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ピースおおさか展示巡る文書、非公開は違法 高裁判決

 大阪国際平和センター(ピースおおさか)の展示変更に関する文書を大阪府が非公開とし、精神的苦痛を受けたとして、市民団体の男性が160万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が30日、大阪高裁であった。田中俊次裁判長は訴えを退けた一審判決を変更し、府の決定を違法と認定。5万円の賠償を命じた。
 訴えた三重県伊賀市の竹本昇さん(67)は2015年1月、センターの運営財団と、設立した大阪府・市に文書公開を請求。府は「公開すると要望や批判が寄せられ、センターの業務に支障が出る」として非公開としたうえ、一部は展示の変更後に公開した。
 判決は、対象の文書は「戦争の歴史認識にも関わり、高い公益性を有する」と指摘。公開によって事業に著しい支障が生じるとは言えないとし、府の決定を違法と判断した。
 竹本さんは市とセンターを相手取った同様の訴訟もそれぞれ起こしており、一審・大阪地裁はいずれも棄却した。市については今年9月の控訴審で大阪高裁の別の裁判長が市の違法性を認め、5万円の支払いを命じた。センターの判決は来年2月の予定。(釆沢嘉高)
(2017年11月30日21時46分 朝日新聞)

文書非公開の大阪府の決定は違法 戦争展示の変更めぐり

 大阪の平和資料館が太平洋戦争に関連した展示内容を変更したことについて、大阪府が検討の過程を記した文書を公開しなかったことをめぐる裁判で、大阪高等裁判所は「公開して議論の対象とするべきだった」として、府の決定は違法だという判決を言い渡しました。
 大阪城公園にある「ピースおおさか」は、大阪府と大阪市が出資する団体が運営し、大阪空襲や旧日本軍の行為などについて展示していましたが「自虐的だ」などと批判が寄せられ、おととし、展示内容を変更しました。
 これについて、市民団体の男性が検討の過程を記した文書を公開するよう府や市に求めましたが認められず、1審でも訴えを退けられていました。
 30日の2審の判決で、大阪高等裁判所の田中俊次裁判長は「大阪府は情報を公開すると批判が多数寄せられるおそれがあったと主張するが、展示内容は先の大戦の歴史認識にも深く関わり、公開して議論の対象とすることが望ましかった」として、1審とは逆に府の決定は違法だと判断し、5万円の慰謝料を支払うよう命じました。
 この問題をめぐっては、ことし9月、大阪市を訴えた裁判の2審でも市の違法性を認める判決が言い渡されています。
 原告の竹本昇さんは「大阪府は違法性を認め、展示内容も改めてほしい」と話していました。
 一方、大阪府は「判決内容を十分精査したうえで今後の対応について検討していきたい」とコメントしています。
(11月30日 22時07分 NHK)

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平成29年(ネ)第53号  損害賠償請求控訴事件
主文
1原判決を次のとおり変更する。
被控訴人は,控訴人に対し,5万円を支払え。
控訴人のその余の請求を棄却する。
2訴訟費用は,第1,2審を通じて,これを100分し,その3を被控訴人の
負担とし,その余を控訴人の負担とする。
事実及び理由
第1控訴の趣旨
1原判決を取り消す。
2被控訴人は,控訴人に対し,160万円を支払え。
第2事案の概要(以下,略語は原判決の例による。)
本件は,控訴人が,大阪府情報公開条例(平成11年大阪府条例第39号。
以下「本件条例」という。)に基づき,大阪府知事に対し,第16回ピース
おおさか展示リニューアル監修委員会配布資料等の公開請求をしたのに対し,
大阪府知事から,平成27年2月9日付けで上記配布資料に記録されている
情報が本件条例8条1項所定の非公開情報に該当することを理由とする非公
開決定を受けたところ,同決定は違法であり,これにより精神的苦痛を受け
たと主張して,被控訴人に対し,国家賠償法1条1項に基づき,慰謝料16
0万円の支払を求める事案である。
原審が控訴人の請求を棄却したので,これを不服とする控訴人が本件控訴を
提起した。
1本件条例の定め(乙1)
本件条例3条は,実施機関及び実施法人は,行政文書又は法人文書の公
開を求める権利が十分に保障されるように,この条例を解釈し,運用する
とともに,行政文書又は法人文書の適切な保存と迅速な検索に資するため
の行政文書又は法人文書の管理体制の整備を図らなければならない旨規定
する。
本件条例6条は,何人も,実施機関(本件条例2条2項に規定するもの
であり,知事を含む。)に対して,行政文書の公開を請求することができ
る旨規定し,本件条例7条は,本件条例6条の規定による公開の請求(以
下「公開請求」という。)は,行政文書の名称その他の公開請求に係る行
政文書を特定するに足りる事項(2号。以下「行政文書特定事項」とい
う。)等を記載した書面を実施機関に提出する方法により行わなければな
らない旨規定する。
本件条例8条1項は,実施機関(公安委員会及び警察本部長を除く。)
は,同項各号に掲げる情報(以下「非公開情報」という。)が記録されて
いる行政文書を公開しないことができる旨規定し,非公開情報として,同
項1号において,法人その他の団体(以下「法人等」という。)に関する
情報であって,公にすることにより,当該法人等の競争上の地位その他正
当な利益を害すると認められるもの(以下「法人等情報」という。)を掲
げている。
本件条例13条1項は,実施機関は,公開請求に係る行政文書の全部又
は一部を公開するときは,その旨の決定をし,公開請求をしたもの(以下
「請求者」という。)に対し,その旨及び公開の実施に関し必要な事項を
書面により通知しなければならない旨規定し,同条2項は,実施機関は,
公開請求に係る行政文書の全部を公開しないときは,その旨の決定をし,
速やかに,請求者に対し,その旨を書面により通知しなければならない旨
規定する。
本件条例20条は,公開決定等について行政不服審査法(ただし,平成
26年法律第68号による改正前のもの。以下同じ。)に基づく不服申立
てがあった場合は,当該不服申立てに対する決定又は裁決をすべき実施機
関は,不服申立てが明らかに不適法であり,却下するとき(1号),決定
又は裁決で不服申立てに係る公開決定等を取り消し又は変更し,当該不服
申立てに係る行政文書の全部を公開することとするとき(2号本文)のい
ずれかに該当する場合を除き,遅滞なく大阪府情報公開審査会(以下「審
査会」という。)に当該不服申立てに対する決定又は裁決について諮問し
なければならない旨規定する。
2前提事実(当事者間に争いがないか,各項掲記の証拠[書証番号は特に記載
しない限り枝番号を含む。以下同じ。]及び弁論の全趣旨により容易に認め
ることができる事実並びに当裁判所に顕著な事実)
関係者
ア公益財団法人大阪国際平和センター(以下「本件センター」という。)
は,戦争と平和に関する情報及び資料の収集,保存,展示を行うとともに,
平和問題に関する調査研究,学習,普及等を図ることによって,戦争の悲
惨さを次世代に伝え,平和の尊さを訴え,平和の首都大阪の実現を目指し,
世界平和に貢献することを目的とする(乙14)。
本件センターは,平成元年7月に被控訴人と大阪市が共同して出捐して
設立された公益法人(公益財団法人)であり,控訴人による後記情報公開
請求がされた平成27年1月当時,業務執行理事のほか,職員は4名(い
ずれも契約職員)であり,うち1名は平成22年4月採用,その余の3名
は平成25年4月採用であった(なお,かつて被控訴人又は大阪市の職員
が各5名,本件センター職員に派遣されて勤務していたが,その後徐々に
減員され,平成21年度の1名を最後に被控訴人又は大阪市からの職員派
遣が終了した。乙14,47,弁論の全趣旨)。
イ本件センターは,上記目的を実現するための基幹事業として,被控訴人
及び大阪市の補助により,平成3年9月,平和資料館「ピースおおさか」
(以下「ピースおおさか」という。)を設置し,以降,ピースおおさかを
運営して,常設展示や企画事業及び研究活動,ビデオや展示パネルの貸出
し等をしている(甲4,乙14,弁論の全趣旨)。
ウ大阪国際平和センター展示リニューアル監修委員会(以下「監修委員
会」という。)は,本件センターの公益財団法人移行前の寄附行為31条
に基づいて設置された内部組織であって,ピースおおさかの展示リニュー
アルについて監修を行う組織であり,同委員会委員はピースおおさかの展
示物に造詣の深い学識経験者が就任した。その設置期間は平成24年12
月25日から展示リニューアル完成の日までとし,会議は非公開であるが
議事録は公開している(乙45,46,弁論の全趣旨)。
ピースおおさか展示リニューアル事業(以下「本件事業」という。)
ア本件センターは,平成25年4月9日,ピースおおさか展示リニューア
ル構想を発表した(乙14,弁論の全趣旨)。
イ本件センターは,平成25年9月13日,ピースおおさか展示リニュー
アル基本設計(中間報告)を発表し,同年11月27日,ピースおおさか
展示リニューアル基本設計を発表した(乙15,16,弁論の全趣旨)。
ウ本件センターは,平成26年2月4日,上記イの基本設計に基づき,ピ
ースおおさか展示リニューアル実施設計(中間報告)を発表し,同年4月
10日,ピースおおさか展示リニューアル実施設計を発表した。なお,同
年9月頃には,ピースおおさかのリニューアルオープンの時期が平成27
年4月に予定されていた。(以上につき,乙8の26・28・31,乙1
7,18,弁論の全趣旨)
エピースおおさかは,リニューアルオープン前にリニューアル後の具体的
な展示内容を公開することなく,平成27年4月30日,リニューアルオ
ープンした(甲9,乙47,弁論の全趣旨)。
本件非公開決定に至る経緯等
ア控訴人は,「ピースおおさか」の危機を考える連絡会事務局の肩書で,
平成27年1月27日付けで,大阪府知事に対し,本件条例6条に基づき,
行政文書特定事項を「ピースおおさか展示リニューアルに係る次の文書」,
「「B.世界中が戦争をしていた時代」のコーナーの映像シナリオ(検討
中の文書)」,「「F.私たちの未来を創っていくために」のコーナーに
おける自衛隊・集団的自衛権・国際社会における平和貢献に関する展示」,
「直近の監修委員会において検討した資料」,「「大阪府の出資法人等へ
の関与事項等を定める条例」により助言等を行うとともに必要な措置を講
じることを求めたことを示す文書」として,行政文書の公開請求(以下
「本件請求」という。)をした(甲13)。
イ大阪府知事は,本件請求の対象となる文書を,―仍駛/妖の事業の実
施状況,経営状況等の評価結果について(通知)と題する文書,第16
回ピースおおさか展示リニューアル監修委員会配布資料(以下,△諒現
を「本件文書」という。)であると特定した上,平成27年2月9日付け
で,控訴人に対し,上記,諒現颪魍示する旨の決定をしたが,本件文書
については,本件条例8条1項1,3,4号に該当することを理由として
これを開示しない旨の決定(以下「本件非公開決定」という。)をし,控
訴人は,同月12日,上記各決定の通知書を受領した(甲6,7,乙2,
3,弁論の全趣旨)。
ウ控訴人は,平成27年3月5日付けで,本件非公開決定を不服として,
大阪府知事に対し,同決定を取り消す旨の裁決を求める旨の異議申立て
(以下「本件異議申立て」という。)をした(甲7)。
エ大阪府知事は,ピースおおさかのリニューアルオープン後の平成27年
6月10日付けで,本件非公開決定を取り消した上(以下「本件取消決
定」という。),本件文書のうち個人の氏名(既に公開されているものを
除く。)を除く部分を公開する旨の部分公開決定(以下「本件部分公開決
定」という。)をし,控訴人は,その頃,同決定の通知書を受領した(乙
4,弁論の全趣旨)。
オ大阪府知事は,本件異議申立てについて,本件条例20条に基づく審査
会への諮問を行わなかった(争いがない。)。
本件訴えの提起
控訴人は,平成27年8月11日,本件訴えを提起した(顕著な事実)。
3争点及び当事者の主張
争点
ア国家賠償法上の違法性
本件非公開決定の違法性(争点1)
本件取消決定の違法性(争点2)
本件異議申立てにおける手続的違法(争点3)
イ損害の有無及び損害額(争点4)
争点1(本件非公開決定の違法性)について
(控訴人の主張)
以下のとおり,本件文書には本件条例8条1項1号(以下「本件非公開条
項」という。)所定の法人等情報が記録されていないから,本件非公開決定
は憲法,情報公開法及び本件条例に違反し,国家賠償法上違法である。
ア本件文書に記載されている情報は,ピースおおさかのリニューアルオー
プン後に一般に公開される予定の展示内容であるところ,外部公開を予定
しない情報とは本来的に異なるものであって,本件センターの経営上の秘
密に該当するものではないし,これが公開されたとしても,本件センター
における率直な意見交換や意思決定の中立性が損なわれるおそれがあるな
ど,その競争上の地位その他正当な利益を害するとはいえない。なお,当
該情報は,「大阪府情報公開条例解釈運用基準」(乙6)に例示されて
いる競争上の地位その他正当な利益を害すると認められる情報のいずれに
も該当しない。
イ被控訴人は,本件文書を公開すれば,市民団体等から要望や批判が寄せ
られ,マスメディアに報道されることにより,本件センターにおける率直
な意見交換や意思決定の中立性が損われるおそれがあり,リニューアルオ
ープンに向けた準備にも支障が生じるなどと主張する。
しかし,多数の意見が提出されることは市民の注目を集める行政分野に
おいては当然あり得ることであり,「意見が寄せられては困るから情報を
秘匿する」といった運用が許されるべきではない。むしろ,多くの意見が
寄せられるほど市民の関心を集める事項であればあるほど,それに関して
知る権利を保障して情報公開を行う必要性は高まる。監修委員会は,被控
訴人及び大阪市が出資して設立され,両者から補助金も出されている本件
センターの内部組織であるところ,本件センターの唯一の事業拠点であり,
中心業務をなすピースおおさかの展示内容を変更しようという目的の監修
委員会の議事内容は高度の公共性を帯びており,被控訴人及び大阪市の財
政支出の適格性を市民の目に触れさせることにより適正運営を担保する観
点からも情報公開請求があれば原則として公開されるべきである。
検討段階の情報を公開することは行政運営の透明性を確保し,市民の府
政参加を促進する観点から望ましいというべきであるし,市民から寄せら
れる要望や批判は請願権や表現の自由に基づく正当な活動であって,それ
が平穏な態様で行われる限り基本的人権として保障され,行政は誠実に処
理する責務を負う。控訴人を含む多数の市民が本件事業について請願権の
行使や意見表明を重ねてきたが,それらはいずれも平穏な態様で行われて
きており,本件文書を非公開とするべき必要性が生じるほど職員の業務に
支障を生じるような態様での請願や申入れを行った事実はなく,まして,
脅迫的な言論や面会強要といった不当な態様で行われたことはないから,
本件センターにおける率直な意見交換や意思決定の中立性を損なうものと
はいえない。
ウ本件文書の公開がなされなくても,本件非公開決定の前後を通じて多数
の意見が市民から提出されていたのであるから,「本件文書の公開によっ
て多数の意見が提出されてしまう」という因果関係も明らかでない。本件
請求後の監修委員会の会議は,平成27年2月28日に1回開催されただ
けであり,それまでの報道によって本件事業の方向性に対する批判や要望
が既に多くの市民から提出されており(乙7),その議事内容(乙41)
に照らしても,本件文書の公開によって阻害されたであろう発言や意思決
定があるとは到底考えられない。
エ本件センターの職員が少ないことは,本件センターの正当な利益を害す
ると認められることの理由とはならない。そのような行政側の事由によっ
て,憲法の保障する知る権利に基づく情報公開請求権が制約されるべきで
はないし,情報公開に伴う事務量を勘案して適正な人数を配置・増員すれ
ばよい。人員不足により本件事業に支障が生じる原因は,ピースおおさか
は開館時の事務局が10人で運営されていたのを被控訴人及び大阪市が職
員派遣を中止したことによるから,それによって控訴人の情報公開請求権
が制約されるのは不合理である。情報公開によって取材や要請への対応が
増えるとすれば,それは情報公開制度を実施することによる必要的コスト
であり,これに対応するために,職員を増やしたり,要請を文書提出のみ
で受けることにして対応時間を制限するなどの措置をとればよい。本件非
公開決定は,本件条例3条に反している。
オ展示内容の選択や展示前に展示内容をどの程度明らかにするかについて
本件センターに裁量権があるとしても,本件条例に基づいて外郭団体に関
する情報公開を請求する権利が認められているのであるから,本件センタ
ーの上記裁量権の存在は,非公開事由該当性の判断とは無関係である。ま
た,大阪府知事が本件文書を公開することと,「準備や計画に影響を与え
る」ことの具体的な因果関係も明らかでない。被控訴人は,いかなる準備
や計画に対して,いかなる影響を与えるというのか,いかなる態様で「事
業運営を損なうおそれがある」といえるのかについて,控訴人の求めにも
かかわらず,何ら具体的に示していない。
(被控訴人の主張)
以下のとおり,本件文書には本件非公開条項所定の法人等情報が記録され
ているから,大阪府知事のした本件非公開決定は国家賠償法上違法であると
はいえない。
ア本件文書は,平成27年1月23日の監修委員会の会議における配布資
料であって,平成27年4月中にリニューアルオープンが予定されていた
ピースおおさかのリニューアル後の展示内容,展示位置,展示物等で検討
段階のものが詳細に記載されており,本件センターにおいて,ピースおお
さかのリニューアルオープン前に公開することは予定していなかった。
イピースおおさかのリニューアルについては,展示内容等に関して市民団
体等からそれぞれの歴史認識に基づく具体的な要望が出され,マスメディ
アによる報道もされて,報道機関及び市民団体間で尖鋭な意見対立を生じ
ていた。このような状況下において,リニューアル後の展示内容を詳細に
記載している本件文書を公開すれば,自己の要望を採用されなかった市民
団体等から展示内容に関する更なる具体的な要望や批判が寄せられ,多数
回かつ長時間にわたる応接を余儀なくされたり(乙48),マスメディア
からの交付要求や取材対応に追われることが容易に想定された。そして,
本件非公開決定がされた平成27年2月9日時点では,本件センターの理
事会が展示内容の詳細について検討を行っている段階であり,本件文書を
公開すれば,本件文書に氏名が記載されている本件センターの職員や監修
委員会の委員が批判を受けることをおそれて,理事会や監修委員会におけ
る発言を差し控えることや,展示リニューアルの内容を実質的に決定する
監修委員会の委員に対し,本件文書に自己の要望が採用されなかった市民
団体等がその採用を直接又は間接に働きかけるなどすることが考えられた
から,本件文書を公開することにより,本件センターにおける率直な意見
交換や意思決定の中立性が損なわれるおそれがあり,かつ,そのような歪
みが生じればその是正がもはや困難な時期にあった。
控訴人から本件請求がなされた平成27年1月27日頃には,監修委員
会からピースおおさかのリニューアル後の展示内容,展示位置,展示物等
など細部にわたって見直しをするよう要求され,本件センターの4名の職
員で細部にわたり誤りのないよう検討を重ねるとともに,繰り返しチェッ
クをする作業やリニューアルオープンの宣伝活動に忙殺されて,平成26
年9月から平成27年3月までの間に1198時間もの残業をする程であ
り,これに加えて,展示内容に関する市民団体等からの要望や批判,マス
メディアの報道や取材への対応に追われれば,上記職員らの疲労が限界を
超え,上記業務に支障が生じて平成27年4月中のリニューアルオープン
が不可能となるおそれがあった。
現にピースおおさかのリニューアルオープン後も,本件センターに展示
内容の変更を求める多数の意見や要望が寄せられるとともに,各種団体か
ら話合いの場を設けるように要求され,本件センター4名の職員で,当該
要求に対し,面談や回答要求に応じるなどの対応をしなければならない状
況にあった。
ウ本件センターは,被控訴人と大阪市の出資による法人であるが,被控訴
人とは別の独立した法人であるから,被控訴人はその自律的な運営等に十
分な配慮をしなければならない(甲17・大阪府の出資法人等への関与事
項等を定める条例3条)。
「公にすることにより,法人等の競争上の地位その他正当な利益を害す
る」情報に該当するか否かは,当該情報の内容のみではなく,事業者の性
格,事業活動における当該情報の位置付け等にも十分に留意しつつ,慎重
に判断する必要があり(乙6・大阪府情報公開条例解釈運用基準),被控
訴人の機関の情報であっても,率直な意見の交換若くは意思決定の中立性
が不当に損なわれるおそれのあるもの(意思形成過程情報)や事務の公正
かつ適切な執行に著しい支障を及ぼすおそれのあるもの(事務事業情報)
が記録されている行政文書を公開しないことができるのであり(本件条例
8条1項3,4号),しかも,私人である法人等の自主性・自律性を尊重
する趣旨から,公にすることにより,法人等の競争上の地位その他正当な
利益を害する情報(本件条例8条1項1号)については,「不当に」とか
「著しく」という要件がないのであるから,前記イのとおり,本件文書の
公開によって,本件センターの率直な意見の交換若くは意思決定の中立性
が損なわれ,また,本件リニューアル事業に直接影響が及ぶことになる以
上,本件文書の公開は,被控訴人における意思形成過程情報や事務事業情
報よりも抑制的に判断しなければならい。そして,展示内容の選択や展示
前に展示内容をどの程度明らかにするかについて本件センターに裁量権が
あり,そのこと自体が本件センターの正当な利益に該当するから,本件文
書を開示することは,上記裁量権を害し,被控訴人が不当な干渉をするこ
とになる。したがって,大阪府知事は本件文書を非公開としなければなら
なかった。
エ仮に本件文書が公開されることで控訴人の知る権利が充足され,その意
見を展示内容の策定に反映させて府政への参加を実現させるという利益が
控訴人に認められるとしても,既知の情報に加えて本件文書の内容を知る
ことにより得られる控訴人の利益は大きいとはいえない。本件センターが,
本件非公開決定がされた時点で,実施設計等の発表を通じてリニューアル
後の展示内容に反映させるなどしていたことを考慮すれば,その当時,大
阪府知事が本件文書を公開する必要性は低かったといえる。
オ公務員が行った行政処分が,国家賠償法1条1項の適用上「違法」の評
価を受けるのは,職務上通常尽くすべき注意義務を尽くすことなく漫然と
行政処分をした場合に限られ,そのようにいえるためには,処分当時の社
会通念に照らして,行政処分をしたことに相応の理由がない場合であると
ころ,大阪地方裁判所が控訴人を原告,本件センターを被告とする損害賠
いて,本件文書が本件条例
8条1項1号に該当すると認定したこと(乙52)に鑑みれば,本件非公
開決定に「相応の合理的根拠」があったというべきである。
争点2(本件取消決定の違法性)について
(控訴人の主張)
ア本件非公開決定が取り消されたことにより,控訴人は同決定の取消しを
求める訴えの利益を失い,行政事件訴訟法により保障された裁判を受ける
ことができなくなったから,本件取消決定は,控訴人の裁判を受ける権利
を侵害するものであり,国家賠償法上違法である。
イ本件取消決定は,先行する本件非公開決定の違法性についての正当な批
判をかわす目的でおこなわれたものであり,本来であれば迅速になすべき
公開決定を遅延させることにより,ピースおおさかのリニューアルオープ
ンに間に合わない形で文書を公開して控訴人が情報公開を求めた目的を達
成できない状態に追い込んだものであって,本件非公開決定による違法行
為を追認し,これを矮小化しようとするものであるから,憲法,情報公開
法,本件条例及び信義則に違反し,国家賠償法上違法である。
(被控訴人の主張)
本件取消決定は,平成27年4月30日にピースおおさかがリニューアル
オープンし,本件非公開決定を維持する必要がなくなったことを受けてされ
たものであり,国家賠償法上違法であるとはいえない。また,控訴人は本件
非公開決定に対して異議申立てを行うことなく,同決定の取消訴訟を提起す
ることも可能だったのであるから(行政事件訴訟法8条1項),本件取消決
定が控訴人の裁判を受ける権利を侵害したとはいえない。
争点3(本件異議申立てにおける手続的違法)について
(控訴人の主張)
被控訴人が本件条例20条の定める審査会への諮問を遅滞なく行ったと
はいえず,条例違反は明らかである。控訴人が本件異議申立て(甲7)を
した平成27年3月5日から90日を超えても諮問をせず,そのまま同年
6月10日付けで非公開を取り消して本件部分公開決定をしている。大阪
府知事が審査会への諮問を行わなかったことは,本件条例20条及び行政
不服審査法1条に違反する。
被控訴人は,ピースおおさかのリニューアルオープン後には本件文書を
全部公開する予定であったため,本件条例20条2号の規定に基づき,審
査会への諮問を行わなかったなどと主張するが,同号の規定は本件文書を
全部公開する場合の規定であって,本件のように部分公開決定を行う場合
には適用されない。国が作成した指針(乙13)においては,「改めて調
査・検討等を行う必要がないような事案」であったとしても諮問しなくて
よいとはされておらず,不服申立てから諮問までに「遅くとも30日を超
えないようにする」と定めている。さらに,その他の事案であったとして
も「特段の事情」がない限り「遅くとも90日を超えないようにする」と
定められているところ,本件では,何ら「特段の事情」はない。
異議申立てに対する決定を行うまでには審査会による答申を踏まえた調査
検討を要することや,リニューアルオープン前に本件異議申立てに対する決
定を行うことは相当に困難な状況であったことを理由として,審査会への諮
問を行わない措置を許容する規定も大阪府条例に存在しない。審査会への諮
問は,異議申立てをした請求者の権利を保障するために,非公開決定をした
行政判断の適否を審査する目的で設けられた手続であり,請求者側の事情を
考慮して諮問しないというのであれば格別であるが,行政側の事情に基づい
て諮問しなかったという弁解が是認される余地はない。
(被控訴人の主張)
ア本件異議申立ては平成27年3月5日にされ,大阪府知事は審査会への
諮問を行っていない。大阪府知事は,同年4月中に予定されていたピース
おおさかのリニューアルオープンが終われば,本件文書を全部公開する予
定であったため,本件取消決定をした同年6月10日まで本件条例20条
2号の規定に基づき,審査会への諮問を行わなかった。そして,同日以降
は,本件取消決定により本件異議申立てが不適法となったため,同条1号
の規定に基づき,審査会への諮問を行わなかった。以上の経過に照らせば,
大阪府知事が審査会への諮問を行わなかったことが国家賠償法上違法であ
るとはいえない。
イ控訴人は,大阪府知事が遅滞なく諮問を行わなかったなどと主張するが,
平成27年6月10日まで諮問を行わなかったのは,ピースおおさかのリ
ニューアルオープン後には本件文書を全部公開する予定であったことに加
え,本件センターの職員がリニューアルオープンの準備で繁忙であったこ
と,同年5月初旬に本件文書に個人識別情報が含まれていることが判明し
調査に時間を要したことによるものであって,やむを得ない事情があるか
ら,遅滞なく諮問を行わなかったとはいえない。
ウ仮に大阪府知事が遅滞なく諮問しなかったと評価されるとしても,本件
異議申立てがされた平成27年3月5日時点では,既に同年4月中にはピ
ースおおさかのリニューアルオープンが予定されていたから,仮に大阪府
知事が本件異議申立てを受けて速やかに諮問を行ったとしても,ピースお
おさかのリニューアルオープン前に本件異議申立てに対する決定を行うこ
とは相当に困難な状況であったし,本件非公開決定が違法とはいえないこ
とを併せ考慮すれば,大阪府知事において,ピースおおさかがリニューア
ルオープンした同月30日までに審査会への諮問を行わなかったことが,
職務上通常尽くすべき注意義務を尽くさなかったものと評価することはで
きず,国家賠償法上違法であるとはいえない。
争点4(損害の有無及び損害額)について
(控訴人の主張)
ア控訴人は,違法な本件非公開決定により知る権利を侵害され,精神的苦
痛を受けた。控訴人は,自己の人生を通して,歴史的加害行為と向き合う
生き方を送っており,ピースおおさかの設置理念が加害の歴史に言及し,
これを忘れないなどとしていることに深く共感していた。控訴人は,ピー
スおおさかのリニューアルによって南京大虐殺や朝鮮人強制連行等に関す
る展示(以下「加害展示」という。)が撤去されるという報道を受け,何
としても変更内容を知りたいという思いで本件請求を行ったものの,違法
な本件非公開決定を受け,強い精神的苦痛を受けた。
また,控訴人は本件請求により展示内容を知った上で意見表明を行う予
定であったところ,本件非公開決定により意見表明を行う機会を奪われ,
強い精神的苦痛を受けた。当該損害はリニューアルオープン後に展示内容
が公開されたからといって回復されるものではない。
イ本件取消決定により,控訴人は裁判を受ける権利等を侵害され,精神的
苦痛を受けた。
ウ控訴人は,本件異議申立てに対する諮問をせず,本件取消決定によって
本件非公開決定の違法を隠蔽する大阪府知事の行為により,精神的苦痛を
受けた。
エ上記アからウまでの控訴人の精神的苦痛を慰謝するため,160万円が
支払われるべきである。
(被控訴人の主張)
否認ないし争う。
第3当裁判所の判断
1争点1(本件非公開決定の違法性)について
認定事実
ア本件文書
本件文書は,本件事業に関する本件センターの諮問機関である監修委員
会において配布された検討資料であって,平成27年1月下旬にとりまと
められた(甲6,15,乙3,弁論の全趣旨)。本件文書には,ピースお
おさかのリニューアル後の展示内容の詳細が示されており,各展示ゾーン
における展示物の配置,展示物の寸法,内容,展示方法等(映像について
はキャプチャー画像,字幕の内容,表示方法等も含む。)が明らかにされ
ているほか,これらの根拠となる統計資料や従前の検討資料からの変更点
も記載されており,本件センターにおいてリニューアルオープン前にこれ
らを公開することを予定していなかった(甲15,弁論の全趣旨)。
イ本件事業に関する経緯
ピースおおさかは,戦争の悲惨さを次世代に伝え,平和の尊さを訴え,
世界平和に貢献することを目的として平成3年9月に開館し,開館当時
から「加害と被害の両面」を展示する方針をとっていた。しかし,開館
以来,常設展示のリニューアルがされておらず,近年における歴史研究
の進展に照らして展示内容や説明文に変更が必要なものや,より分かり
やすい展示物への変更が望ましいものも生じており,特に,入館者の6
〜7割を占めるようになっている小中学生にとって,展示や説明,見せ
方,展示構成が難しいものも多く,彼らに戦争の悲惨さ・平和の尊さを
いかにわかりやすく伝えるか,という観点で見直しが必要とされた。ま
た,展示について,開館当時から「加害と被害の両面を展示」と評価す
る意見がある一方,残酷,偏向,自虐的などといった批判や加害展示が
事実に反し不適切との指摘を受け(大阪府議会において議員から偽写真
が使われているなどの指摘がされていた。),展示資料の撤去,差替え,
説明文の変更等を数回行っていたところ,今回の展示リニューアルの方
向性としては,ピースおおさかの目的を「大阪空襲の犠牲者を追悼し,
平和を祈念する」「大阪空襲を中心にして「戦争の悲惨さ」「平和の尊
さ」を次世代に伝え,平和を願う豊かな心を育む」と再構築するなどと
された(乙14,49)。
本件センターが,平成25年4月9日,ピースおおさか展示リニュー
アル構想を発表し,それをマスメディアが報道したところ,これらを受
けて,本件センターには,市民団体等からリニューアル後の展示内容に
関し,要旨,別紙1「ピースおおさかの展示リニューアルに対しての要
望等(受理日順)」(以下「要望等一覧」という。)の受付番号1から
19まで記載のとおりの意見や要望が寄せられた(乙7,8の2)。
本件センターは,平成25年9月13日に展示リニューアル基本設計
(中間報告)を発表した。同設計においては,従前まで加害展示を扱っ
てきた部分を,大阪空襲に至った経緯として日清・日露戦争から太平洋
戦争までを概観する内容とすることが示され,各種マスメディアにおい
て,旧日本軍による加害行為に係る展示が縮小されることを懸念する旨
の報道と偏向展示がようやく正常化に向かったと評価する報道が対立す
15)
上記発表及び報道を受けて,本件センターには,市民団体等からリニ
ューアル後の展示内容に関し,要旨,要望等一覧の受付番号20から5
3まで記載のとおりの意見や要望が寄せられた(乙7)。
本件センターは,平成25年11月27日に展示リニューアル基本設
計を発表した。同設計においては,市民団体からの指摘等を踏まえ,上
大阪空襲直前にアメリカ軍が撮影した大阪市街地の航空写真の床面展示
を,攻撃側の視点で土足で踏むのかと批判されたことにより取りやめる
10,乙16,弁論の全趣旨)
上記発表やこれに関する報道を受けて,本件センターには市民団体等
からリニューアル後の展示内容に関し,要旨,要望等一覧の受付番号5
4から69まで記載のとおりの意見や要望が寄せられた(乙7)。また,
控訴人の所属する市民団体である「『ピースおおさか』の危機を考える
連絡会」は,大阪府知事及び大阪市長に対し,計画の見直しを求める6
662筆の署名を提出した(乙8の11)。
本件センターは,平成26年2月4日に展示リニューアル実施設計
(中間報告)を発表した。同設計においては,「展示に当たっての留意
点」として「政府の統一的な見解を踏まえつつ,事実を客観的に展示す
ることを基本とし…」などと記載されたほか,照明・音響等を利用して
当時の防空壕を再現することなどが示されたところ,各種マスメディア
においては,博物館の方針が時の政権に左右される懸念がある,防空壕
に上記留意点を評価する趣旨の報道も行われた。(以上につき,前記前
上記発表及び報道を受けて,本件センターには,市民団体等からリニ
ューアル後の展示内容に関し,要旨,要望等一覧の受付番号70から7
4まで記載のとおりの意見や要望が寄せられた(乙7)。
本件センターは,平成26年4月10日に展示リニューアル実施設計
を発表した。上記発表後も,各種マスメディアにおいては,南京事件に
関する展示を撤去する方針を撤回する旨の方針が示された旨の報道がさ
れるなど,ピースおおさかの展示内容に関する報道が継続的に行われた。
上記発表及び報道を受けて,本件センターには,市民団体等からリニ
ューアル後の展示内容に関し,要旨,要望等一覧の受付番号75から9
3まで記載のとおりの意見や要望が寄せられた(乙7)。
ピースおおさかは,平成27年4月30日にリニューアルオープンし
た。その後も,別紙2「ピースおおさかリニューアルオープン以降の要
望等一覧(財団)」記載のとおり,本件センターには市民団体等から展
示内容に関する批判や変更を求める要請が寄せられた(甲11,乙10,
11,19〜31)。
検討
ア本件非公開条項(本件条例8条1項1号)は,非公開情報として,法人
等に関する情報であって,公にすることにより,当該法人等の競争上の地
位その他正当な利益を害すると認められるもの(法人等情報)を掲げてい
る(なお,被控訴人は,当初,本件文書に記録されている情報の非公開事
由として本件条例8条1項3号及び同4号を挙げていたが,原審において
いずれも撤回し,非公開事由としては本件非公開条項のみを挙げてい
る。)。
被控訴人は,本件文書に記録されている情報は本件非公開条項所定の非
公開情報に該当すると主張するところ,本件文書は,本件センターの行う
本件事業(ピースおおさか展示リニューアル事業)に関して監修委員会に
ア),本件情報が同条項にいう「法人等に関する情報」に当たることは明
らかである。
そこで,以下,本件文書に記録された情報が「公にすることにより,当
該法人(本件センター)の競争上の地位その他正当な利益を害すると認め
られる」ものであるか否かについて検討する。
イまず,本件文書に記録された情報は,公にすることにより,本件センタ
ーの競争上の地位を害するものではないことが明らかであるから,同情報
が非公開情報に当たるためには,同情報を公にすることにより,本件セン
ターの「その他正当な利益」を害すると認められることを要する。ここで
いう「正当な利益」というためには,例示されている「当該法人等の競争
上の地位」に準ずる当該法人等の経済的な利益に限定されるわけではない
としても,これが公にされることにより当該法人の何らかの利益が害され
る可能性があるというだけでは足りず,その利益が法による保護に値する
と合理的に認められる正当なものであり,かつ,公にされることにより,
そのような正当な利益を害される蓋然性のあることが具体的に立証される
ことを要すると解すべきである。
そして,本件条例3条が,実施機関において,文書の公開を求める権利
が十分に保障されるように,被控訴人の条例を解釈し,運用することを求
めていることを踏まえれば,当該非公開情報が公開されることにより,か
かる正当な利益を害すると認められるかどうかは,非公開とされた情報の
性質,当該法人等の公共性その他の性格を十分勘案し,上記公開によって
本件センターが受ける正当な利益の侵害が,公開による公益的な利益を上
回るものであることが立証されているか慎重に判断すべきであり,この点
(本件文書に記録された情報が本件非公開条項に当たること)については,
被控訴人が主張立証責任を負うことが明らかである。
ウ被控訴人が本件非公開条項に当たる根拠として主張しているのは,主と
して,次の点である。
)楫鑛現颪忙疚召記載されている監修委員会の委員が批判を受けるこ
とをおそれて,理事会や監修委員会における発言を差し控えることや,
展示リニューアルの内容を実質的に決定する監修委員会の委員に対し,
本件文書に自己の要望が採用されなかった市民団体等がその採用を直接
又は間接に働きかけるなどすることが考えられた。
∨楫鐇禅瓩なされた平成27年1月27日頃には監修委員会からピー
スおおさかのリニューアル後の展示内容,展示位置,展示物等など細部
にわたって見直しをするよう要求され,本件センターの4名の職員で細
部にわたり誤りのないよう検討を重ねるとともに,繰り返しチェックを
する作業やリニューアルオープンの宣伝活動に忙殺されて,平成26年
9月から平成27年3月までの間に1198時間もの残業をする程であ
ったのに,これに加えて,展示内容に関する市民団体等からの要望や批
判,マスメディアの報道や取材への対応に追われれば,上記職員らの疲
労が限界を超え,上記業務に支障が生じて平成27年4月中のリニュー
アルオープンが不可能となるおそれがあった。
エ確かに,前記のとおり,本件文書は,平成27年1月下旬にとりまとめ
られたものであって(上記認定事実ア),ピースおおさかのリニューアル
ウ),かつ,本件文書の内容が詳細にわたっていたこと(上記認定事実
ア)に照らせば,本件文書が公開されることにより,リニューアル後の展
示内容の詳細が明らかになるものであったこと,そして,ピースおおさか
の展示内容については,加害展示の撤去の当否などについて,市民団体や
本設計,展示リニューアル実施設計を発表するたびに展示内容に関する意
見や批判,質問に対する回答要求が多数寄せられていて,その内容はリニ
ューアル後の展示内容の詳細が明らかになるにつれて具体性を増していた
このような本件事業をめぐる状況に照らせば,本件センターにおいて公
開する予定がなかったリニューアル後の展示内容の詳細を明らかにする本
件文書を公開すれば,展示リニューアルの内容を実質的に決定する監修委
員会の委員に対し,本件文書に自己の要望が採用されなかった市民団体等
がその採用を直接又は間接に働きかけたり,本件センターに市民団体等か
ら更に具体的な展示内容に関する意見,批判,回答要求等が多数寄せられ
る可能性のあることが否定できず(現にリニューアルオープン後には,本
件センターに展示内容の変更を求める多数の意見や要望が寄せられた(上
務に支障が生じる可能性があったことを一概に否定することはできない。
オしかし,本件文書が記録している情報,すなわち本件事業に係るピース
おおさかのリニューアル後の展示内容の詳細をめぐっては,前記認定のと
おり,本件センターが展示リニューアル構想や同基本設計,同実施設計等
を順次発表する都度,展示内容を政府の統一的な見解を踏まえたものにす
るかどうか,また,加害展示を撤去することの当否などについて,市民団
体や各種マスメディアの間で尖鋭な意見対立が生じていたのであり,マス
メディアによる報道に加え,各種市民団体等から極めて多くの意見や要望
が寄せられていた。また,このことをめぐって,大阪府議会等においても
多数回にわたり議論が重ねられ,ここでも尖鋭な意見対立が生じていたこ
とが認められる(乙49)。以上のとおり,本件事業に係るリニューアル
後の展示内容に関しては,先の大戦に対する歴史認識にも深く関わり,各
人によって議論が分かれ得る事項であり,その意味で社会的関心が高く公
益性の高い事項をその内容としている。したがって,本件文書に記録され
た情報は,それ自体として,広く一般に公開した上で,これを国民的議論
の対象とすることが望ましいものであったということができる。
本件センターは,戦争と平和に関する情報及び資料の収集,保存,展示
を行うこと等により,戦争の悲惨さを次世代に伝え、平和の尊さを訴え,
世界平和に貢献すること等を目的として,被控訴人と大阪市の共同出捐に
大阪市から補助金の支給を受け,かつては被控訴人及び大阪市から5名ず
つ現職職員が派遣されたことがあるなど,被控訴人及び大阪市とそれなり
に密接な関係があったのであり,上記設立目的に照らしても,高い公共的
性格を有しており,その点で一般的な外部の法人と同視することはできな
いというべきである。
このように,本件文書に記録された情報は,被控訴人と大阪市の共同出
捐により設立された公益財団法人で高い公共的性格を有する本件センター
が,その設立目的を達成するための本件事業を行うに当たって作成したも
のであり,その内容も,先の大戦に対する歴史認識にも関わり,多くの国
民が高い社会的関心を持つもので,それ自体高い公益性を有するものであ
る。
カこれに対し,本件文書に記録された情報を公開することによる本件セン
ターの正当な利益の侵害の有無,程度について検討する。
被控訴人は,本件文書に氏名が記載されている監修委員会の委員が批
判を受けることをおそれて,理事会や監修委員会における発言を差し控
えることや,展示リニューアルの内容を実質的に決定する監修委員会の
委員に対し,本件文書に自己の要望が採用されなかった市民団体等がそ
の採用を直接又は間接に働きかけるなどすることが考えられたと主張す
る(前記ウ,亮臘ァなお,この主張は,本件条例8条1項3号の非公
開事由を主張するものではなく,本件非公開条項にいうところの,公に
することにより当該法人等の正当な利益を害すると認められる事情の一
つとして主張するものと位置づけられる。)。しかし,そのような懸念
は,本件文書のうち監修委員会の委員の氏名を非公開にすることによっ
て容易に解消することができ,本件文書全体を非公開にすることを直ち
に正当化することはできない。また,それまでの報道によって既に本件
事業の方向性に対する批判や要望が多くの市民団体等から寄せられてい
たと認められる(乙7)ところ,被控訴人は,それに加えて本件文書が
公開されることにより,従前の状況に比べて,監修委員会の委員がどの
ような発言を差し控え,また,どのような働きかけを受けるのか,これ
によって具体的に本件センターのどのような正当な利益をどのように害
されると認められるかについて具体的な主張立証をしていない。現に,
本件請求後の平成27年2月28日に開催された監修委員会の会議の内
容(乙41)において,本件文書が公開されることによって阻害された
であろう発言や意思決定を見出すことができない。
次に,被控訴人は,本件請求がなされた平成27年1月27日頃には
監修委員会からピースおおさかのリニューアル後の展示内容,展示位置,
展示物等など細部にわたって見直しをするよう要求され,本件センター
の4名の職員で細部にわたり誤りのないよう検討を重ねるとともに繰り
返しチェックをする作業やリニューアルオープンの宣伝活動に忙殺され
て平成26年9月から平成27年3月までの間に1198時間もの残業
をする程であったのに,これに加えて,展示内容に関する市民団体等か
らの要望や批判,マスメディアの報道や取材への対応に追われれば,上
記職員らの疲労が限界を超え,上記業務に支障が生じて平成27年4月
中のリニューアルオープンが不可能となるおそれがあったと主張し(前
記ウ△亮臘ァ法い海譴鳳茲証拠として,本件センター事務局長の陳述
書(乙47)及び元ピースおおさか館長の陳述書(乙48)を提出する。
しかし,これらの証拠(陳述書)は,本件センター関係者の供述書面
にすぎず,本件センター職員の勤務状況を具体的に裏付ける客観的な証
拠(勤務時間管理簿等でこれを立証をすることは極めて容易である。)
が伴っていない。また,証拠(乙36〜38)によると,本件センター
職員は,「ピースおおさかのリニューアルに府民・市民の声を!実行委
員会」と称する団体と,平成27年7月19日から同年12月20日ま
での間に3回,合計6時間15分にわたって応接した事実が認められる
が,ピースおおさかのリニューアルオープン後にこの程度の頻度,時間
の応接がされたことから直ちに,リニューアルオープン前に本件文書が
公開されたときに,これを上回るような許容限度を超える市民団体等か
らの要望や批判が寄せられ,本件事業に著しい支障を生ずるほどに本件
センター職員がその対応に追われたと直ちに推認することはできないし,
仮に市民団体等からのリニューアルオープン後を上回る要望や批判が寄
せられたとしても,本件センターにおいてこれに一々応接すべき義務が
あったとはいえないから,これによって,リニューアルオープンが不可
能になるほど本件事業に対し著しい支障を生じたとは直ちにいうことは
できない(本件センターの本来の業務の支障にならないように,また,
同センターの職員が時間外労働を強いられないように,上記要望や批判
を聴取する時間帯をあらかじめ決めておき,その時間内に限り応接する
ということが,通常の業務遂行の在り方として不当とはいえないし,通
常はそのような態様で業務遂行がされていると推認される。)。
この点について,上記元ピースおおさか館長は,陳述書(乙48)に
おいて,各種団体とは「運営協力懇談会」が設置されていた当時からの
関係を引きずっていたことと,各種団体との交渉に真摯に応じなければ,
被控訴人及び大阪市から補助金の交付が打ち切られるから,応接に応じ
ざるを得なかったと思うと述べるが,「運営協力懇談会」が設置されて
いた当時からの関係を引きずっていたからどうして交渉に応じなければ
ならないのかその趣旨が不明であるし,被控訴人自身,大阪府補助金交
付規則(乙53)及び大阪市補助金等交付規則(乙54)を提出しなが
ら,同各規則上,本件センターが各種団体との交渉に応じなければ,な
にゆえ補助金の交付が打ち切られることになるのか,という点について
何ら具体的な主張をしないのである。これらのことに照らすと,元ピー
スおおさか館長の上記供述によって,そのような本件センターの応接義
務を認めることはできない。そして,市民団体等による要望等を聴取す
るための応接が常態だったというのであれば,1198時間もの残業を
したという平成26年9月から平成27年3月までの間,本件センター
職員の勤務時間のうち,本来必要としない事務のための勤務時間(義務
のない応接時間など)が相当程度含まれていた可能性も否定できないか
ら,本件文書の公開により,平成27年4月中のリニューアルオープン
が不可能となるおそれがあるほど業務に支障が出たと認めることはでき
ず,他にこの事実を認めるに足りる証拠はない。
キ被控訴人は,展示内容の選択や展示前に展示内容をどの程度明らかにす
るかについて,本件センターに裁量権があり,そのこと自体が,本件セン
ターの正当な利益に該当すると主張する。しかし,本件センターに上記の
ような裁量権を肯定する余地があるとしても,それが本件センターの正当
な利益として保護されるためには,本件文書を公開しないことが本件セン
ターの正当な裁量権の行使として是認されることを要すると解すべきであ
る。しかるところ,本件文書に記録された情報の性質や本件センターの高
い公共的性格など前記説示に係る諸事情に鑑みると,これを公開すること
により害されると被控訴人が主張立証する本件センターの利益の性質及び
その内容,程度等を考慮しても,本件文書を公開しないことが本件センタ
ーの正当な裁量権の行使として是認されるものとは解されない。
ク以上のとおり,本件文書の公開により,本件センターに市民団体等から
更に具体的な展示内容に関する意見,批判,回答要求等が多数寄せられる
ことが予想され,本件センターの職員4名で行っていたリニューアルオー
プンに向けた準備等の業務に支障が生じる可能性があったことを一概に否
定することができないとしても,そのことによって,本件文書に記録され
た情報を公開しないことによる本件センターの正当な利益が,これを公開
することによる利益を上回るとは到底認められず,本件文書について本件
非公開条項にいう非公開事由の存在が立証されたとはいえない(当裁判所
は,当審第1回口頭弁論期日において,あえて被控訴人に対し,本件文書
に記録されている情報が本件非公開条項に該当することを具体的に主張立
証するよう促し,期日を続行した上で,その旨の主張立証の機会を与えた
が,結局,上記程度の客観的裏付けを欠く抽象的な主張立証にとどまっ
た。)。
以上によれば,本件文書を公開することにより,本件センターの正当な
利益を害すると認められるとして,法人等情報に該当することを理由に本
件非公開決定をしたことに相応の合理的な根拠が認められず,本件非公開
決定は,大阪府知事が職務上通常尽くすべき注意義務を尽くすことなく漫
然と本件非公開決定をした点で,国家賠償法上も違法である。
なお,控訴人を原告,本件センターを被告とする損害賠償請求事件につ
いて,大阪地方裁判所は,本件文書が本件センターの情報公開規程上の非
公開情報に当たるとして,本件センターが本件文書を公開しない旨の決定
をしたことをもって不法行為を構成するような違法性があるとは認めず,
控訴人の不法行為に基づく損害賠償請求を棄却したことが認められる(乙
52)ところ,被控訴人は,上記判決を根拠に,本件非公開決定に「相応
の合理的根拠」があったというべきである旨主張する。しかし,本件は,
上記判決の事案とは対象となる非公開決定も非公開事由も異なる。本件に
おいて,処分当時の社会通念に照らしても大阪府知事が職務上通常尽くす
べき注意義務を尽くすことなく漫然と本件非公開決定をしたといえること
は前記説示のとおりであり,上記判決において,本件文書が本件センター
の情報公開規程にいう非公開事由に当たると認定判断したことが,当裁判
所の上記の判断を妨げるものではない。
2争点2(本件取消決定の違法性)について
本件取消決定は,ピースおおさかのリニューアルオープンに伴い,本件非
リニューアルオープン前に本件文書が公開されることにより本件センターの
正当な利益を害すると認められることを理由としてされたものであるところ,
本件非公開決定の当否はともかく,リニューアルオープン後において本件非
公開決定を維持しておく理由のないことは明らかであり,大阪府知事におい
て,本件取消決定をしたことが職務上通常尽くすべき注意義務を尽くすこと
なく漫然とされたものということはできず,国家賠償法上違法であるという
ことはできない。
控訴人は,)楫鑒鷂開決定が取り消されたことにより,本件非公開決定
の取消しを求める訴えの利益がなくなり,行政事件訴訟法により保障された
裁判を受けることができなくなったから,本件取消決定は裁判を受ける権利
を侵害する,∨楫鐚莨歎萃蠅亘楫鑒鷂開決定という違法行為を追認し矮小
化するものであるなどと主張する。
しかし,)楫鐚莨歎萃蠅蓮す埓事件訴訟法上の取消しの訴えにおいてそ
の請求が認容されるのと同一の法的効果を生じさせるものであって,控訴人
が訴訟によって求める本件非公開決定の取消しを実現するものということが
できるから,本件取消決定が控訴人の裁判を受ける権利を侵害するものとは
いえない。また,大阪府知事が,不服申立てを待つことなく,自発的に本
件非公開決定を取り消したことは,大阪府知事の主観的意図はともかく,控
訴人からみればこれによって違法状態が解消されることになるのであって,
控訴人に法律上の不利益を与えるものといえないことは明らかである。以上
の点に係る控訴人の主張には理由がない。
3争点3(本件異議申立てにおける手続的違法)について
控訴人が,平成27年3月5日,本件非公開決定を不服として大阪府知事
に対し本件異議申立てをした後,大阪府知事は,審査会に対する諮問を行わ
本件条例20条は,不服申立てを受けた実施機関は「遅滞なく」審査会
会への諮問を行っていないから,「遅滞なく」諮問を行ったということは
できない。
イもっとも,本件条例20条は,審査会への諮問を要しない場合として,
決定又は裁決で,不服申立てに係る公開決定等を取り消し又は変更し,当
該不服申立てに係る行政文書の全部を公開することとするときを挙げてい
る。本件非公開決定は,ピースおおさかのリニューアルオープン前に本件
文書を公開することが本件センターの正当な利益を害するとしてされたも
のであって,その当否にかかわらず,ピースおおさかのリニューアルオー
プン後には,本件文書を非公開とする必要はなく,これを公開する予定で
あったことは,被控訴人自身が主張しているところである。ただし,実際
に本件部分開示決定がされたのは,本件異議申立てがされた平成27年3
月5日から3か月以上経過した同年6月10日付けであり,ピースおおさ
かのリニューアルオープンした同年4月30日からも1か月以上経過した
後であり,その間大阪府知事から審査会に対し諮問がされなかった。本件
異議申立てにおける上記審理の経過に照らせば,大阪府知事が本件異議申
立て後,遅滞なく審査会に諮問しなかったことの正当性には疑問が残ると
いわざるを得ない。
しかし,審査会において答申を行うためには,本件センターの職員に対
する聴き取り等を要し,さらに大阪府知事が異議申立てに対する決定を行
うまでには審査会による答申を踏まえた調査検討を要するのであって(弁
論の全趣旨),本件異議申立てがされた平成27年3月5日時点では,既
に同年4月中にはピースおおさかのリニューアルオープンが予定されてい
遅滞なく諮問をしたとしても,ピースおおさかのリニューアルオープン前
に本件異議申立てに対する決定を行うことは相当に困難な状況であったと
いうことができる(乙44)。また,いずれにしても本件非公開決定を取
り消すことが予定されていた以上,審査会に対する諮問をするという手続
をとることは無意味であったともいえる。
以上によれば,本件異議申立て後,遅滞なく審査会に諮問しなかった大阪
府知事の措置には疑問を差し挟む余地もあるが,同措置をもって国家賠償法
上違法なものであるとまでいうことはできない。
4争点4(損害の有無及び損害額)について
控訴人は,本件非公開決定により,本来公開されるべきであった本件文書の
公開を違法に拒絶されたため,ピースおおさかのリニューアルオープン前に
本来見ることができた本件文書を見ることができず,よって展示内容に対す
る意見を述べることができなかったのであるから,これにより控訴人は精神
的苦痛を被ったと認められる(甲25,弁論の全趣旨)。もっとも,控訴人
は,後日,本件部分公開決定がされたことにより,結局,本件文書の内容を
知ることができたこと,仮に控訴人がリニューアルオープン前に本件文書の
開示を受けて展示に関する意見を述べたとしても,展示内容の詳細は,最終
決定の最終段階に至った後であり,本件センターとしては,控訴人の意見を
考慮する余地があったとはいえず,また,その繁忙状況からして控訴人から
の意見等について何らかの対応を採ることは困難であったと考えられること
などの事情も認められる。したがって,これら本件に顕れた一切の事情を考
慮すると,本件非公開決定により控訴人の被った精神的苦痛を慰謝するため
の慰謝料は5万円が相当である。
第4結論
以上のとおりであるから,控訴人の請求は,被控訴人に対し,慰謝料として
5万円の支払を求める限度で理由がありこれを認容すべきであり,その余は
理由がなくこれを棄却すべきである。よって,控訴人の請求を全て棄却すべ
きものとした原判決は一部相当でないから,上記の限度で原判決を変更する
こととして,主文のとおり判決する。
大阪高等裁判所第14民事部
裁判長裁判官 田中俊次
裁判官 井上一成
裁判官 住山真一郎
(別紙省略)

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