報道等をもとに日本の裁判官の情報を収集、掲載しています。

「悪魔払い」で女児暴行死、被告に懲役9年判決

 前橋市で2011年5月、当時1歳4か月の女児に「悪魔払い」などと称した暴行を加えて死亡させたとして、傷害致死罪に問われた同市駒形町、無職北爪順子被告(65)の裁判員裁判で、前橋地裁は9日、懲役9年(求刑・懲役12年)の判決を言い渡した。
 鈴木秀行裁判長は「おはらい行為として日常的に暴行が加えられた。育児ストレスなどによる虐待よりも悪質」と述べた。弁護側は判決を不服として即日控訴した。
 判決によると、北爪被告は11年5月2日、自宅アパートで、同市内の城田麻雛弥ますみちゃんを両脇から抱えて頭上に振り上げ、床に投げつける暴行を加え、同6日、急性硬膜下血腫などで死亡させた。
 公判で北爪被告は、「現場にいなかった」などとして無罪を主張したが、鈴木裁判長は、麻雛弥ちゃんの母親の目撃証言などから、北爪被告の暴行を認定した。
 北爪被告は自らに霊的な力があるとして、「順聖せいしょう」と名乗って信者を集めていた。麻雛弥ちゃんの両親も北爪被告のもとに通い、「この子の中に魔物がいる」と言われ、信じ込んでいた。
(2018年03月09日 13時37分 読売新聞)

お払いで女児暴行死 懲役9年 前橋地裁判決 被告の関与認める

 前橋市駒形町のアパートで2011年5月、当時1歳の女児が「お払い」と称した暴行を受けて死亡したとされる事件で、傷害致死の罪に問われた同所、無職、北爪順子被告(65)の裁判員裁判の判決公判が9日、前橋地裁であった。鈴木秀行裁判長は北爪被告の事件への関与を認めた上で、「お払いと称した暴行を続け、エスカレートさせた末の犯行。強い非難に値する」として懲役9年(求刑懲役12年)を言い渡した。弁護側は即日控訴した。
 鈴木裁判長は判決理由で、実母の証言は臨場的で迫真性に富んでいるとして「供述は信用性が高い」と認定。一方、北爪被告については「犯行動機がないとは言えず、幼児を抱きかかえることも難しくなかった」と述べた。その上で、お払いと称して暴行を繰り返し、「実母にも暴行するよう指示していた」と指摘。「被告を信奉していた女児の母親の不安をあおった」とし、「家庭内での児童虐待よりも悪質というべきだ」と非難した。
 閉廷後、弁護側は「実母の供述の信用性には疑問が残る」などとして、即日控訴を決めた。
(2018/03/10 上毛新聞)

【悪魔払い女児死亡】 母親の証言に信用性 無罪主張退け懲役9年 前橋地裁 

 前橋市で平成23年5月、当時1歳4カ月の城田麻雛弥(ますみ)ちゃんが「悪魔払い」などと称し暴行を受け、死亡した事件で、前橋地裁の鈴木秀行裁判長は9日、北爪順子被告(65)=同市駒形町=の無罪主張を退け、懲役9年(求刑懲役12年)を言い渡した。鈴木裁判長は、北爪被告の犯行を立証する上で争点とされた麻雛弥ちゃんの母親の証言を信用できると判断。犯行態様についても証言を採用した。(住谷早紀)
 初公判から一貫して白髪を結い、濃紺のセーターと黒いスカート姿で入廷した北爪被告は、周囲に何度か頭を下げた後、鈴木裁判長の言葉に聞き入っていた。
 鈴木裁判長は、母親の「(北爪被告が)麻雛弥ちゃんを両脇から抱え頭上から床に投げつけた」という目撃証言について、「具体的かつ詳細。実際に体験していなければ語れないほど臨場的で、迫真性に富んでいる」とした。
 その上で、母親は事件当日、自らも麻雛弥ちゃんを逆さづりにし、揺らす暴行を加えたと不利な証言もしていることから、「真摯(しんし)かつ誠実」と述べた。
 犯行態様についても、母親の証言に沿った形で、北爪被告が麻雛弥ちゃんを両脇から持ち上げ、床に投げつけたと認定。麻雛弥ちゃんを鑑定した前橋赤十字病院(前橋市)の溝口史剛医師の供述とも合致しているとし、「信用性が高い」と結論づけた。
 母親の証言は不自然で、北爪被告に犯行動機はないとする弁護側の主張は全面的に退けた。
 事件から5年以上が経過した28年10月には、北爪被告の影響力が弱まり、母親は「真実を述べる心境に至った」とし、事件は日常的に繰り返された虐待行為の流れで起きたことから、「北爪被告に動機がないとはいえない」と断じた。1歳4カ月だった麻雛弥ちゃんの未来は犯行により理不尽にも絶たれ、「被害結果は極めて重大」と述べた。
 一方、当時の特異な環境は北爪被告だけで作り上げたものではなく、麻雛弥ちゃんを守るべき母親など複数の大人がいたとして、「北爪被告だけを非難すれば足りるものではない」とも指摘した。
(2018.3.10 07:58 産経ニュース)

【法廷から】「悪魔払い」で1歳女児死亡 犯行から7年、洗脳解かれた母親が明かした真相

 「悪魔払い」と称し、1歳4カ月の女児に暴行を加え死亡させたとして傷害致死罪に問われた前橋市の無職、北爪順子被告(65)に対する前橋地裁の裁判員裁判は9日、女児の母親の証言に基づく検察側主張を認め、鈴木秀行裁判長は懲役9年(求刑12年)を言い渡した。事件発生から7年。長期に及んだのは被告の“信者”だった母親の洗脳が解けるのに5年5カ月を要したからだ。「本当のことを話して」。法廷で訴えた母親に“教祖”は否認を貫き、謝罪の言葉もなかった。
 「魔物が笑っている」
 事件は平成23年5月2日夕、前橋市駒形町のアパート2階の一室で起きた。霊視能力などをうたう北爪被告が、除霊や先祖供養などを行う仕事場だった。
 母親の供述によれば、「この子の中の魔物が笑っている」。北爪被告はそう言うと、当時1歳4カ月の城田麻雛弥(ますみ)ちゃんの両脇を抱えて立ち上がり、頭上まで持ち上げ、床にたたきつけた。
 北爪被告は身長149センチ。頭上からなら1メートル以上はある。鈍い音が響き、母親が慌てて駆け寄り起こすと、麻雛弥ちゃんは数歩歩いたものの、目の焦点が合わなくなり意識を失った。4日後、急性硬膜下血腫や脳浮腫などで死亡した。
 母親が洗脳から脱し、群馬県警に真相を語り出したのは28年10月。この間、母親は被告を守るように虚偽の供述を続け、県警も一度は母親の犯行を疑い、自宅を家宅捜索していた。
 「神の子」のはずが
 母親が被告と知り合ったのは18年ごろ。夫と訪れた同市富士見町の宗教施設で被告は、男性教祖の身辺の世話をしていた。この教祖の死後、後継者となり、「順聖(せいしょう)」を名乗って独立。20年ごろ、犯行現場のアパート2階に「相談所」(北爪被告)を開き、信者を増やしていった。
 公判で北爪被告は自らの霊能力をほとんど語らなかったが、証言した元男性信者は、被告の背後に「観音様が見えた」と説明。母親も悩みを相談中、「背中をたたかれ、身体が軽くなってすっきりした」という。
 22年1月、女児が誕生した。「麻雛弥」の名づけ親は北爪被告だった。母親は被告を「先生」と呼び、連日「相談所」に通うようになり、「被告の支配下に置かれていた」(論告)。
 「この子は神の子だ」。北爪被告は当初、麻雛弥ちゃんをそう呼び、かわいがった。豹変(ひょうへん)したのは1カ月後。「盗賊の家系だから入るな」と被告が禁じた夫の親族の家に、親子3人で立ち寄ったからだという。
 北爪被告は烈火のごとく怒り、「この子は神に背き悪魔の子になった。将来、犯罪者になる」。悪魔を追い出す「おはらい」という名の暴行が始まった。
 「ウソの調書には…」
 おはらいはエスカレートし、麻雛弥ちゃんの体にアザが目立つようになる。麻雛弥ちゃんは22年8月から市内の保育園に預けられていたが、北爪被告はアザが目立つ日は連れて行くなと命じた。亡くなるまでの9カ月間、麻雛弥ちゃんが休んだのは91日。早退は21日、満足に預けられたのは67日だけだった。「お前もやれ」と、北爪被告は母親にも暴行を促した。
 事件当日、母親は麻雛弥ちゃんを連れて朝から「相談所」のあるアパートを訪れ、被告が自宅にしていた1階の部屋でわが子に悪魔払いをした。逆さづりにし、前後に揺さぶる行為を繰り返した。北爪被告に呼ばれ、母娘は2階の「相談所」へ。信者である被告の次女もいた。柏餅を受け取り、無邪気に笑う麻雛弥ちゃんを見つめていた北爪被告が突然言った。「笑っているのはこの子ではない、この子の中の『魔物』が笑っている」。被告は、麻雛弥ちゃんの両脇に腕を差し入れ、犯行に及んだ。
 しかし、母親は被告を守り、被告の次女と口裏合わせもした。被告らと距離を置き始めていたものの、真相を語ることはなかった。
 口裏合わせの内容は、「現場は次女の家」「麻雛弥ちゃんは柏餅をのどに詰まらせて転んだ」「(北爪被告は)現場にいなかった」など。だが、県警の取り調べで、調書にサインするよう促された母親の口から出たのは、「ウソの調書にサインはできない」という本心だった。28年10月8日、母親は全てを話し始め、翌29年2月23日の被告の逮捕へとつながった。
 「私は無実」
 公判で北爪被告は小柄な身体を丸めるように立ち、消え入るような涙声で「関係ありません。私は無実です」と話し、犯行当時は1階にいたと訴えた。口裏合わせをした被告の次女は、県警の取り調べの際の供述から一転、公判では再び被告に同調した。結局、判決は、自らも暴行に加わったとした麻雛弥ちゃんの母親の証言を「真摯(しんし)かつ誠実」とし、全面的に認めた。
 公判で北爪被告自身は「小学生の頃、金縛りにあい、感覚的に行かない方がいいと思ったら(その場所で)事故があった」などと語った。前橋市出身。工場などで働いた後、23歳で結婚し、4児をもうけたが、平成10年頃からスナックの雇われママになり、ほどなく離婚。客との会話などから霊感を自覚したという。
 「本当のことを認め、話してほしい」。幼子を失った母親は、かつての教祖に厳罰は望まず真相を語るよう求めたが、反省の言葉もなく、被告は判決を不服として即日控訴した。(前橋支局 吉原実、住谷早紀)
(2018.3.16 17:00 産経ニュース)

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