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<市川NPO施設女性傷害致死>元管理人に懲役7年 千葉地裁「執拗で悪質性高い」

 千葉県市川市北方町4のNPO法人が運営する福祉宿泊施設「さくらグリーンハウス市川」で昨年8月、入所者の川久保儀子さん=当時(84)=を死亡させたとして、傷害致死と暴行の罪に問われた同施設の住み込み管理人だった無職、生田玲子被告(56)に千葉地裁(楡井英夫裁判長)は20日、「長い時間をかけ多数回にわたり暴行を加え、相当に執拗(しつよう)で悪質性が高い」として、懲役7年(求刑懲役10年)の判決を言い渡した。
 楡井裁判長は判決理由で、遺体の全身に筋肉内出血が認められたことや、他の入所者に指示して川久保さんに水を掛けたり、足を押さえつけさせたりして暴行を続けたことから「攻撃の意思が強かった」と非難した。
 一方で、入所者が施設のルールに違反したのを機に犯行に及んだとし「施設管理を1人で担う厳しい労働環境でストレスをため込み、突発的に過剰な暴行に至ったという面を否定できない」と指摘。興奮して暴行をエスカレートさせたとして「恒常的でなく、(検察側が主張した)常軌を逸して陰湿、残虐な犯行とは言えない。再犯の可能性は低い」と述べた。
 判決によると、昨年8月27日午後6時すぎ、同施設で川久保さんの顔や腹を数回殴る蹴るなどし、布団をかぶせて鼻と口を押さえつけた上で胸を殴り、外傷性ショックか窒息、または両方により死亡させた。
 同4日にも川久保さんに暴行。同6月には女性入所者=当時(65)=の右脇腹を複数回突き飛ばす暴行を加えた。
(9/21(金) 11:46 千葉日報)

84歳入所者傷害致死 元施設長に懲役7年、地裁判決

 市川市の女性専用宿泊施設で昨年八月、入所者の川久保儀子(のりこ)さん=当時(84)=に暴行を加えて死なせたとして、傷害致死と暴行罪に問われた元施設長、生田玲子被告(56)の裁判員裁判で、千葉地裁は二十日、懲役七年(求刑懲役十年)の実刑判決を言い渡した。
 判決で楡井英夫裁判長は「長時間かけて、多数回にわたって加えた暴行は執拗(しつよう)で危険性が高く、攻撃の意思が強かった」と指摘。一方で、動機や経緯については「十数名の入所者の生活指導や施設管理をほぼ一人で担う労働環境でストレスをため込み、突発的に過剰な暴行に至った面も否定できない」と述べた。
 判決によると、昨年八月四日、市川市北方町の「グリーンハウス市川」で、川久保さんに殴る蹴るの暴行を加え、同月二十七日に再び暴行し、死亡させた。同年六月十六日にも別の入所者の女性=当時(65)=を突き飛ばす暴行を加えた。
(2018年9月21日 東京新聞)

「煮えきれないもの爆発」 入所者を恐怖で支配 暴行、引き金はストレス 市川福祉施設女性傷害致死 【法廷から 記者が見た人生模様】

 「安住の場所」となるはずの施設で事件は起きた。市川市北方町4の福祉宿泊施設「さくらグリーンハウス市川」で昨年8月、入所者の女性=当時(84)=が殴られ死亡した事件。傷害致死などの罪に問われた元施設管理人で無職、生田玲子被告(56)に千葉地裁(楡井英夫裁判長)は9月20日、懲役7年の判決を言い渡した。証人として出廷した入所者は「怖かった」と、被告を逆らえない存在だったと証言。「寮長」と呼ばれた被告が“支配”した施設は、悲惨な暴行を目の前に入所者が声を上げられない状況となっていた。(社会部・町香菜美)
 「間違いありません」。裁判長から起訴内容を問われた被告は、背筋を伸ばしはっきりした声で答えた。しわ一つない白色のワイシャツに、長い髪をきっちりと後ろに束ねた髪型。「白黒はっきり付けないと気が済まない」と法廷で自身の性格を語った姿と重なるようだった。
 ◆執拗な暴行
 暴行現場の同施設は、生活に困窮した女性向け宿泊所。検察側の冒頭陳述などによると、当時18人が入所していた。もともと入所者だった被告は前の施設長の推薦を受け、2016年7月から住み込みの管理人として働き始めた。
 「寮長」と呼ばれた管理人の仕事は施設の管理や食事の準備−だけではなかった。「毎日何らかのトラブルがあった」。施設内で起きたもめ事の仲裁、入所者が外部で起こしたトラブルの対応に追われた。
 「煮えきれないものが爆発した」。昨年8月27日夕、指示をした掃除に参加せず、禁止されていたサンダルを履いてきた女性を暴行し、死亡させた心の内を淡々と振り返った。
 「今までこんなにストレスを抱えることはなかった」「頭がパニックになった」と時折涙声になりながら語った被告。一方で、他の入所者に指示して女性に水を掛けたり、足を押さえつけさせたりするなど、エスカレートしていった凄惨(せいさん)な暴行も明らかになったが、被告は「(指示は)していません」とぴしゃりと否定。最後まで認めなかった。
 被告にとっては夫の会社の倒産をきっかけに離婚し「全てを捨てた」だけに、簡単にやめられない仕事だった。休日には電話1本で施設に駆け付けた。「本人は一生の仕事にすると言っていた。もっと話を聞いてあげれば…」。母親の後悔の言葉に、被告は下唇をかみ鼻を赤くして目を拭った。
 ◆「怖かった」
 出廷した入所者は、別室で話すビデオリンク方式や弁護側との間に遮蔽(しゃへい)を施すなどして、被告との“対面”を避けて証言。警察への通報をためらった理由を「怒られたり、生活保護を廃止されたりするのが怖くてできなかった」。声を振り絞った入所者から、寮長に逆らえない状況が浮かび上がった。
 判決で楡井裁判長は、暴行の執拗(しつよう)さや悪質性を非難したが、「なお」とひと呼吸置いた後に続けた言葉では、施設管理を1人で担っていた労働環境に触れる場面も。「ストレスをため込み、突発的に過剰な暴行に至ったという面を否定できない」とした。
 被告の立場や心情に一定の理解を示す部分が目立った判決だった。裁判長は判決言い渡し後、「当時あなたが置かれた立場は厳しいもの。だからと言って、したことは許されるものではない」と説諭。「今後は被害者や遺族に対し謝罪の気持ちを持ち続けるように」と続けた。「元寮長」は前を見据えたまま立ち尽くした。
(2018/10/07 05:00 千葉日報)

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