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<長生ひき逃げ事件>村職員に無罪判決 「人の認識ない」と千葉地裁

 千葉県長生村で2014年1月、千葉市消防局職員の男性=当時(29)=が車にひかれて死亡したひき逃げ事件で、道交法違反(ひき逃げ)の罪に問われた同村職員男性(40)の判決公判が15日、千葉地裁で開かれ、楡井英夫裁判長は「人をひいたという認識はなかった」などとして無罪(求刑・懲役2年)を言い渡した。同公判で弁護側は「人をれき過したと認識することは未必的にも不可能」などと無罪を主張していた。
 同公判では、職員が人をひいたとの認識があったかが争点。
 検察側は事故現場の路面状況や被害者をれき過した状況、衝撃、車両の破損状況のほか、警察官らによる実況見分、裁判所による検証などから「人身事故でないと信じるような特段の事情はない。路上に横たわっていた被害者に衝突する時点で、人かもしれないと認識できたはず」と指摘していたが、楡井裁判長は「深夜人通りのない村道で車道と歩道は明確に区分され、車道に人が侵入する可能性は低い。現場に人が横たわっていると想定することは困難」とし「職員は車に相当強い衝撃を感じていたと推認できるが、ごみや木材、動物と認識し、人をひいたと認識していなかったと考えられる」と退けた。
 事故直後、信号待ちで職員が車を降りて車体の損傷状況を確認したことについては「ごみなどをひいたと思っていた職員が念のため確認しようとしたと考えられる」とし、「衝突の認識まで否認する職員の弁解は信用できないと言えるが、未必的なものであっても、故意とは認められない」と述べた。
 判決後、楡井裁判長は「今回は刑事責任を問えないが、別件では過失により死亡させた罪が確定している。相手の方々には誠意ある対応をしてください」と説諭した。
 閉廷後、弁護側は「判決を厳粛に受け止めたい」と話した。
 千葉地検の互敦史次席検事は「判決内容を精査し、適切に対処したい」とコメントした。
 職員は14年1月15日午前1時10分ごろ、同村宮成の村道で乗用車を運転。路上で横たわっていた男性を車底に巻き込むなどして肺損傷などを負わせる事故を起こしたが、車を停止させて救護措置などを取らず、警察にも報告しなかったなどとして道交法違反の罪に問われていた。
 同事件で職員は昨年10月、自動車運転過失致死罪で同地裁から罰金50万円の有罪判決を受け刑が確定している。
泣き崩れた母親「何で無罪なの…」 長生ひき逃げ事件
 「何で無罪なの…」。長生村職員の無罪判決を受け、これまで公判の傍聴を続けてきた男性の母親は閉廷後、法廷の外で「息子を返して。その場で助けなさいよ。もう生きる力がない」と泣き崩れた。
 職員は昨年10月、自動車運転過失致死の罪で千葉地裁に罰金50万円の有罪判決を受けている。今回の道交法違反事件は、この確定裁判の判決前に起訴され、検察側は併合審理を求めていたが職員側が併合審理を希望せず、別々に審理されていた。禁錮刑以上の有罪判決が確定すれば、地方公務員法に基づき村職員を失職する可能性もあり注目された。
 道交法違反事件の公判での争点は、人をひいたとの認識があったかどうか。弁護側は「被害者はアスファルトと同化する黒色の着衣で、職員はマンホールのふたの影にしか見えなかった」とし、人をひいたとの認識はなく、救護義務も報告義務も生じないとして無罪を主張していた。
 楡井英夫裁判長は「男性をひいた後続車両の運転者5人中、衝突までに人かもしれないと認識したのは2人で視認条件は悪かった」とした上で、職員の認識について「車体の下から相当強い衝撃を体感したことに加え、何も見えなかったという認識を考慮しても、人かもしれないと認識したとは認められない」。事故後、職員が消防・救急に関する情報を調べていたことについても「人をひいた可能性に思いが至り、念のため確認しようとした」とし「いずれも故意を認めるには合理的疑いが残る。犯罪の証明がなく無罪」と述べた。
(9/16(土) 10:37 千葉日報)

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