収賄事件で、採用で便宜を図る見返りに賄賂を受け取ったなどとして、受託収賄などの罪に問われた前山梨市長、望月清賢(せいき)被告(70)の判決公判が26日、東京地裁で開かれた。島田一裁判長は「公務の清廉性を汚した」として懲役3年、執行猶予5年、追徴金80万円(求刑懲役3年、追徴金80万円)を言い渡した。
 島田裁判長は、「公務員の任用制度に対する信頼を著しく低下させた」と述べ、動機については「支援者の恩義に報いて便宜を図ろうという自己本位な考え」と指摘した。
 一方、市長職を辞職し、給与を返上したことから「反省の態度を示している」などとして執行猶予付き判決が相当とした。
 判決言い渡し後、島田裁判長は望月被告に「一度失われた信用を回復するのは大変なこと。山梨市の信頼を回復するためにどうしたらいいか考えて行動してください」と説諭した。
 判決によると、望月被告は平成26〜28年度の採用試験で、計4人を不正に採用したほか、補欠合格者1人を早期に採用するよう依頼を受けて現金80万円を受け取るなどした。
(2017.12.26 15:49 産経ニュース)

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平成29合(わ)179  虚偽有印公文書作成・同行使,受託収賄,地方公務員法違反
事件番号平成29年合(わ)第179号、刑(わ)第2169号、合(わ)第197号
事件名虚偽有印公文書作成・同行使,受託収賄,地方公務員法違反
宣告日平成29年12月26日
宣告裁判所東京地方裁判所刑事第16部
主文
被告人を懲役3年に処する。
この裁判が確定した日から5年間その刑の執行を猶予する。
被告人から金80万円を追徴する。
理由
(罪となるべき事実)
被告人は,平成26年2月14日から平成29年8月13日までの間,B市長と
して,同市職員を任用する権限を有し,その採用等の事務を統括掌理する職務に従
事していたものである。被告人は,
第1B市職員採用試験の実施等の職務にそれぞれ従事していた同市総務課人事給
与担当課長補佐Cらと共謀の上,平成26年度B市職員採用資格試験(上級事
務)の合格者を決定するに当たり,その職務に関して,行使の目的で,平成2
6年10月8日頃,A県B市(以下省略)のB市役所(以下,所在地の記載は
省略する)4階総務課において,真実は,受験者であるDの第1次試験の点数
等について,教養科目の標準偏差が28,その粗点が12,専門科目の標準偏
差が44,その粗点が15,適性科目の標準偏差が31,その粗点が52,合
計の標準偏差が103,その粗点が79,順位が46であったのに,Cにおい
て,事情を知らない担当主査Eをして,パーソナルコンピュータ等を用いて,
「平成26年職員採用試験1次試験結果(上級事務)」と題する一覧表のDの
点数等を記載すべき欄に,教養科目の標準偏差が48,その粗点が20,専門
科目の標準偏差が46,その粗点が16,適性科目の標準偏差が21,その粗
点が35,合計の標準偏差が115,その粗点が71,順位が34と虚偽の記
載をさせるとともに,「起案書」と題する書面の件名欄に「平成26年度B市
職員採用試験第1次試験の結果について(通知)」,起案者欄に「総務課人事
給与担当E」と各記載させ,起案者欄に「E」と刻した印鑑を押印させて,こ
れに一覧表を添付させるなどして,Dの試験の結果が一覧表記載のとおりであ
る旨の内容虚偽の文書を作成した上,同日頃,これを内容の真実な文書として,
前記総務課内に備え付けて行使した。
第2平成27年4月1日,B市役所において,平成26年度B市職員採用資格試
験(上級事務)の受験成績に基づかずに合格者と決定したDを同市職員に任命
し,もって能力の実証に基づかないで職員の任用をした。
第3B市職員採用試験の実施等の職務にそれぞれ従事していた同市秘書人事課人
事給与担当主幹Fらと共謀の上,平成27年度B市職員採用資格試験(上級事
務)の合格者を決定するに当たり,その職務に関して,行使の目的で,平成2
7年10月8日頃,B市役所4階秘書人事課において,真実は,受験者である
Gの第1次試験の点数等について,教養科目の標準偏差が41,その粗点が1
6,専門科目の標準偏差が41,その粗点が14,合計の標準偏差が103,
その粗点が59,順位が41であり,受験者であるHの第1次試験の点数等に
ついて,教養科目の標準偏差が33,その粗点が13,適性科目の標準偏差が
21,その粗点が29,合計の標準偏差が97,その粗点が57,順位が44
であったのに,Fが,パーソナルコンピュータ等を用いて,「平成27年職員
採用試験1次試験結果(上級事務)」と題する一覧表のGの点数等を記載すべ
き欄に,教養科目の標準偏差が52,その粗点が21,専門科目の標準偏差が
45,その粗点が16,合計の標準偏差が118,その粗点が66,順位が3
0,同じ一覧表のHの点数等を記載すべき欄に,教養科目の標準偏差が52,
その粗点が21,適性科目の標準偏差が23,その粗点が32,合計の標準偏
差が118,その粗点が68,順位が30とそれぞれ虚偽の記載をするととも
に,「起案書」と題する書面の件名欄に「平成27年度B市職員採用試験第1
次試験の結果について(通知)」,起案者欄に「秘書人事課人事給与担当F」
と各記載し,起案者欄に「F」と刻した印鑑を押印して,これに一覧表を添付
するなどして,G及びHの試験の各結果が一覧表記載のとおりである旨の内容
虚偽の文書を作成した上,同日頃,これを内容の真実な文書として,前記秘書
人事課内に備え付けて行使した。
第4平成28年4月1日,B市役所において,平成27年度B市職員採用資格試
験(上級事務)の受験成績に基づかずに合格者と決定したG及びHを同市職員
に任命し,もってそれぞれ能力の実証に基づかないで職員の任用をした。
第5B市職員採用試験の実施等の職務にそれぞれ従事していた同市秘書人事課人
事給与担当課長補佐Fらと共謀の上,平成28年度B市職員採用資格試験(上
級事務)の合格者を決定するに当たり,その職務に関して,行使の目的で,平
成28年10月12日頃,B市役所4階秘書人事課において,真実は,受験者
であるIの第1次試験の点数等について,教養科目の標準偏差が29,その粗
点が14,合計の標準偏差が107,その粗点が66,順位が19であったの
に,Fが,パーソナルコンピュータ等を用いて,「平成28年職員採用試験1
次試験結果(上級事務)」と題する一覧表のIの点数等を記載すべき欄に,教
養科目の標準偏差を34,その粗点を16,合計の標準偏差を112,その粗
点を68,順位を15と虚偽の記載をするとともに,「起案書」と題する書面
の件名欄に「平成28年度B市職員採用試験第1次試験の結果について(通知)」,
起案者欄に「秘書人事課人事給与担当F」と各記載し,起案者欄に「F」と刻
した印鑑を押印して,これに一覧表を添付するなどして,Iの第1次試験の結
果が一覧表記載のとおりである旨の内容虚偽の文書を作成した上,同月13日
頃,これを内容の真実な文書として,前記秘書人事課内に備え付けて行使した。
第6平成29年2月8日,A県B市(以下省略)の被告人方において,平成28
年度B市職員採用資格試験(上級事務)に補欠合格したJの実父であるK及び
被告人と親交を有するLから,Jを同市職員として早期に採用されることにつ
き有利かつ便宜な取り計らいをされたい旨の請託を受けてこれを承諾し,同日
同所において,Kからその謝礼として供与されるものであることの事情を知り
ながら,現金80万円の供与を受け,もってその職務に関し賄賂を収受した。
第7平成29年4月3日頃,B市役所において,平成28年度B市職員採用資格
試験(上級事務)の受験成績に基づかずに合格者と決定したIを同市職員に任
命し,もって能力の実証に基づかないで職員の任用をした。
(量刑の理由)
被告人は,市長として,率先垂範して廉潔・公正に市の行政を執行し,職員を指
導・監督すべき立場にあった。それにもかかわらず,被告人は,特定の受験者につ
いて職員への採用を依頼され,市長就任の年から3年間にわたり連続して,部下職
員に採用試験の結果を改ざんするよう指示して内容虚偽の公文書を作成行使させる
などし,合計4名を不正に任用している。本件犯行は,公平・公正さが強く求めら
れる職員採用試験に関する公文書及び地方公務員の任用制度に対する信頼を著しく
低下させるのみならず,情実採用を否定し,客観的な能力の実証によって採用しな
ければならないとする地方公務員法の趣旨を大きく損なうものである。
また,被告人は,補欠合格者の早期採用を依頼されて80万円と少なくない賄賂
を収受しており,公務の清廉性を汚し,市民の信頼を裏切っている。
動機及び経緯についてみても,自らを支援する者の恩義に報いて便宜を図ろうと
いう自己本位な考え方に基づくものであって,特段酌むべき事情は見当たらない。
以上の犯情に照らせば,被告人に対しては,厳しい非難が妥当するのであって,
その刑事責任は,同種事案の中では,相当に重いものである。
他方,被告人が罪を認め,市長職を辞し,給与を返上し,退職金を受領しないな
どして反省の態度を示していること,前科がないこと,知人による更生への支援も
期待できること等被告人にとって有利に斟酌すべき事情も認められるところ,これ
らの事情を併せ考慮すれば,被告人を実刑に処するのがやむを得ないとまではいえ
ない。
そこで,被告人に対し,主文の刑を科した上,その刑の執行を猶予するのが相当
であると判断した。
(求刑・懲役3年,主文同旨の追徴,弁護人の科刑意見・執行猶予付きの懲役刑)
平成29年12月26日
東京地方裁判所刑事第16部
裁判長裁判官 島田一
裁判官 島田環
裁判官 睫郛人

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