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知人殺害 歯科医に懲役19年 地裁浜松支部「積極的な殺意」 

 浜松市東区の貸しガレージで2012年に建築会社経営の男性=当時(68)、同市南区=の遺体が見つかった事件で、殺人や死体遺棄などの罪に問われた歯科医師の男(65)=同市東区=の裁判員裁判判決公判で、静岡地裁浜松支部は8日、弁護側の無罪主張を退け、懲役19年(求刑懲役20年)を言い渡した。
 山田直之裁判長は判決理由で、殺害に使った睡眠導入剤「アモバン」や死体を隠した貸しガレージを被告が事前に準備していた点に触れ、「積極的な殺意を持った計画的な犯行」と指摘した。
 動機については、被告が男性から依頼された不動産の強制執行手続きが近々実施されるとのうそを、隠しきれなくなったためと認定。男性に落ち度はなく、「自らのうそで追い込まれ、殺害に及んだ被告は身勝手で同情の余地はない」と述べた。
 被告が「ガレージを一緒に借りていた」と主張する人物「フクイ」については、「被告の供述の他に存在を裏付けるものがない」と認めなかった。男性は別の不動産トラブルに巻き込まれて死亡したとの弁護側の主張も、「抽象的な可能性に過ぎない」と退けた。
 判決によると、被告は12年7月12日ごろ、同市内で男性に対してアモバンを投与した上、クロロホルムを吸引させるか、その他の方法で殺害し、同15日ごろ、同市東区の貸しガレージに男性の遺体を工具箱に入れて遺棄した。
 ■起訴から7年10カ月全国最長
 ■薄れる記憶、裁判員に負担
 殺人や死体遺棄などの罪に問われ、8日に懲役19年の判決が言い渡された静岡地裁浜松支部での裁判員裁判は、起訴から判決まで7年10カ月を費やし、9月末までに判決が出た全国の裁判員裁判の最長期間を上回った。公判では証人の記憶の衰退が見られ、裁判員からは「負担を感じた」などの声も上がった。
 2019年5月に始まった公判は、証人の体調不良で同6月に中断した。新型コロナウイルスの影響も重なりことし9月に再開した。審理は39回におよび、県警捜査員や解剖医ら約40人の証人尋問が行われた。当時の具体的な状況を「覚えていない」と話す証人がいたほか、関係者が既に亡くなって証言が聞けない状況も生まれた。
 判決後に開かれた裁判員の記者会見では、経験を好意的に受け止める声が多かった一方で、「一日も休めずプレッシャーだった」「仕事との両立で、やりにくさと疲れが重なった」との言葉も漏れた。
 公判前に争点や証拠を絞り込む公判前整理手続きは、証拠開示の調整などに時間がかかり全国最長の6年2カ月を費やした。殺害された男性=当時(68)=の妻は判決後、被害者参加人弁護士を通じて「被告人にうそを重ねられ裁判を引き延ばされた」とコメントした。
 県弁護士会刑事弁護センターの佐野雅則委員長は、証人の記憶の劣化を問題視し、「心証を中心に実現する裁判員制度に矛盾している。改善の余地はある」と指摘した。
(2020/12/8 20:23 静岡新聞)

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