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上関原発訴訟 原告勝訴、山口県に人件費など返還請求命令

 埋め立て免許延長申請の判断留保で生じた人件費巡り山口地裁
 中国電力(広島市)が山口県上関町で進める上関原発の建設計画を巡り、予定地の海面埋め立て免許の延長申請の可否について判断を違法に先送りしたとして、計画反対派の住民が県を相手取って判断留保で生じた経費20万円の返還を村岡嗣政(つぐまさ)知事らに請求するよう求めた訴訟で、山口地裁(福井美枝裁判長)は11日、判断留保について「裁量権の逸脱で違法」と認めたうえで県側に240円の返還請求を命じた。
 福井裁判長は、延長後の埋め立て工事完了期限まで1年半を切っていた2013年3月以降は工事の完成が困難だったと指摘。これ以降の判断留保を違法とし、県側が中国電への補足説明を求める文書を発送した郵便費計240円を違法な支出と認定した。県側は請求却下を求めていた。
 判決などによると、中国電力は12年10月に免許の延長を申請したが、故山本繁太郎知事(当時)は県の標準処理期間が満了した13年2月26日を過ぎても判断を留保。後任の村岡知事も判断を先送りし事務経費の支出を続けた。
 村岡知事は16年8月に延長を許可しているが、判決後に記者会見した原告側弁護団は「延長する正当な理由がないと裁判所が事実上認めた。免許自体が失効したと言っていいのではないか」と語った。【坂野日向子】
(2018年7月11日 12時09分(最終更新 7月11日 13時29分) 毎日新聞)

上関原発建設計画 埋め立て免許延長、可否先送り「違法」 「画期的判決」原告喜び 県は困惑 /山口

 「行政に司法が歯止めを掛けた画期的な判決だ」。上関原発建設予定地の海面埋め立て免許延長申請の可否について、知事の判断先送りを山口地裁が「違法」と断じた11日、原告や支援者らは喜びに沸き立った。それに対し村岡嗣政知事は取材要請に応じず「今後の対応を検討したい」とのコメント発表にとどめ、県側の困惑が浮き彫りとなった。
 判決は、県側が2013年3月、中国電力に求めた補足説明を問題視した。回答期限を約1年としたにもかかわらず、工事の完了期限は15年10月。福井美枝裁判長は「埋め立てが完了期限内に終わると合理的に認められない」と違法性を指摘した。
 山口市内であった報告集会で、原告側代理人は「工事が終わらないと分かっていて、判断を留保したことが違法と認められた。その時点で知事は不許可の判断をするべきだった」と判決を評価した。同地裁では埋め立て免許の取り消しなどを求める2件の訴訟が係争中だ。原告の1人、児童文学作家の那須正幹さん(76)は「他の訴訟にもプレッシャーがかかる。県は控訴するだろうが、粘り強くやっていかなければ」と語った。
 判決を受け、担当部署の県港湾課は「原告側の主張が認められるとは思わなかった」。16年8月に村岡知事が延長申請を許可するまでの手続きをこれまで「適正」と県議会にも説明しており、同課は「反論すべき点がどこにあるのか、弁護士と相談したい」と話した。
 延長を申請した側の中国電力は判決について「裁判の当事者ではない」とコメントを避けた。現在の埋め立て免許は、来年7月期限を迎え再延長申請もありうるが、担当者は「手続き上の予定で決まったものはない」と言及を避けた。
 一方、上関町の柏原重海町長は「判決内容を承知していない」と述べるにとどめ、建設推進派の「上関町まちづくり連絡協議会」の古泉直紀事務局長は「原子力発電所の再稼働と信頼回復が第一。免許の延長は県が法にのっとって判断するべきだ」と冷静に受け止めた。【坂野日向子、真栄平研、松本昌樹、祝部幹雄】
(2018年7月12日 毎日新聞)

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