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熊谷6人殺害、被告に死刑判決…完全責任能力

 埼玉県熊谷市で2015年9月、民家3軒の男女6人を殺害したとして、強盗殺人罪などに問われたペルー国籍で住所不定、ナカダ・ルデナ・バイロン・ジョナタン被告(32)の裁判員裁判で、さいたま地裁は9日、求刑通り死刑の判決を言い渡した。
 裁判は責任能力の有無が争点となり、佐々木直人裁判長は被告の完全責任能力を認めた。弁護側は即日控訴した。
 公判で弁護側は、犯行時、ナカダ被告は統合失調症が重症化しており、心神喪失状態だったとして無罪を主張した。
 佐々木裁判長は、ナカダ被告が被害者の遺体を隠したり、血痕を拭き取ったりした点について、自身の行為が法に触れることを理解していたと指摘。「精神障害の影響で善悪の判断能力が著しく劣った状態にはなかった」とし、責任能力を認めた。一連の犯行について「金品の入手が目的で、住人を抵抗できないようにするため殺害した」と認定し、「6人の命が奪われた結果は極めて重大。死刑はやむを得ない」と述べた。
 ナカダ被告はスペイン語の通訳を介して判決を聞き、死刑を言い渡された時は下を向いたままだった。
 妻の加藤美和子さん(当時41歳)、長女美咲さん(同10歳)、次女春花さん(同7歳)を殺害された男性(45)は判決後に記者会見し、「家族のため最低限のことは出来た」と語った。ただ、ナカダ被告の口から事件の詳細が語られなかったことについて「真実が聞きたかった」と述べた。
 裁判員を務めた会社員の男性(65)は「事件当時、どのような精神状態だったか判断が難しかった。一つ一つの証拠を協議した結果の判決」と話した。
 判決によると、ナカダ被告は15年9月14日、熊谷市見晴町の田崎稔さん(当時55歳)と美佐枝さん(同53歳)を包丁で刺すなどして殺害し、乗用車や現金約9000円などを奪った。同15日から16日の間に同市石原の白石和代さん(同84歳)、16日に近くの加藤美和子さん、美咲さん、春花さんを殺害した。
(2018年03月09日 20時33分 読売新聞)

熊谷6人殺害 ペルー人被告に死刑判決 さいたま地裁

 埼玉県熊谷市で2015年9月、小学生2人を含む6人が殺害された事件で、強盗殺人などの罪に問われたペルー国籍のナカダ・ルデナ・バイロン・ジョナタン被告(32)の裁判員裁判の判決公判が9日、さいたま地裁であった。佐々木直人裁判長は被告の完全責任能力を認め、検察側の求刑通り死刑を言い渡した。【内田幸一】
 公判では被告の責任能力の有無や程度が争点となった。判決理由で佐々木裁判長は、「被告が人の生命を奪う危険な行為と分かって行っていたことは明らか」と殺意を認定。被告は公判で事件について具体的に話すことはなかったが、現場から被告とDNA型が一致する唾液などが検出されていることから「被害者たちの死亡に直接関与したと推認できる」として3件の強盗殺人罪などの成立を認めた。
 事件では、さいたま地検が精神鑑定のための鑑定留置を行い、16年5月に責任能力があるとして起訴。一方、弁護側の請求による地裁の精神鑑定では統合失調症と診断された。
 公判で検察側は被告に被害妄想や追跡妄想があったとしつつ、事件後に遺体を隠すなど「自己の行為が犯罪だと理解し、対処する行動を取っている」などとして完全責任能力があると主張した。これに対し弁護側は被告が事件当時、統合失調症の影響下にあり「善悪の区別がついていなかった可能性がある」などとし、心神喪失を理由に無罪を主張した。
 地裁の鑑定を担当した医師は公判で「被害妄想や精神的不穏が影響を与えた蓋然(がいぜん)性が高い」と証言した。
 判決によると、ナカダ被告は15年9月14〜16日、金品を奪う目的で3軒の住宅に侵入し、田崎稔さん(55)と妻美佐枝さん(53)▽白石和代さん(84)▽加藤美和子さん(41)と長女美咲さん(10)、次女春花さん(7)−−の6人(年齢はいずれも当時)を包丁で刺して殺害した。
うなだれて身動きせず
 「被告人を死刑に処する」。佐々木裁判長が主文を読み上げると、ナカダ被告はうなだれたまま身動きせずに聞いていた。判決理由の説明のため、裁判長が椅子に座るよう促したが、しばらく動こうとしなかった。被告は黒のズボンと黒の長袖Tシャツ姿。主文言い渡しの際は、複数の刑務官が周囲を取り囲んだ。
 1月26日から始まった公判で、被告は検察官や弁護人の質問に脈絡のない答えを繰り返したり、意見陳述で沈黙したりするなど、やりとりは終始かみ合わなかった。裁判長から起訴内容の認否を問われると、「カップを頭の上に置きました」などと事件と無関係な発言をした。検察官の質問に複数の人を殺したと答える一方、「それは私ではない」と述べたり、「私が6人を殺した」と突然言い出したりすることもあった。【三股智子】
 精神疾患、過去にも争点
 刑法39条は、善悪の判断をする能力が失われているなど責任能力のない「心神喪失者」の行為は罰せず、責任能力が大きく損なわれた「心神耗弱者」の行為は刑を減軽する、と定めている。複数人が殺害され死刑が求刑された事件では、これまでにも精神疾患を理由に被告の責任能力が争われたケースがある。 2015年3月、兵庫県洲本市で男女5人が殺害された事件では被告の男に精神障害による入院歴があった。神戸地裁は昨年3月、精神障害による妄想の影響を認めたが、計画性があったなどとして完全責任能力を認めて死刑を言い渡した。
 完全責任能力を認めながらも、量刑で精神疾患の影響を考慮したケースもある。10年5月に大阪市で男性2人が殺害された事件で、大阪地裁は「統合失調症は治療で良好にコントロールされていた」として完全責任能力を認めつつ、統合失調症による妄想が殺害の動機につながったなどとして求刑の死刑を回避し、無期懲役とした。
 最高裁の集計によると裁判員制度開始から17年12月までに43人に死刑が求刑されたが、今年1月までに心神喪失や心神耗弱が認められた判決は出ていないという。【内田幸一】
(2018年3月9日 10時54分(最終更新 3月9日 13時22分) 毎日新聞)

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