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令状GPS捜査「違法性なし」 窃盗事件で千葉地裁

 千葉県警が2016年に全国で初めて裁判所の令状を取り、捜査対象者の車に全地球測位システム(GPS)端末を取り付けた捜査手法の適否が争われた自動車盗事件の判決で、千葉地裁(野原俊郎裁判長)は30日、今回の事件でのGPS捜査に重大な違法性はなかったとの判断を示した。
 そのうえで、窃盗罪などに問われた男に懲役10年、罰金30万円(求刑懲役12年、罰金50万円)を言い渡した。
 昨年3月の最高裁大法廷判決は令状なしでのGPS捜査を違法と初判断し、令状を得た場合の捜査についても「疑義がある」と言及して立法措置を求めていた。警察庁は既に、令状の有無にかかわらずGPS捜査を控えるよう通達している。
 野原裁判長は判決理由で「今回のGPS捜査には違法性の疑いがあったが、令状取得や実施は最高裁判決前で、警察官は令状の有効性を信頼していた」と指摘。犯行態様を踏まえると継続的な捜査が必要としたうえで「捜査は令状の条件に従って行われ、比較的短期間だった」と結論付けた。
 弁護側はGPS端末を長期間、高い頻度で使い「無制限にプライバシーを侵害した」と主張。裁判所が令状を発付し、県警が取得、執行したいずれの過程にも重大な違法性があるとして関連証拠の排除を求めていた。
 男は住所不定、無職の山本功一被告(44)。判決によると、複数人と共謀し、16年9〜11月、埼玉、千葉両県で車両計4台を盗んだ。
 公判では当初、GPS捜査の情報は証拠として扱われていなかったが、被告が「捜査で使われた」と供述し、地裁が昨年12月の判決言い渡しを延期。検察側に関連資料の提出を求めた。〔共同〕
(2018/8/30 11:15 (2018/8/30 12:27更新) 日経新聞)

千葉地裁 令状GPS捜査、違法性なし 自動車窃盗は有罪

 千葉県警が2016年、全国で初めて裁判所から令状を取得し、全地球測位システム(GPS)端末を捜査対象者の車に取り付け捜査した連続自動車窃盗事件を巡り、窃盗罪などに問われた住所不定、無職、山本功一被告(44)に千葉地裁(野原俊郎裁判長)は30日、懲役10年、罰金30万円(求刑・懲役12年、罰金50万円)を言い渡した。弁護側は捜査は違法として無罪を求めたが、地裁は「重大な違法性はない」と判断した。
 判決では、令状ありのGPS捜査について「適法性について疑義がある」とした上で、今回の捜査に関しては「事前に(裁判所の)審査を受けて令状の発付を受けるなどしており、令状主義を潜脱(せんだつ)する意図はなかった」と指摘した。
 検察側は当初、GPS捜査の情報を証拠として提出しなかったが、被告が法廷で「GPS捜査があった」と発言。地裁が検察側に提出を求め、改めて審理が行われた。
 検察側は論告で「重大な違法はない」と主張。弁護側は最終弁論で「GPS捜査の期間は2カ月以上にわたり、被告のプライバシーは強く侵害された」などと反論していた。
 判決によると、山本被告は16年9〜11月、千葉、埼玉両県で車両4台を盗むなどした。
 最高裁は昨年3月、令状のないGPS捜査を違法とする初判断を示した。令状ありのGPS捜査についても「疑義がある」とし、裁判官3人の補足意見では「全く否定されるべきではないが、限られた特別の事情の下で極めて慎重な判断が求められる」としていた。【斎藤文太郎】
(2018年8月30日 11時37分(最終更新 8月30日 12時39分) 毎日新聞)

令状GPS「違法性なし」 全国初判断 自動車盗で実刑 千葉地裁

 千葉県警が全国で初めて裁判所の令状を取り、捜査対象者の車に衛星利用測位システム(GPS)端末を取り付けた捜査手法の適否を巡る自動車盗事件の判決で、窃盗罪などに問われた住所不定、無職、山本功一被告(44)に千葉地裁(野原俊郎裁判長)は30日、「重大な違法性があるとは言えない」として今回の捜査手法を認め、懲役10年、罰金30万円(求刑懲役12年、罰金50万円)を言い渡した。弁護側は「GPS捜査で得られた証拠は違法だ」として無罪を主張していた。
 弁護側によると、令状を取ったGPS捜査の適法性を巡る初の判決。最高裁は昨年3月、令状なしのGPS捜査は違法と初判断しており、令状取得の捜査も「疑義がある」として立法措置を求めていた。
 野原裁判長は判決理由で令状を取ったGPS捜査について「GPS捜査を想定した令状はなく、必要性を考慮したとしても違法の疑いがある」と指摘しながらも、今回の捜査は「最高裁判決前に実施され、警察官は令状の有効性を信頼していた。令状に従って捜査し令状主義を潜脱(せんだつ)する意図はなかった」と、捜査が適正に行われたと判断した。
 山本被告の弁護士は判決後、控訴を検討するとし、「(GPS捜査は)運用をコントロールできる措置が必要だ」とコメントした。公判では、令状を取得した過程にも重大な違法性があるとして、関連証拠の排除を求めていた。
 判決によると、仲間と共謀し2016年9〜11月、県内や埼玉県で車両計4台を盗むなどした。捜査員は令状を取り、被告らの車両にGPS端末を取り付けた。
 当初、公判でGPSの情報は証拠として扱われていなかったが、山本被告が「捜査で使われた」と述べたため、地裁が昨年12月の判決言い渡しを延期。検察側にGPS捜査の資料提出を求めた。
 ◆ GPS捜査 衛星利用測位システム(GPS)端末を捜査対象者の車などに取り付け、追跡する捜査。警察庁は2006年、連続窃盗や誘拐事件を対象に、追跡が困難な場合などに実施できると通達し、令状の必要がない任意捜査と位置付けていた。だが、最高裁は17年3月、プライバシーを侵害し、令状が必要な強制捜査に当たると初判断し、現行法上では令状の発付にも「疑義がある」と言及。警察庁はGPS捜査を控えるよう通達した。千葉県警は16年、端末使用を事後的に本人へ提示するなどの条件で令状を請求していた。
 ◆「令状あれば」は危険
 GPS捜査を巡る最高裁判決で弁護団に加わった舘康祐弁護士の話 判決はGPS捜査に違法の疑いがあるとしただけで、違法性の詳細な判断を避けた。犯罪の重大性や高度な必要性が求められるとした最高裁判決の補足意見の指摘を踏まえ、今回の事案に即して具体的な判断をすべきだった。GPSに限らず、新技術に基づくさまざまな捜査手法がある中、捜査当局による「とりあえず令状を取ればいい」との判断につながりかねない危険な判決だ。強制捜査の在り方は法律で定めるという原則に立ち返るべきだ。
(2018年8月31日 05:00 千葉日報)

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