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税務訴訟資料第265号−132(順号12715)
札幌高等裁判所平成●●年(○○)第●●号更正処分等取消請求控訴事件
国側当事者・国(札幌北税務署長)
平成27年8月27日棄却・上告受理申立て
(第一審・札幌地方裁判所、平成●●年(○○)第●●号、平成27年3月4日判決、本資料265
号−35・順号12618)
判決
控訴人甲
控訴人乙
控訴人丙
控訴人ら訴訟代理人弁護士前田尚一
三島祥悟
同訴訟復代理人弁護士加藤俊一
被控訴人国
同代表者法務大臣上川陽子
処分行政庁札幌北税務署長
鳥海謙一
被控訴人指定代理人原啓晋
瀬川潤
梶昌宏
佐藤誠一
阪本智也
野口一郎
主文
1本件控訴をいずれも棄却する。
2控訴費用は控訴人らの負担とする。
事実及び理由
第1控訴の趣旨
1原判決を取り消す。
2処分行政庁が平成25年1月29日付けで控訴人甲に対してした相続税更正処分のうち納付
すべき税額720万2800円を超える部分及び過少申告加算税賦課決定処分を取り消す。
3処分行政庁が平成25年1月29日付けで控訴人乙に対してした相続税更正処分のうち納付
すべき税額314万0300円を超える部分及び過少申告加算税賦課決定処分を取り消す。
4処分行政庁が平成25年1月29日付けで控訴人丙に対してした相続税更正処分のうち納付
すべき税額179万4700円を超える部分及び過少申告加算税賦課決定処分を取り消す。
5訴訟費用は、第1、2審とも被控訴人の負担とする。
第2事案の概要
1本件は、平成22年1月●日に死亡した丁(以下「丁」という。)の相続人であり、処分行政
庁に対し、後記本件保険金請求権が相続税法24条1項所定の定期金給付契約に関する権利であ
るとして、丁に係る相続税の申告をしたが、処分行政庁から、本件保険金請求権は同契約に関す
る権利に該当しないとして、相続税更正処分及び過少申告加算税賦課決定処分を受けた控訴人ら
が、本件保険金請求権が相続税法24条1項所定の定期金給付契約に関する権利であると主張し
て、上記相続税更正処分のうち申告した税額(控訴人甲(以下「控訴人甲」という。)について
は720万2800円、控訴人乙(以下「控訴人乙」という。)については314万0300円、
控訴人丙(以下「控訴人丙」という。)については179万4700円)を超える部分及び上記
過少申告加算税賦課決定処分の取消しを求めた事案である。
原審は、控訴人らの請求をいずれも棄却したところ、これを不服として、控訴人らが控訴をし
た。
2関係法令等の定め、前提事実、争点及び争点に対する当事者の主張は、原判決の「事実及び理
由」欄の「第2事案の概要」の1項ないし4項に各記載のとおりであるから、これを引用する。
ただし、以下のとおり補正する。
(1)原判決3頁14行目の「金額とし」を「金額は相続税の課税価格に算入せず」と改める。
(2)同頁16行目の「金額をとする」を「金額を相続税の課税価格に算入しない」と改める。
(3)同17行目の「ロ」を「イ及びロ」と改める。
(4)同4頁17行目の「もしくは」を「若しくは」と改める。
(5)同5頁4行目の「A」を「A生命保険株式会社(以下「A」という。)」と改める。
(6)同頁6行目の「本件保険契約」を「以下「本件保険契約」といい、同契約に係る保険金請求
権を「本件保険金請求権」という。」と改める。
(7)同7頁16行目の「賦課決定処分」の次に「(以下、控訴人らに対する各相続税更正処分を
「本件各更正処分」、控訴人らに対する各過少申告加算税賦課決定処分を「本件各賦課決定処
分」といい、本件各更正処分と本件各賦課決定処分を併せて「本件更正処分等」という。)」を
加える。
(8)同頁21行目の「甲3」を「甲3の1」と改める。
(9)同8頁23行目の「相続税回避」を「相続税負担の回避」と改める。
(10)同11頁26行目の「会社」を「A」と改める。
(11)同12頁25行目の「相続税通達」を「相続税法基本通達」と改める。
(12)同13頁2行目の「相続税法通達」を「相続税法基本通達」と改める。
(13)同頁20行目の「複数在する」を「複数存在する」と改める。
(14)同14頁7行目の「確定」を削る。
(15)同頁12行目の「理由とする」を「と主張する」と改める。
(16)同20頁の「原告丙」を「控訴人丙」と改める。
(17)同22頁19行目の「」を「㉑」と改める。
(18)同23頁8行目の「相続税基本通達」を「相続税法基本通達」と改める。
(19)同24頁3行目の「本件更正各処分」を「本件各更正処分」と改める。
(20)同頁14行目の「同項」を「通則法118条3項」と改める。
(21)同頁15行目の「別表㉗」を「別表2順号㉗」と改める。
第3当裁判所の判断
1当裁判所も、本件保険金請求権は死亡保険金を一時金として請求できる権利であり、相続税法
24条1項所定の定期金給付契約に関する権利には該当しないから、本件更正処分等は適法であ
ったと判断する。その理由は、原判決の「事実及び理由」欄の「第3当裁判所の判断」に記載
のとおりであるから、これを引用する。ただし、以下のとおり補正する。
(1)原判決17頁2行目末尾に、改行して、以下のとおり加える。
「控訴人らは、本件保険金請求権が、本件相続開始の時点においては、年金の種類及び支払期
間等が未確定の基本債権としての保険金請求権及び基本債権に係る年金の種類及び支払期間
等を指定する権利であったと主張する。しかし、本件保険約款においては、支払事由が生じた
ときに死亡保険金の一部又は全部を請求することができると定められているだけで、支払方法
を年金の方法によることができるとは定められていない。被保険者が死亡した場合の支払額は
死亡保険金額とされ、保険金を請求するには支払事由が生じたときにA所定の書類を提出する
ことが定められているにとどまり(本件保険約款9条1項、12条2項、4項)、請求するに
当たって、支払金額を確定するための手続は定められていない。本件保険契約では、本件特約
を付加する旨の合意がなければ、死亡保険金の支払方法が一時払であることは明らかである。
また、本件特約を付加するに当たっては、保険金等の受取人の一方的な申出のみでは足りず、
Aの承諾を要するとされている(本件特約条項1条1項)。このような事情からすると、本件
保険金請求権が、本件相続開始の時点で、控訴人が主張するような選択権が付与された暫定的
権利であったとは認められない。
また、控訴人らは、当審において、本件保険金請求権は、本件相続開始の時点で、本件特約
を付加することができる権利を内在していたと主張するが、本件特約を付加するに当たっては、
保険金等の受取人の一方的な申出のみでは足りず、Aの承諾を要するとされていることは上記
のとおりである。控訴人らの上記主張は、上記の「選択権が付与された暫定的権利」を「本件
特約を付加することができる権利を内在した権利」と言い換えたにすぎず、採用できない。」
(2)同頁21行目、18頁2行目及び18行目の各「原告」をそれぞれ「控訴人ら」と改める。
(3)同18頁2行目の「理由はないから、」の次に「丁の意図を検討するまでもなく、」を加える。
(4)同頁4行目の「相続税通達」を「相続税法基本通達」と改める。
2控訴人らは、本件保険金請求権が相続税法24条1項所定の定期金給付契約に関する権利であ
るなどとるる主張するが、上記1のとおり補正して引用する原判決の認定判断は正当であり、上
記主張によってこれが左右されるものではない。
第4結論
以上によれば、原判決は相当であり、本件控訴は理由がないからこれを棄却することとし、主
文のとおり判決する。
札幌高等裁判所第3民事部
裁判長裁判官 岡本岳
裁判官 近藤幸康
裁判官 石川真紀子

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