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在外投票の制限、東京高裁も違憲 最高裁裁判官審査、賠償は認めず

 海外に住む日本人有権者が最高裁裁判官の国民審査に投票できないのは違憲だとして、米国在住の映画監督想田和弘さんら5人が国家賠償などを求めた訴訟の控訴審判決で、東京高裁(阿部潤裁判長)は25日、一審東京地裁に続き「違憲」と判断した。一方、国会の立法不作為を認めて賠償を命じた一審判決を破棄し、原告側の訴えを退けた。
 訴訟では2017年の審査の際、在外邦人有権者に審査用紙が配られず、投票できなかったことの是非が争われた。
 国側は、投票用紙の準備に時間がかかり、配備が間に合わないためだと反論したが「通信手段は発達しており、著しく困難だったとは言えない」と退けた。
(6/25(木) 17:04 共同通信)

在外投票制限、二審も「違憲」 最高裁裁判官の国民審査

 海外に住む日本人が最高裁裁判官の国民審査に投票できないことは違憲かどうかが争われた国家賠償訴訟の控訴審判決が25日、東京高裁であった。阿部潤裁判長は一審・東京地裁判決と同じく「審査権の制限は憲法に違反する」とし、次回審査で在外投票ができなければ違法だと判断した。
 一審が認めた賠償請求は「国会で違憲性が明白になっていたとはいえない」として退けた。
 米国在住の映画監督、想田和弘さん(50)ら男女5人が、2017年の前回審査で投票できず精神的な苦痛を受けたなどと訴えていた。19年5月の一審判決後、原告と国の双方が控訴した。
 判決理由で阿部裁判長は「選挙に関する憲法の規定や投票の機会の平等を要請する趣旨は国民審査にも及び、審査権の制限は原則として許されない」と指摘した。
 その上で「電子投票機やファクスを利用するまでもなく、自書式などで在外の審査は可能だ。審査権の行使を一切認めない、やむを得ない理由があったというのは難しい」として、公務員を選定・罷免する権利を定めた憲法15条と国民審査を規定する憲法79条に違反すると判断した。
 国民審査の審査権は「権利を行使できなければ意味がなく、損害賠償で十分に救済されるものではない」との考え方を示し、海外在住を理由に次回の国民審査で投票させないことは違法だと認めた。
 国の賠償責任については一審と判断が分かれた。一審は国民審査を巡る11年の同種訴訟で「合憲性に重大な疑義がある」と言及されながら是正しなかった国会の立法不作為を認め、原告1人に5千円を支払うよう国に命じた。
 二審は「(同種訴訟の判決が)違憲とまではいえないと判断した」と指摘。「17年の国民審査時点で、国会で在外審査を認めないことの違憲性が明白になっていたとはいえない」とした。
 判決後に東京都内で記者会見した原告の想田さんは「違憲性をはっきりと認めてもらったことで大変うれしく思っている」と述べた。「国民審査の権利は裁判官の適格性を主権者が問うもので、私たちの生活や人権をダイレクトに左右しうる。国は速やかに制度を改革してほしい」と呼びかけた。
 総務省は「判決の内容について精査し、適切に対応したい」とコメントした。
(2020/6/25 18:29 日経新聞)

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