報道等をもとに日本の裁判官の情報を収集、掲載しています。

<捜査情報漏えい>収賄罪の元警官2人に猶予判決

 違法風俗店に関する捜査情報を漏らした見返りに飲食接待を受けたとして、加重収賄などの罪に問われた大阪府警のいずれも元巡査長、篠原渉(35)と小野勇気(34)の両被告(懲戒免職)に対し、大阪地裁(渡部市郎裁判長)は16日、それぞれに懲役2年6月・執行猶予4年(求刑・懲役2年6月)の判決を言い渡した。
 渡部裁判長は「捜査対象の店舗に情報が伝わり、重大な支障が生じかねなかった」と指摘し、「警察官への社会の信頼を大きく損ない、厳しい非難に値する」と批判。両被告に計約40万円の追徴金も科した。
 贈賄などの罪に問われた、府警OBで行政書士事務所職員だった阿田裕俊被告(33)には、「元警察官の立場を悪用した」として懲役2年・執行猶予4年(求刑・懲役2年)の判決を言い渡した。
 判決などによると、篠原、小野両被告は昨年9月〜今年1月、阿田被告に強制捜査の日にちや対象の店名を教えた見返りに、高級キャバクラなどで計約40万円分の接待を受けた。漏えいの影響で捜査対象者が風俗案内所2店を事前に閉鎖していたという。【戸上文恵】
(11/16(金) 21:44 毎日新聞)

風俗店に情報漏らしキャバ接待、元警官3人有罪

 風俗店の捜査情報を漏らした見返りに飲食接待を受けたとして加重収賄罪などに問われた元大阪府警巡査長の篠原渉被告(35)(懲戒免職)に対し、大阪地裁は16日、懲役2年6月、執行猶予4年、追徴金23万円(求刑・懲役2年6月、追徴金23万円)の有罪判決を言い渡した。渡部市郎裁判長は「警察への信頼を損なう悪質な犯行だが、反省している」と述べた。
 また、同罪などに問われた元府警巡査長の小野勇気被告(34)(懲戒免職)、贈賄罪などに問われた府警OBの阿田裕俊被告(33)の判決もあり、地裁は小野被告に懲役2年6月、執行猶予4年、追徴金18万円(同・懲役2年6月、追徴金18万円)、阿田被告に懲役2年、執行猶予4年(同・懲役2年)を言い渡した。
 判決によると、風俗店の捜査担当だった篠原被告らは昨年9月〜今年1月、阿田被告に捜査対象の店舗名などを伝え、大阪・北新地のキャバクラなどで計約40万円の接待を受けた。
(11/16(金) 19:10 読売新聞)

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平成30(わ)2864  地方公務員法違反,加重収賄
主文
被告人を懲役2年6月に処する。
この裁判確定の日から4年間その刑の執行を猶予する。
被告人から金23万3129円を追徴する。
理由
(罪となるべき事実)
被告人は,大阪府警察官として,大阪府A警察署B課C係で犯罪捜査等の職務に
従事していた者であるが,
第1C係及び大阪府警察本部D部E特別捜査隊が捜査中の大阪府特殊風俗あっせ
ん事業の規制に関する条例違反事件の捜査情報が自己の職務上知り得た秘密であ
ったにもかかわらず,
1平成29年9月15日,大阪市a区bc丁目d番e号f1階飲食店「F」内
において,元大阪府警察官で行政書士G事務所に勤務するHから,C係の捜査
対象等について教示するように依頼され,Hに対し,C係が捜査対象としてい
る特殊風俗あっせん事業所の店名等の捜査情報を教示し
2同年11月2日,a区gh丁目i番j号飲食店「I」内において,Hから,
C係及びE特別捜査隊の捜査状況等について教示するよう依頼され,Hに対し,
E特別捜査隊が捜査対象としている特殊風俗あっせん事業所の店名等の捜査情
報を教示し
3同年12月1日,a区kl丁目m番n号o地下1階飲食店「J」内において,
Hから,C係及びE特別捜査隊の捜査状況等について教示するよう依頼され,
Hに対し,E特別捜査隊が捜査中の前記条例違反事件の強制捜査着手時期等の
捜査情報を教示し
もって,それぞれ職務上知り得た秘密を漏らした。
第2前記第1記載のとおり,C係等において捜査中の前記条例違反事件の捜査情
報を不正に漏洩したことの謝礼の趣旨の下に供与されるものであることを知り
ながら,Hから,
1同年9月15日,o1階「K」及びa区pq丁目r番s号t4階「L」にお
いて,合計5万3729円相当の遊興飲食の饗応を受け
2同年11月2日,a区uv丁目w番x号y3階「M」において,10万円相
当の遊興飲食の饗応を受け
3同年12月1日,前記「M」において,7万9400円相当の遊興飲食の饗
応を受け
もって,それぞれ職務上不正な行為をしたことに関し賄賂を収受した。
(法令の適用)
罰条
判示第1の各所為いずれも地方公務員法60条2号,34条1項前段
判示第2の各所為いずれも(第2の1は包括して)刑法197条の3第2

刑種の選択
判示第1の各罪いずれも懲役刑を選択
併合罪の処理刑法45条前段,47条本文,10条(刑及び犯情の最
も重い判示第2の2の罪の刑に法定の加重)
刑の執行猶予刑法25条1項
追徴刑法197条の5後段(判示第2の各犯行により収受し
た賄賂は没収することができない。)
訴訟費用の負担刑事訴訟法181条1項ただし書(不負担)
(量刑の理由)
被告人は,本件当時,警察官として捜査中の事件の捜査情報の秘密を厳格に保持
すべき立場にあったにもかかわらず,元先輩警察官であるHに対し,3度にわたっ
て重要な捜査情報を漏洩したのであり,その漏洩により捜査対象店舗に情報が伝わ
り,捜査に支障が生じかねない状況に至ったばかりか,その謝礼の趣旨で遊興飲食
の饗応を受けたものであり,警察官の職務の公正に対する社会の信頼を大きく損な
う悪質な行為である。被告人は積極的に賄賂の供与を求めたものではないが,キャ
バクラでの接待を期待して捜査情報を漏洩していたのであって,被告人の行為は厳
しい非難に値する。
ただ,被告人の反省態度や被告人に前科前歴がないことなども考慮し,被告人を
主文の刑に処した上,その刑の執行を猶予するのが相当であると判断した。
よって,主文のとおり判決する。
(求刑懲役2年6月及び追徴)
平成30年11月20日
大阪地方裁判所第9刑事部
裁判長裁判官 渡部市郎
   裁判官 辻󠄀井由雅
   裁判官 渡邉真実

PDF

平成30(わ)2864  地方公務員法違反,加重収賄
主文
被告人を懲役2年6月に処する。
この裁判確定の日から4年間その刑の執行を猶予する。
被告人から金18万3129円を追徴する。
理由
(罪となるべき事実)
被告人は,大阪府警察官として,大阪府警察本部A部B特別捜査隊で犯罪捜査等
の職務に従事していた者であるが,
第1B特別捜査隊が捜査中の大阪府特殊風俗あっせん事業の規制に関する条例違
反事件の捜査情報が自己の職務上知り得た秘密であったにもかかわらず,
1平成29年12月1日,大阪市a区bc丁目d番e号f地下1階飲食店「C」
内において,元大阪府警察官で行政書士D事務所に勤務するEから,B特別捜
査隊が捜査中の前記条例違反事件の捜査状況を,大阪府F警察署に保管中の捜
査書類を閲覧して教示するよう依頼され,同月15日,a区gh丁目i番j号
大阪府F警察署8階大阪府警察本部A部B特別捜査隊G分室において,前記捜
査書類を閲覧した上,Eに対し,電話で,同事件の捜査対象となっている特殊
風俗あっせん事業所の店名,強制捜査着手時期等の捜査情報を教示し
2平成30年1月12日頃,同市k区lm丁目n番o号大阪府H警察署内にお
いて,Eから,電話で,前記条例違反事件の逮捕予定者等について教示するよ
う依頼され,同月15日頃,Eに対し,同事件の逮捕予定者の氏名等を携帯電
話機のメッセージ機能を用いて送信し,さらに,Eに対し,電話で,同事件の
強制捜査着手日の捜査情報を教示し
もって,それぞれ職務上知り得た秘密を漏らした。
第2Eから,B特別捜査隊が捜査中の前記条例違反事件の捜査対象や強制捜査着
手時期等の捜査情報を不正に漏洩してほしいとの趣旨の下に供与されるもので
あることを知りながら,
1平成29年9月15日,f1階「I」及び大阪市a区pq丁目r番s号t4
階「J」において,合計5万3729円相当の遊興飲食の饗応を受け
2同年11月2日,a区uv丁目w番x号y3階「K」において,5万円相当
の遊興飲食の饗応を受け
3同年12月1日,前記「K」において,7万9400円相当の遊興飲食の饗
応を受け
もって,それぞれ自己の職務に関し賄賂を収受し,よって,前記第1記載のとお
り,Eに対し,同事件の捜査情報を漏洩し,もって職務上不正な行為をした。
(法令の適用)
罰条
判示第1の各所為いずれも地方公務員法60条2号,34条1項前段
判示第2の各所為いずれも(第2の1は包括して)刑法197条の3第2

刑種の選択
判示第1の各罪いずれも懲役刑を選択
併合罪の処理刑法45条前段,47条本文,10条(刑及び犯情の最
も重い判示第2の3の罪の刑に法定の加重)
刑の執行猶予刑法25条1項
追徴刑法197条の5後段(判示第2の各犯行により収受し
た賄賂は没収することができない。)
(量刑の理由)
被告人は,本件当時,警察官として捜査中の事件の捜査情報の秘密を厳格に保持
すべき立場にあったにもかかわらず,元先輩警察官であるEから3度にわたって遊
興飲食の饗応を受け,重要な捜査情報を漏洩したのであり,その漏洩により捜査対
象店舗に情報が伝わり,捜査に重大な支障が生じかねない状況になったのであって,
警察官の職務の公正に対する社会の信頼を大きく損なう悪質な行為である。被告人
は積極的に賄賂の供与を求めたものではなく,一連の犯行はEの強い働きかけによ
るものであるが,捜査に携わる警察官としては様々な思惑で接近してくる関係者に
対して毅然と対応すべきことが当然であって,特に酌量すべき事情とはいえず,被
告人の行為は厳しい非難に値する。
ただ,被告人の反省態度,被告人に前科前歴がないことなどを考慮し,被告人を
主文の刑に処した上,その刑の執行を猶予するのが相当であると判断した。
よって,主文のとおり判決する。
(求刑懲役2年6月及び追徴)
平成30年11月20日
大阪地方裁判所第9刑事部
裁判長裁判官 渡部市郎
   裁判官 辻󠄀井由雅
   裁判官 渡邉真実

PDF

平成30(わ)2864  地方公務員法違反,贈賄
主文
被告人を懲役2年に処する。
この裁判確定の日から4年間その刑の執行を猶予する。
理由
(罪となるべき事実)
被告人は,元大阪府警察官で行政書士A事務所に勤務していた者であるが,
第1大阪府警察官Bが所属する大阪府C警察署D課E係及び大阪府警察本部F部
G特別捜査隊が捜査中の大阪府特殊風俗あっせん事業の規制に関する条例違反
事件の捜査情報がBの職務上知り得た秘密であったにもかかわらず,
1平成29年9月15日,大阪市a区bc丁目d番e号f1階飲食店「H」内
において,Bに対し,E係の捜査対象等について教示するよう依頼し
2同年11月2日,a区gh丁目i番j号飲食店「I」内において,Bに対し,
E係及びG特別捜査隊の捜査状況等について教示するよう依頼し
3同年12月1日,a区kl丁目m番n号o地下1階飲食店「J」内において,
Bに対し,E係及びG特別捜査隊の捜査状況等について教示するよう依頼し
もって,それぞれBが職務上知り得た秘密を漏らす行為をそそのかした。
第2大阪府警察官Kが所属するG特別捜査隊が捜査中の大阪府特殊風俗あっせん
事業の規制に関する条例違反事件の捜査情報がKの職務上知り得た秘密であっ
たにもかかわらず,
1同年12月1日,前記「J」内において,Kに対し,G特別捜査隊が捜査中
の前記条例違反事件の捜査状況を,前記C警察署に保管中の捜査書類を閲覧し
て教示するよう依頼し
2平成30年1月12日頃,電話で,Kに対し,前記条例違反事件の逮捕予定
者等について教示するよう依頼し
もって,それぞれKが職務上知り得た秘密を漏らす行為をそそのかした。
第3Bに対して,E係等において捜査中の前記条例違反事件の捜査情報を不正に
漏洩したことの謝礼の趣旨の下に,Kに対して,G特別捜査隊が捜査中の前記
条例違反事件の捜査対象や強制捜査着手時期等の捜査情報を不正に漏洩してほ
しいとの趣旨の下に,
1平成29年9月15日,o1階「L」及びa区pq丁目r番s号t4階「M」
において,それぞれに対し各5万3729円相当の遊興飲食の饗応をし
2同年11月2日,a区ku丁目v番w号x3階「N」において,Bに対し1
0万円相当の,Kに対し5万円相当のそれぞれ遊興飲食の饗応をし
3同年12月1日,前期「N」において,それぞれに対し各7万9400円相
当の遊興飲食の饗応をし
もって,それぞれBが職務上不正な行為をしたことに関し賄賂を供与するととも
に,それぞれKの職務に関し賄賂を供与した。
(法令の適用)
罰条
判示第1の各所為いずれも地方公務員法62条,60条2号,34条1
項前段
判示第2の各所為いずれも地方公務員法62条,60条2号,34条1
項前段
判示第3の各所為いずれも(判示第3の1は包括して)被供与者ごとに
刑法198条
科刑上の一罪の処理
判示第3の1から3までいずれも刑法54条1項前段,10条(1個の行為が
2個の罪名に触れる場合であるから,1罪として各処
断)
刑種の選択いずれも懲役刑を選択
併合罪の処理刑法45条前段,47条本文,10条(刑及び犯情の
最も重い判示第3の3の罪の刑に法定の加重)
刑の執行猶予刑法25条1項
(量刑の理由)
被告人は,元警察官であることを自身の強みとして行政書士事務所で勤務してい
たが,同事務所における自身の評価を上げることや自己の顧客の利益を図るため,
警察官時代に可愛がっており,被告人を慕っていた現職警察官2名に働きかけて捜
査情報を入手し,それを同事務所や自身の顧客に伝えることによって金銭的な利益
を得ており,元警察官という立場やそれまでに築いた人間関係を悪用した悪質な犯
行である。
ただ,被告人に前科がないことなどを考慮し,被告人を主文の刑に処した上,そ
の刑の執行を猶予するのが相当であると判断した。
よって,主文のとおり判決する。
(求刑懲役2年)
平成30年11月20日
大阪地方裁判所第9刑事部
裁判長裁判官 渡部市郎
   裁判官 辻󠄀井由雅
   裁判官 渡邉真実

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