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地下鉄運転士「ひげ禁止」は違法 大阪市に賠償命じる

 大阪市交通局(当時)が内規でひげを生やすことを禁じ、従わなかった職員にマイナスの人事評価を下したのは、個人の自由を損害し憲法違反だとして、市営地下鉄(現大阪メトロ)の50代の男性運転士2人が市に計約450万円の支払いなどを求めた訴訟の判決が16日、大阪地裁であった。内藤裕之裁判長は、ひげを生やしていることを理由に人事考課で減点するのは「裁量権の逸脱で違法」と述べ、計44万円の支払いを命じた。
 判決によると、市交通局は平成24年10月から、ひげは伸ばさずきれいにそる−などとした職員の身だしなみ基準の運用を開始。ひげを生やしていた原告らは25、26年度の人事評価で5段階のうち最低や下から2番目の評価を受けた。
 内藤裁判長は判決理由で、まず身だしなみ基準について検討。ひげは「清潔感を欠くとか威圧的印象を与えるなど、社会に広く肯定的に受け入れられているとはいえない」とし、「公務員の服務を規律するためとして一定の必要性・合理性がある」などと述べ、基準自体は違法とまではいえないとした。
 しかし、ひげを生やすかどうかは「服装や髪形と同じように個人の自由」であるうえ、服と違って付けたり外したりができるわけではないので私生活にも影響を及ぼす、と指摘。ひげを職務命令として禁止したり、人事上の不利益処分の理由としたりすることができない、とした。
 その上で、原告らは、ひげを生やしていたことを人事考課で主要な減点の要素とされていたとして「使用者の裁量権の逸脱。適正な人事評価を受けていない」と述べ、違法性を認めた。
 判決後に大阪市内で記者会見した原告の一人、河野(こうの)英司さん(56)は「個性の一つとして数十年ひげを生やしてきた。主張が認められ、感謝している」と話した。市営地下鉄は30年4月に民営化され、大阪メトロ(大阪市高速電気軌道)が運営を継続。同社にはひげを禁じる内規はなく、2人は口ひげとあごひげを整え、運転士として勤務している。
 大阪市は「判決の内容を精査し対応を検討したい」とのコメントを出した。
(2019.1.16 16:49 産経新聞)

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