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教員残業代訴訟 訴え退けるも“法律 実情合わず”さいたま地裁

 公立学校の教職員に対し月給の4%分が上乗せして支給される代わりに残業代が支払われないことについて、不当な長時間労働が横行しているとして残業代の支払いを求めた裁判で、さいたま地方裁判所は原告の教諭の訴えを退ける一方「法律は教育現場の実情に合っていないと思わざるをえない」と述べました。
 公立学校の教職員には、月給の4%分にあたる「教職調整額」が支給される代わりに、時間外や休日の勤務を行っても残業代などは出ません。
 ただ、教職員の健康を守るため時間外や休日の勤務を命じる場合は、実習や学校行事、職員会議など4つの項目についてやむをえない場合に限られています。
 これについて埼玉県内の公立小学校に勤務する60代の男性教諭が、校長に命じられて4つの項目以外の緊急性のない業務を強いられたとして未払い賃金などの支払いを求めていました。
 1日の判決でさいたま地方裁判所の石垣陽介裁判長は「『教職調整額』はあらゆる業務の時間外勤務に対する手当と解釈できる。原告が校長に命じられた業務によって事務処理ができない状況が常態化しているとは言えない」として訴えを退けました。
 一方で、判決の最後には「多くの教職員が校長に命じられて一定の時間外労働をせざるを得ず『教職調整額』を定めた法律は教育現場の実情に合っていないと思わざるをえない。法律を含めた給与体系の見直しなどを早急に進め勤務環境の改善が図られることをせつに望む」と述べました。
 裁判長の「付言」の内容は
 さいたま地方裁判所の石垣陽介裁判長は「教育現場の実情としては、多くの教職員が学校長の職務命令などから一定の時間外勤務に従事せざるをえない状況にあり、月給の4%の『教職調整額』の支給を定めた法律は、もはや教育現場の実情に適合していないのではないかとの思いを抱かざるを得ず、原告が裁判を通じて社会に問題を提起したことは意義がある」と述べました。
 そのうえで「将来を担う子どもの教育を一層充実したものにするためにも、現場の教職員の意見に真摯(しんし)に耳を傾け、働き方改革による業務削減を行い、勤務実態に即した適正給与の支給のために、勤務時間の管理システムの整備や、法律を含めた給与体系の見直しなどを早急に進め、教育現場の勤務環境の改善が図られることをせつに望む」と述べました。
原告の弁護士「法律改善検討必要と裁判長が述べた画期的判決」
判決について原告の弁護士は「今の教育現場は問題があり、今の法律にも改善の検討が必要だと裁判長が述べた画期的な判決だ」と述べたうえで、控訴する考えを明らかにしました。
 一方、原告の教諭は、裁判のあとの報道陣の取材に対し「今の無賃残業の現状を日本が認めてはいけない。判決で請求が退けられたこと自体は残念だが、あすからの教員の働き方が変わると思うと少し前進できたと感じる」と述べました。
 埼玉県教育委「県の主張が認められた」
 埼玉県教育委員会は、判決について「県の主張が認められたものと考えています」とコメントしています。
(2021年10月1日 19時06分 NHK)

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