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競輪撤退で川崎市の賠償請求棄却 地裁判決

 県競輪組合=2015年解散=が川崎競輪場の競輪事業から撤退したことを巡り、川崎市が同組合を構成する県と横浜、横須賀の両市に対し、撤退に伴う損害賠償約5200万円を求めた訴訟の判決が14日、横浜地裁であった。濱口浩裁判長は「競輪事業から撤退することに本来制限はない」と述べ、川崎市の請求を棄却した。
 同組合は、1998年から川崎市に使用料を支払う形で競輪事業を開催。収支の悪化を理由に14年度末で撤退した。川崎市は予告期間のない突然の撤退で、使用料収入を得られなくなる損害を被ったなどと主張。訴訟では、予告期間を設けなかった同組合側の対応の是非が主な争点となった。
 濱口裁判長は、同組合が開催のたびに川崎市から競輪場の使用許可を受けていた点を踏まえ、「許可の期間が経過すれば、使用権も当然に消滅する」と指摘。同組合と川崎市の間に継続的な契約関係を認めず、相当の期間を設けて撤退を事前通知する義務は存在しないとした。
 また、売上額に応じて競輪振興法人に納めなければならない「JKA交付金」の猶予制度を、同組合が10年度から活用していた点に着目。5年の猶予期間後に交付金の支払いか撤退を選ぶ制度のため、「組合の撤退は川崎市も十分に予測できた」とし、「組合側に不法行為は成立しない」と結論付けた。
 判決について、黒岩祐治知事は「県の主張が認められ、適切な判決と考えている」とコメント。川崎市の福田紀彦市長は「早急に判決内容を分析し、弁護士とも協議した上で、対応を検討したい」とした。
 同種の訴訟は、小田原競輪場からの撤退を巡って小田原市と3県市の間でも争われ、横浜地裁小田原支部が今年3月、小田原市の賠償請求を棄却する判決を言い渡した。
自治体間闘争に区切り解決金の有無明暗分かれ
 競輪界で慣例とされてきた撤退時の解決金の支払いに、法的根拠はあるのか否か−。県内の自治体同士で相次いだ争いは、14日の地裁判決で一つの区切りを迎えた。他の事案は全て解決済みだが、司法判断は分かれ、金銭が支払われたケースもあればその逆もある。残された最後の紛争で川崎市が今後どのような判断を示すのか、注目される。 解決金の支払いを求め県内で初めて訴訟に発展したのが、平塚市と鎌倉市の争いだ。2010年の横浜地裁判決は、撤退には3年の予告期間が必要として鎌倉市の賠償義務を認めた。
 以降はこの判決が指標となり、撤退団体が支払いに応じる流れが生まれた。14年には3市1組合(鎌倉、藤沢、茅ケ崎、県競輪組合)が川崎市に計約1億6千万円を、藤沢市が平塚市に約1億1千万円をそれぞれ支払った。
 潮目が変わったのは、小田原市と同組合の訴訟だった。3市1組合の枠組みでは支払いに応じた同組合だったが、態度を一変。支払いを拒否された小田原市は15年、川崎市と共闘して提訴に踏み切った。
 地裁小田原支部は今年3月の判決で、同組合がJKA交付金の猶予制度を活用していた点を重視し、「収支改善のめどが立たなければ、組合の撤退は制度上、当然の前提」と指摘。撤退の可能性は事前に小田原市に通達されていたも同然との判断で、平塚市と鎌倉市が争った訴訟と明暗を分ける大きな要素となった。
(2017/07/15 神奈川新聞)

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