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被害立証壁高く 全原告の請求棄却 カルテなしC型肝炎訴訟 熊本地裁

 カルテがないため薬害肝炎救済法の対象外とするのは不当として、熊本県内外のC型肝炎患者らが同法に基づく給付金に相当する損害賠償を求めた集団訴訟の判決で、熊本地裁(佐藤道恵裁判長)は24日、残る原告15人全員の請求を棄却した。
 判決を受け、原告弁護団長の園田昭人弁護士は「厳しい結果だ。原告一人一人と話し合って、今後の対応を検討したい」と話した。
 訴訟は全国7地裁で争われ、熊本地裁には2012〜14年に計67人が提訴したが、国との和解が成立した4人と訴訟を取り下げた10人を除く53人は、いずれも敗訴判決となった。
 この日の原告15人は、50〜80代の男女。出産や手術の出血時に汚染された血液製剤を投与され、C型肝炎に感染したと主張したが、佐藤裁判長は「医学的に血液製剤を使用する必要のある状態ではなかった」などと述べ、投与されたとは判断できないとして退けた。
 訴訟で原告側は、医療機関の保存期間が過ぎ、カルテが廃棄された被害者も救済法の対象に含めるべきだとして、1人当たり最高4千万円の損害賠償を求めていた。(熊川果穂)
 ◆「法要件と被害実態に隔たり」
 「カルテがないC型肝炎集団訴訟」で原告15人全員が敗訴した24日の熊本地裁判決は、原告側に課された被害立証の難しさを浮き彫りにした。原告弁護団は「担当の医師が死亡したり、医療従事者から協力が得られなかったり限界があった」と肩を落とした。
 薬害被害者の訴訟を契機として2008年に施行された薬害肝炎救済法で、被害者が国家賠償請求訴訟を起こし、裁判所が薬害によるC型肝炎と認定すれば、症状に応じた給付金(4千万〜1200万円)が支給されるルールが確立した。
 しかし、出産や手術などの際に汚染された血液製剤の投与を裏付けるカルテがないケースが続出。一般的にC型肝炎が発症まで10年以上かかるのに対し、医療機関のカルテ保存義務は5年間しかないことも背景にある。熊本訴訟では国が和解に応じた原告は、医師の証言が得られたケースなどわずか4人にとどまった。
 この日の法廷で敗訴判決を傍聴した原告、巻京子さん(68)=高森町=は「国がカルテ調査にもっと協力的だったら、救済される原告は増えたはずだ」と憤った。
 弁護団は「救済法が対象者とする要件と被害の実態には隔たりがある。例えば、出産時の出血量の記録から血液製剤の投与があったとみなすなど救済要件を緩和する法改正が必要だ」と訴えた。(熊川果穂)
(11/25(木) 8:09 熊本日日新聞)

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