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シリア人の難民認定訴訟、2審も敗訴 「日本の裁判所と法律に正義がない」原告ら憤り

 内戦がつづくシリアから日本に逃れてきた男性、ヨセフ・ジュディさん(34)が、難民申請を不認定とした国の処分は不服だとして、処分の取り消しや難民認定の義務付けを求めていた控訴審の判決が10月25日、東京高裁であった。村田渉裁判長は、難民不認定処分を適法とした1審判決を支持し、原告の控訴を棄却する判決を言い渡した。
 判決後、ジュディさんと弁護団は東京・霞が関の司法記者クラブで会見を開いた。ジュディさんは「何百万人のシリア人が国外に逃れて、そこで難民認定を受けていることをご存知のはず。(高裁判決は)日本の裁判所と法律が、難民を受け入れないということであり、正義に基づいたものではない、と感じています」と述べたうえで、最高裁へ上告しない方針を示した。
 ●ジュディさんは、クルド人居住地域の出身
 ジュディさんは、シリア北部のクルド人居住地域の出身で、いわゆる「アラブの春」以降、反政府デモを組織する団体のメンバーとして、反政府活動に加わった。ジュディさんは2012年8月、来日して、2013年に難民認定申請をおこなった。しかし、国は同年、人道配慮による「在留許可」は認めたものの、難民として認めない処分を下した。
 ジュディさんは不服として、2015年3月、処分の無効確認などを求めて東京地裁に提訴。2018年3月の1審判決は、ジュディさんが反政府デモに参加していたことは認めながらも、難民であるとする客観的な証拠がないなどとして、ジュディさんの請求を退けていた。
 東京高裁の村田裁判長は、判決で「人種、特定の社会的集団の構成員であることまたは政治的意見を理由に迫害を受けるおそれがあるという十分に理由のある恐怖を有するというべき客観的事情があると認められない」と判断。1審判決を支持して、原告側の控訴を棄却した。
 ●弁護団「判決は将来に禍根残す」
 弁護団の山田さくら弁護士は会見で、「(判決は)ジュディさん本人の供述に具体性がなく、信用できないと判断しているが、控訴審では、本人の供述を聞かないまま審理していた」「個別に危険が迫っている証拠について、シリアから逃げてくるときに持ってこられるのか」と判決を批判した。
 難波満弁護士は「(判決は)将来に禍根を残すものだと思う。ジュディさんは、3年以上裁判をつづけてきたが、東京地裁と高裁で、ほぼ同じような理由で敗訴した。日本の裁判システム、難民認定制度は、難民を受け入れないというものだ」と指摘しながらも、「これ以上裁判をつづけない」というジュディさんの意思を尊重したいと話した。
(10/25(木) 16:00 弁護士ドットコム)

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