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停職重すぎ、処分取り消しと高裁

 兵庫県姫路市立中で部活動でのいじめを隠すため同僚らに診断先の病院で虚偽の説明をするよう指示したなどとして、停職6カ月の懲戒処分を受けた元教諭の男性が、処分取り消しや約1320万円の損害賠償を県に求めた訴訟の控訴審判決で、大阪高裁は9日、請求棄却の一審神戸地裁判決を変更、処分を取り消し、慰謝料など55万円の支払いを命じた。
 判決理由で田中俊次裁判長は、病院に対しては隠すよう指示したが、いじめの報告が校長ら学校上層部に届いていたことから「隠蔽したとは評価できない。停職は重すぎる」と判断した。
(11/9(金) 20:37 共同通信)

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平成30(行コ)51  公務員に対する懲戒処分取消等請求控訴事件
主文
1原判決を次のとおり変更する。
処分行政庁が平成28年2月23日付けで控
訴人に対してした6月間停職の懲戒処分を取り
消す。
⑵被控訴人は,控訴人に対し,55万円及びこれ
に対する平成28年6月30日から支払済みま
で年5%の割合による金員を支払え。
控訴人のその余の請求を棄却する。
2訴訟費用は,第1,2審を通じてこれを3分し,
その2を控訴人の,その余を被控訴人の各負担とす
る。
3この判決は,第1項⑵に限り,仮に執行すること
ができる。
事実及び理由
第1控訴の趣旨
1原判決を取り消す。
2主文第1項と同旨。
3被控訴人は,控訴人に対し,1327万3045円及びこれに対する平成2
8年6月30日から支払済みまで年5%の割合による金員を支払え。
第2事案の概要(以下,略語は特記しない限り原判決の例による。)
1事案の要旨
本件は,姫路市立a中学校(以下「a中学校」という。)の教諭として在職
中,処分行政庁から平成28年2月23日付けで停職6月(同月24日から
6月間停職)の懲戒処分(本件停職)を受け,同停職期間中の同年4月1日
に同市立b中学校へ配置換え(本件配置換え)になった後同年6月30日に
被控訴人を辞職した控訴人が,処分行政庁の所属する被控訴人に対し,本件
停職の取消しを求めるとともに,違法な本件停職と本件配置換えにより財産
的・精神的損害を被ったとして,国家賠償法1条1項に基づき,損害賠償と
して1327万3045円(給与・賞与相当額207万3045円,慰謝料
1000万円及び弁護士費用120万円の合計)及びこれに対する不法行為
後である同日から支払済みまで民法所定の年5%の割合による遅延損害金の
支払を求める事案である。
⑵原審は,本件停職及び本件配置換えをいずれも適法であるとして,控訴人
の請求をいずれも棄却したところ,控訴人がこれを不服として本件控訴を提
起した。
2関係法令等の定め
懲戒処分に関する定め
地方公務員法(平成26年法律第34号による改正前のもの。以下「地公
法」という。)29条1項は,職員が次の各号のいずれかに該当する場合にお
いては,これに対し懲戒処分として戒告,減給,停職又は免職の処分をする
ことができると規定し,懲戒事由として,「職務上の義務に違反し,又は職務
を怠った場合」(2号),「全体の奉仕者たるにふさわしくない非行のあった場
合」(3号)を挙げている。
地方教育行政の組織及び運営に関する法律(平成26年法律第34号によ
る改正前のもの。以下「地教行法」という。)42条は,市町村立学校職員給
与負担法(平成27年法律第46号による改正前のもの)1条に規定する県
費負担教職員(都道府県が給料等を負担する職員