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在外被爆者遺族の損害賠償請求を棄却…大阪地裁

 広島、長崎で被爆後、出国し、1975〜95年に死亡した在外被爆者が海外居住を理由に救済対象外とされたのは違法として、遺族151人が国に損害賠償を求めた訴訟で、大阪地裁は31日、提訴時には死後20年で賠償請求権が消える「除斥期間」を過ぎたと判断、遺族の請求を棄却した。
 在外被爆者の訴訟で除斥期間の適用を認めた司法判断は初めて。国はこれまで和解に応じていたが、今回の裁判の途中で争う姿勢に転じた。絹川泰毅裁判長は、国による除斥期間の主張について「著しく正義、公平に反するとは言えない」と述べた。原告側は控訴を検討する。
 原告は韓国人被爆者31人の遺族。死亡から20〜39年過ぎた2010年以降に提訴していた。
 国は「出国すると被爆者の地位を失う」とする74年の旧厚生省通達が03年に廃止されるまで健康管理手当などを支給せず、07年の最高裁判決で違法性が認定されると、訴訟での和解を通じて賠償に応じるようになった。その中には死後20年が過ぎて提訴した遺族175人も含まれていた。
 しかし、16年以降は除斥期間の適用を求めて和解を拒むようになり、原告側は「信義則に反する」などと主張していた。
(2018年01月31日 20時02分 読売新聞)

大阪地裁 在外被爆者遺族が敗訴 死後20年、請求権消滅

 広島や長崎で被爆後、帰国した韓国人被爆者31人が被爆者援護法の適用外とされたのは違法として、遺族151人が国に損害賠償を求めた集団訴訟で、大阪地裁(絹川泰毅裁判長)は31日、被爆者の死後20年で損害賠償の請求権が消滅する「除斥期間」が経過したと判断し、遺族側の請求を棄却した。
 在外被爆者の国家賠償訴訟で、除斥期間を巡る司法判断は初めて。同種訴訟は大阪、広島、長崎の3地裁で順次起こされており、国は約600人について除斥期間を理由に争っている。
 旧厚生省は1974年の通達で、在外被爆者を援護法の適用外とし、2003年の通達廃止まで健康管理手当などを支給しなかった。
 しかし、広島で被爆した韓国人の元徴用工40人が賠償を求めた訴訟で、最高裁は07年、「通達は違法」と初判断し、国の賠償義務が確定。舛添要一厚生労働相(当時)は翌年、訴訟での和解を通じて賠償する方針を示し、大阪など3地裁で提訴が相次いだ。
 国はこれまで約6000人と和解し、被爆者の死後20年が経過した遺族175人分のケースも含まれていたが、16年に「除斥期間に気付いた」として、突然、経過していた場合は和解に応じない姿勢に転じた。
 今回の訴訟で遺族は被爆者1人あたり120万円の賠償を求めて10〜15年に提訴した。被爆者の死後、20〜39年間が経過していた。
 遺族側は「国の通達が違法と知ることができたのは07年の最高裁判決で、それまで(提訴による)権利行使は困難だった」と主張し、除斥期間を適用しないよう求めた。
 絹川裁判長は、07年判決の原告が提訴したのは95〜96年だったことを踏まえ、「今回の遺族も死後20年が経過する前に訴えを起こすことは可能だった」と指摘。除斥期間の適用が制限される「著しく正義・公平に反する」場合には当たらないと結論付けた。
 遺族側の永嶋靖久弁護士は判決後、「違法な通達を出していた国が賠償を免れるのは不当だ」と話した。厚労省原子爆弾被爆者援護対策室は「個別事案のコメントは差し控える」としている。【原田啓之】
 除斥期間適用「制限すべき」
 渡辺知行・成蹊大法科大学院教授(民法)の話 大阪地裁判決は、除斥期間を厳格に適用する最高裁判例を踏襲した。ただ、海外に住む多くの被爆者や遺族にとって、2003年に通達が廃止され、07年に国の賠償義務が確定するまで提訴するのは困難だっただろう。権利行使を長年妨げてきた国が、除斥期間を理由に賠償を免れるのは不公平で、除斥期間の適用を制限すべきだ。
(2018年1月31日 19時48分(最終更新 1月31日 23時49分) 毎日新聞)

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